人の心はどうして

そんなに移り変わるの

人の心はどうして

そんなに大切なことを忘れてしまうの

 

刻み付けたくて手放したくなくて

ずっと側においておきたいと願った精神でさえ

直ぐに見失ってしまう

そういうものなの?

 

名もなき花に

なることを願った日を思い出す

 

名もなき花

それは何も語らず語られることもない

それはそっとただそこに在るだけ

 

名もなき花

それは触れられることも愛されることもない

それはそっとただそこに在るだけ

 

名もなき花

それは誰かが何処かで見つけてくれた時

そっとその誰かの心を照らす為だけに在る

 

名もなき花

私はそれを望んだ

遠き日にそうなることを望んだ

間違いではなかった

 

誰かに愛されることも愛することもなく

ただひたすらにそこに咲き続ける

太陽の光をたくさん浴びて

 

風に吹かれ

雨に濡れ

鳥たちの歌声を聴き

月夜に寄り添う

 

それで良かったんだ

名もなき花は

愛されることと

愛することを望んだ

そのまま

咲き続けることの方が

幸せなこともある

 

自然に抱かれたまま

宇宙と一体となって

生きる方が

幸せなこともある

 

光の中に溶け込んで

風を感じて

雫を浴びて

月に注がれて

 

宇宙の真ん中で一つになる

それが一番その花にとって

相応しいことだってあるのだと知る