息抜きも終わったと思うので(笑)前回の続き。
30代後半~40代前半、アラフォー女性の欲望について①「消費の鍵を握るのは女性」という消費財市場の風潮は、今もなお変わらずにある。
あらゆる世代、あらゆる分野で’女子ウケ’するものが考えられ、その度に私たち女性はたくさんの
選択肢を与えられ、一頃に比べ格段に生活しやすくなったと思う。
けれども私は、30代後半~40代前半のいわゆる「アラフォー」、特に独身女性をターゲットとしたコン
テンツに関しては、最も売り方も打ち出し方も難しいところだと踏んでいる。
そんな、当事者たちでさえハッキリ自覚するのを回避している「訳のわからん自己昇華の方法」の
正体とは何か・・・わかるだろうか?
あくまで一例という前提で、思うところを詳らかに申し上げる。
現代のアラフォー世代と呼ばれる女性たちは、程度の大きさはあれどこかでコンプレックスを感じている。
欲望の正体を堀りに掘り下げたとき、最後に残る石ころは「圧倒的不安」、これに尽きる。
中にはそんなものを感じることなく、オールパーフェクトな人生を送っている方もいるかもしれない。
(そういう方は読み飛ばしてもらったほうがよいかも・・・笑)
けれど、大半の女はある時期を迎えると「自分に残された時間」という問題に直面する。
直訳すると「産むか、産まないか」ということである。
既にお子様がいらっしゃる方も「次はどうするか、どうしないか」と一度は考えたことがあるだろう。
つまり【霊長類ヒト科人間の女として】自分はお役目を果たしているのか、いないのか。
いけるのか、もう赤信号なのか。可能性にかけるのか、違う道を歩むのか。
私は「その道」を渡るのか、渡らないのか・・・。
どんどん目減りしていくリミッターを横目に、大なり小なり焦りを感じながらこれからどう展開して
いこうかと、仕事、恋愛、結婚・・・あらゆる人生戦略を見直さざるを得ないのが、多くのアラフォー
世代の本当の姿だと思う。
(ひとりでは解決不能、ということも目減りの理由である)
だから、(誰がなんと言おうと)誰よりも無価値観に絶望し、人知れず涙する夜もあるし、満ち足りて
いるものより「自分には何が足りないのか?」を数えるのが得意になる。
どんな状況であれ自分の存在を認めて受け入れてくれる場所、人、生き方を探し世間を彷徨う。
今あるすべてに感謝
自分という存在は、万能である
波動の法則 鏡の法則
なりたい自分を先取りしよう
ありがとう ありがとう ありがとう
人生の達人たちはそう言う。
本棚を凌駕する自己啓発書にもそう書いてあった。
神社仏閣に手を合わしてみる。瞑想もする。
周りは凄い、凄いと持ち上げてくれる。
でも、どーーーーーーーーーーーーしてもダメな時があるのだ。
頭では理解していても、感情が納得しなければ心の底から行動することはできない。
とくに、女とはそういう生き物である。
(脳は騙されやすいから、ありたい現実をまず浮かべて、そうなった自分を生きる・・・なんてテクニックを
仮に知っていたとしても)
ゆえに「圧倒的不安」に潰されぬよう「訳のわからん欲望」=自分を満たして裏切らないものにシフ
トする。それが市場原理とは真反対のベクトルであっても。
今、世の中を見渡してみると前後世代(20代~30代前半、40代~50代)の雑誌などは、キャッチーな
コピーとともに書店を踊り、どんどん時代を席巻している。
BAILA (バイラ) 2013年 02月号 [雑誌]/著者不明
¥730
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STORY (ストーリィ) 2013年 02月号 [雑誌]/著者不明
¥800
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対して、テレビのドキュメンタリーなどがアラフォー独身女性を特集するときは、必ず「婚活」、そして
どこか「孤独」の匂いが含まれてくる。はっきり言って、明るくない。
それぐらい、ややこしくて難儀な世代だということを、男女問わずアラフォー女性をターゲットとして
コンテンツを展開しようとする人々は心しておくことである。
ひとくちに「女」といっても様々である。
結婚した、産んだ、仕事もある
結婚した、産んだ、仕事はない
結婚してない、産んだ、仕事はある
結婚していない、産んでいない、仕事はある
結婚していない、産んでいない、仕事もない
おそろしく無限に種別が蠢いている中、私たちは微妙な均衡をもって笑顔を見せながら人間関係を
形成している。
先般、様々なメディアの編集に携わった、同世代の女性(既婚・子どもなし)とこのようなこと↓を
語った。
「アラフォー、万歳\(^o^)/」
「私たちって、素晴らしい!」
という肯定的なアラフォーコンテンツを成功させるのは、世間様が思うほど実は容易ではない。
理由は前述の通りで、その根本にあるのは「本当に今の自分でいいの?」という疑問符が常に
頭をかすめているからである。
圧倒的不安を抱えている自分に「キラキラ風に見えるもの」は、所詮人生のリアルではないのだ。
いろんな物事に折り合いをつけ、達観するにはまだまだ若すぎる、中途半端なお年頃である。
(妖怪人間のヤツらの気持ちも多少は解るねぇ~)
・・・というのが我々の本音であり、冷静な着地点。
例外はあるかもしれないけれど。
今春、アラフォー、しかも独身女性をターゲットとした、なんともチャレンジングな雑誌が刊行される。
日本の知を結集させた「市場の仕掛け」は果たして「女の腹の底」を超えるかどうか。
秘かに行く末を見守ろうと思う。