本日は、旅のおすすめ鉄道路線をご紹介します。
第一回目としてご紹介するのは、千葉県内を走るいすみ鉄道(旧国鉄木原線)です。
第三セクターであるいすみ鉄道は、JR外房線と接続する大原駅(千葉県いすみ市)と、小湊鉄道と接続する上総中野駅(夷隅郡大多喜町)とを結ぶ路線です。
房総半島の山野田園を横断していく路線で、途中には田園の中の旧城下町、大多喜を控えています。
旅の起点は大原駅。この港町から内陸へと入っていきます。
さて、ホームには、土日を中心に運行されている特別列車が停車しています。
旧国鉄気動車キハ28&キハ52の連結編成。ファンにとってはテンションが上がります。
いすみ鉄道も地方ローカル線のご多聞に漏れず、廃止話が上がっていました。そこで、地方鉄道の活性化に熱心な方を社長に招聘し、鉄道単体でなく、地域ぐるみの建て直し・活性化策を採り入れて尽力されました。
具体的には、地域における利便性確保と同時に、観光客の呼び込みが挙げられます。こうした旧型車の導入もその方策の1つ。同鉄道の社長が「田舎の人は新しいものに憧れるが、都会の人は古いものに憧れている。田舎にあるものを全部新しくしてしまえば、都会の人は来なくなって、一方で田舎の人は都会に流れ、結局誰もいなくなってしまう」という趣旨のことを書かれていました。まさにそのとおりです。
そして、旧型車の導入は、上記の古い車両の購入と併せて、新車両の外観も旧型車仕様としています(いわゆる復元車両)。これなら地元の利用客にとっても旧車ばかりで乗り心地が劣るということはありません。
さて、このキハ28は、食堂車となっています。ふるまわれているのは、地元の素材を使った様々な料理。イタリアンになったり、刺身などの日本料理となったり、その時々で変わります。
その料理も、地元の料理店やホテルと契約しているそうです。もっと安い東京の業者に外注して経費を抑えても、地元の魅力は引き出せませんし、地域経済への貢献は少なくなってしまいます。こうした取り組みによって鉄道を地域経済の受け皿にすることで、地域を巻き込んだ生き残りを図っているのです。
前置きはこの程度にして、列車は大原を出発します。
大原を出発すると、線路は外房線と分かれ、藪の中へと分け入っていく印象です。ちょっと廃線跡っぽく見えます。
見えるのは、丘や森林、草原、遠くの山、そして田園という田舎の風景です。春から秋にかけては緑が美しいです。
沿線最初の主要駅は国吉。
房総半島の山野には紫陽花が多く、いすみ鉄道~小湊鉄道沿線にもあちこちで見られます。6月になると紫陽花がそこここで美しく咲き乱れます。
国吉を出てしばらくすると、沿線最大の主要駅大多喜です。
かつての徳川三河守家康家臣、本多中務大輔忠勝によって築かれた城下町です。
この先終点の上総中野まで、大多喜町内を走ります。次の小谷松は紫陽花の名所。
さらに山が迫って来ると、終点の上総中野に到着。
静かな山間の小駅。谷間に形成された集落は規模が小さく、特に商店も見当たりません。養老渓谷等の観光スポットに向かう接続バスはあります。
残念ながら、五井方面に向かう小湊鉄道線は一駅隣の養老渓谷で折り返す列車も多く、いすみ線よりも本数が目立って少ないです。同じローカル線(しかも鉄道ファンを中心に注目度も高い)同士、相互に協同して売り出せないものかと思います。
もちろん、いすみ鉄道側も、養老渓谷をはじめ小湊鉄道側のスポットもアピールするような姿勢が必要だろうと推測します。いずれにせよ、ぜひともタイアップしていただきたいものだと思います。
さて、上総中野駅周辺は本当に何もないところですが、徒歩圏内に七面山という山があります。紹介ページがありましたので、ご紹介します。
http://tenten.daa.jp/yama/sitimen.html
ちょっとした待ち時間を利用して頂上まで行くことができます。
山々が連なり、大多喜方面を見渡すことはできませんが、谷合にある上総中野の集落は(駅を含めて)一望することができます。ここまでの旅路に思いを馳せるには最適です。
いすみ鉄道に乗車した観光客のほとんどはそのまま大原方面へ折り返していきます(やはりもったいない)。一方、一定数は小湊鉄道に乗り換えて、五井方面を目指します。
左のいすみ線車両は、外観がどう見ても旧型車キハ52ですが、実は最近導入された立派な新車です。ここにいすみ鉄道の絶妙な経営戦略を見ることができます。
線路は養老渓谷へと続いていきますが、小湊鉄道のご紹介はまたの機会に。
皆さんも、いすみ鉄道に乗りにお越しになってみてはいかがでしょうか?







































































