100~200に参加する選手の2シーズン計画具体例(画像参照)
短水路シーズン(9月~3月)
始めの共通準備期間9wは筋肉への酸素の供給能力の向上と遅筋の酸素摂取量の向上。2つのメゾサイクルに分ける。始めの4wは能力が上がりやすいので週ごとに負荷を3割→7割に増やす。回復期なし。次の5wは4wの強化と1wの回復期(6割)を設ける。負荷は一定で8割。この期間全体で、EN1が5割、SP2とSP3が合わせて1割、リカバリーが1.5割。EN2はシーズン3wで2メゾで1割に、EN3は4wで0.5割に。負荷の上げ方は量を増やすのがよい。
次は個別準備期間8wは中距離選手より短い。スプリント能力の低下を防ぐため。ただし、200の選手はそこそこの量の強度の高い持久力トレーニングが必要。酸素摂取能力と速筋の乳酸除去能力の向上が目的。2つのメゾサイクル4wづつに分け、3w強化1w回復(6~7割負荷)で行う。メゾ内での負荷は同じだが、2メゾでは1メゾよりも負荷を上げる。この時がシーズンで最も負荷が高い(9割~10割)時期となる。負荷は、量と強度を上げるのがよい。EN1の最後をEN2EN3にする反復セット中心。EN1が5割、EN2とEN3の合計は3割、SP2SP3は1割、リカバリーは1.5割、SP1は少し行う。
次のレース準備期間6wで有酸素性と無酸素性筋持久力の向上と乳酸耐性の向上が目的。そのため、SP3とレースペーストレーニングの比率を上げる。代わりにSP2に比率を下げる。EN1も4割に落としEN2も能力維持程度にする。その代わりリカバリーを2割に増やす。2つのメゾに割け、3w強化(8割負荷)1w回復(6割)と2w強化(8割負荷)とする。
ATペースが上がったからといってスプリンターに望ましい変化が起きているとは限らないので注意。というのは、ATの向上には有酸素代謝能力の向上と無酸素代謝能力の低下の二つの原因が考えられるからだ。よって、準備期間には全力泳のテストを実施し、スピードが低下していたら後者の理由でATペースが上がったということになりEN2とEN3の量を減らすべきである。
スプリンターは中長距離選手に比べて回復が遅いのでテーパー期は長め3w位必要となる。負荷は1w毎に6割→4割→3割と落とす。練習比率はレース準備期と変わらず。
長水路シーズン(4~8月)
共通準備期間、個別準備期間は短水路シーズンより短く6wと7wとなる。レース準備期間は同じ6w。期間は短いが、すでに序盤から体がそこそこできているので負荷は高い。負荷の上げ方、比率、種類などな短水路シーズンと同じである。そしてこの後に一年で最も主要な大会を迎える。
50~100に参加する選手の2シーズン計画具体例(画像参照)
スプリンターでは全てのマクロにおいてスプリントトレーニングを重視する。また、個別準備期間が長い。それは、無酸素性パワーやスピードの向上だけでなく、筋持久力の向上も必要でやる事が多いからである。
短水路シーズン
共通準備期間は7wで週ごとに負荷を3割→8割と上げてゆく。EN1は5~6割、SP2とSP3は1割、リカバリーは2割。後半4wはSP1も開始する。0.8割ほど。EN2も少し開始する。
個別準備期間は9wと長い。これを二つのメゾ(4wづつ)に分ける。そして一つのメゾ毎に前半2wをスプリント系後半2wを持久系とする。SP系はSP1,2,3を1.2割の割合で行う。4.5割がEN1でリカバリーが2割。ATより速く泳ぐ練習は殆ど行わない。次の持久系は速筋の有酸素代謝能力向上と乳酸除去能力の向上を目的とする。この期間では100を十分な力で泳ぎきる能力を得ることと次のマクロに耐えられる体を作ることを目標とする。EN2、3、SP1のトレーニング量は2割。但し、全てEN1からのディセンシングでEN2、3、SP1に上げるトレーニングにすること。つまりセットの半分位はEN1で泳ぎ残りはディセンディングにする。また、EN1やSP2,3の割合は変わらず行う。しかしリカバリーは2.5割に上げる。この2メゾの持久力期で練習量は最大値(10割)に達する。SP期は二回とも負荷は同じ(8割)だが、持久期は負荷は量として増やす(9割→10割)。そして最後に1wの回復期を設ける(6割負荷)
レース準備期6wは2w強化(8割負荷)1w回復(6割負荷)3w強化(8割)の2メゾで行う。目的は有酸素性と無酸素性の筋持久力の強化とスプリントスピードの向上。筋持久力の強化にはSP1がよい。2割を占める。SP2,3は合計で1割。EN2は殆どやらず、EN1は少し減少させる。
