サンドイッチを作っていて、パンの耳だけ余る。
遠い昔の記憶が蘇る。
不思議と嫌悪感は無く、懐かしくそして切ない気持ち。
とても田舎で王国第一にしていた、何人もの一世の姉妹たち。
まだまだバブルの名残があった時期なのに、みんな貧しくて、とても、とても貧しくて。
「あそこのパン屋さんで、耳をもらえるわよ」なんて口コミが広がったりして。
みかんや桃の缶詰と混ぜて、パンの耳ケーキを作ってくれた姉妹がいた。
亡くなったと聞いた。
とにかく熱心で、エホバ第一だった。
当時40代半ばくらいか。
きついアルバイトに文句を言うことなく、ひたすら奉仕をして、わたしたちみたいな、「若い」「都会的な」二世の姉妹たちが、長老からひいきされても、嫌味を言うことも無く、ヤキモチ妬くこともなく、エゴがとても少ない立派な姉妹だった。
春になって、梅の花が咲いていると、
「姉妹〜^ - ^梅の花が咲いてるわ」って、屈託のない笑顔で。
清貧を重んじる、修道女のような人だった。
待ち望んでいた楽園は来なかった。でも、幸せだったのかな。わからない。
一度も結婚せず、子どもも持たず、ただひたすら奉仕をし、楽園を待っていた。
春になると真っ先に咲き出す、忠実な梅の花のような
人だった。

