本日ご紹介するのは、神戸市のパティスリー「モンプリュ」です。
(お店の公式ページ)
(僕の記事)
http://tabelog.com/hyogo/A2801/A280102/28002315/dtlrvwlst/1667504/
お店があるのは、神戸市街の中でも海側にある海岸通沿いです。周辺には飲食店が多数並んでいます。
最も近いのは地下鉄海岸線みなと元町駅ですが、JR・阪神元町駅からも近いです。中華街は歩いて数分の位置にあります。
店内は広くて落ち着いた色合いで、サロンという呼称が似合います。
そしてショーケースは大きく、美味しそうな菓子たちがずらりと並んでいます。
圧巻の一言です。
林シェフはフランスの超名店ジャン・ミエで修業され、シーサイドホテル舞子ビラ神戸、御影高杉などを経て独立されました。
お店で出されているお菓子は、徹底してフランスでも通用するお菓子にこだわっておられると思います。
ジャン・ミエはフランスでも古豪のパティスリーです。代官山の有名店イル・プルー・シュル・ラ・セーヌなども系譜を引いています。
こちらもジャン・ミエの影響が見られ、クラシックなガトー(あるいはそのアレンジ)が中心のラインナップです。あと、しっかりと洋酒を使ったガトーが多いことも特徴。
全商品に洋酒を使ってしまうと、子供やお酒に弱い人が食べられるものがなくなってしまい、困るとは思います。しかし、今ある菓子店の多くのように、一切洋酒を使わないというのは本末転倒です。「子供でもどのケーキも食べられるようにした」などと胸を張って言われても困ることは当たり前。
こちらでは、もちろん洋酒が効いていないガトーはありますが、一方でしっかりと打ち込んだガトーもまた多く、大人でも楽しませてくれます。
代表的なガトーが、右側の「ヴァランシア」。ジャン・ミエから持ち帰られた、オレンジとメレンゲのガトー。オレンジリキュールがしっかりと効いた爽快な味で、何と複数のリキュールを併用しておられます。
それだけ、美味しさへのこだわりが強いということなのでしょう。
村田スーシェフ以下、優秀な職人さんが揃っていて、規模が大きいだけあって、ラインナップも豊富で、それだけ思い入れも深まるというもの。
右側のメレンゲのガトーは「シャルマン」。シャンパーニュがしっかりと効いています。
こんなガトーはそうそう食べられないので、嬉しい限りです。
こちらの左側は、ジャン・ミエのガトーの一つ、ガトー・フランボワーズ。
まさにフランス菓子の王道とも言えます。
伝統菓子も多く、オペラやパリブレストなども定番化しています。
秋限定の「オモニエール」は、非常にクラシックなガトーで、今ではとても珍しい(フランス本国では絶滅したのではないかとすら思われる)存在。クレープの中にズシリと栗やクリームが入っています。
たまにしか登場しない古典菓子「ルリジューズ」。
メロンを使った珍しいガトーも。
クラフティー・スリーズも古典的なガトー。チェリーパイに相通ずるところがあります。
年始限定のガレット・デ・ロワ。
神戸と言うと、いかにもお洒落なお菓子が多数あるイメージがあります。
しかし、実は菓子に関しては非常に保守的な土地柄で、大半は日本人向けにアレンジされ尽くした洋菓子です。
こちらのように、フランス菓子を忠実に再現した菓子店は多くありません。
それだけに、こちらは神戸でも抜きん出た存在の人気店です。観光シーズンの土日はサロン待ちの行列が出来ていたとしても、決して驚くべき事態ではありません。
神戸では決して見逃すことのできない、存在感の大きなパティスリーです。