千葉県の丸一印関連の作品を作ろうと思って整理する中で出てきた上總国の二重丸型日付印。KG大里/上總・武射の貯金事務便ですが、逓信省為替貯金局が貯金の金額を受領した旨通知した定形用紙の通知状が届けられています。

 消印を見ると、東京郵便局で明治20年10月3日ル便で引き受け大里には翌日到着しています。大里の位置関係を確認していなかったため、これも東京湾航路かと思いましたが、大里は成田の少し南で、上総国の最北端に位置していることがわかりました。当時東京郵便局は12便時代なので、ル便は11番目の便号で夜間の引受、東京から千葉は馬車で1日2往復の逓送があったので、10月4日の朝の便で千葉に向かい、その日のうちに大里まで届いています。なんと早かったことか。

 

そして、大里郵便局は郵便路線図では下総/三里塚⇔上総/大里⇔下総/多古・・・銚子となっており、下総国に属してもいいようなロケーションでした。

大里郵便局は明治9年に開設され、明治21年4月末には閉局しています。そして明治21年5月1日から明治23年3月末まで貯金預所として存続しています。このため、丸一型日付印・縦書丸一型日付印は存在しませんが、貯金印はあったと思われるので、出てきたら珍品だと思います。