共通準備期間では3w毎、個別では4w毎に有酸素代謝能力、筋持久力、スプリントスピードを測定する。スピード、パワーが低下せず、有酸素代謝能力が向上していればOK。レース準備期では3w毎に筋持久力、スピード、パワーを測定する。それが向上していなかったらオーバーワークの可能性がある。
テーパーは長めにとり4wとし、1w毎に6→5→4→3割と負荷を下げてゆく。リカバリーを多めに。
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週間トレーニング計画(トレーニング例は画像参照)
まず、筋グリコーゲンが枯渇すると脂肪やたんぱく質が代謝の中心となる。よって、高いスピードを出すための無酸素代謝を行うことができなくなり、高い強度の練習をできなくなる。また、たんぱく質は筋肉そのものなので分解されるのは良くない。そして、消費された筋グリコーゲンが回復するには例えば2時間の有酸素運動によって消費された量は24~48時間かかる。また、スプリンターは速筋が多く筋グリコーゲンの消費も多いので回復に時間がかかる。かといって、完全に回復するのを待っていたようでは能力の向上はなかなか望めない。よって、高い強度と低い強度の練習を交互に繰り返すと良い。
具体的には週2~3回をピークセッション(強度の高い、そのマクロの目標となる練習)を行い、残りをリカバリーやEN1を行う。但し残りのセッションは消費が回復量を上回らなければよいのである程度の練習は可能である。例えば合計距離が100~300ならSP1ができるし、SP2やSP3も距離が短いので可能である。EN2、EN3も短ければよい。キックをすれば上半身は回復するし、有酸素代謝能力は向上する。要するに、ピークセッションで使った筋肉以外をなるべく使うようにすれば効率よく回復できるということだ。
一日一回の練習ならば練習の間が22時間位は開くので筋グリコーゲンの回復をそれほど心配する必要ない。しかし、色々な種類のトレーニングを短い時間に組み込まなくてはならないから大変だ。
一回のトレーニング計画(画像参照)
ウォームアップ:10~15分は必要。
ドリル:練習序盤は疲れていないので意欲や集中力も高い。また、試合の状態で上手く泳げるようにするため、そのようなドリルは練習終盤で行うべき。
メイン:強度が高い練習の後はリカバリーが必要になるのでどうせならダウンの前にやった方が効率がよい。
SP2,SP3:スプリントやパワー向上が目的の練習は筋グリコーゲンが十分にありアシドーシスも無い練習序盤がよい。終盤にする場合はその前に十分に10~20分のEN1やリカバリーを実施する。
EN3、SP1:練習終盤
KP等強度の高いEN1:練習序盤が良い。強度を抑えたものは中盤や終盤でもよい。なぜなら強度が低ければ速筋の回復をしつつ心肺機能の強化になるから。
ダウン:10分以上必要。EN1から徐々にスピードを落とす。
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テーパー
一般的に7~14日で効果が現れ、その後14日程は能力を維持できる。
大会で失敗する例は本来の無酸素性パワーが低下したままで回復しないまま大会に臨んでしまった場合がある。この場合は大会後に1~2週間EN1をするだけでヘストガ出たりする。また、強度の高い持久力トレーニングの量が多すぎて筋持久力が低下するスイマーもいる。
期間は試合が2分以内なら14~21d、4分以上なら7~14d
強度としてはATかそれを超える程度のものも行わないと能力の向上は期待できないことが多い。その量はスプリンターは通常時の4~2.5割に、ディスタンサーは5~4割に減らす。50~100のスプリンターはあまり必要ない。SP2や3をすべき。しかし、あくまで回復に努めるのでむやみに増やしてはならない。
一日あたりの量は減らしても週6で行っていれば持久力は維持できる。スプリントは5割から3割に減らしてよい。ディスタンスは6.5割~5割に減らすのが良い。特にスプリンターは無酸素代謝能力が著しく低下している場合があるので初めは回復のため量をかなり減らすべき。
テーパー期が短いならばいきなり量を落としても持久力が直ぐに落ちることないしOK。長いならば徐々に落としてゆくのが安全だ。
セットの合計が400~800のレースペースを各週に2回行うと良い。
大会の3日前とかは極端に練習量を減らしても短い期間で持久力が落ちることは無いのでOK。逆に無酸素代謝などがきちんと回復する。