会話を書くのが好きで、楽しいな〜って思いながら書いていることがあります。
今回は『もうひとつの短夜』の、ラストを取り上げてみましょう。
「……小野先輩。これいつまで続けるんですか?なんか意味あります?」
ハタと我に帰って現実に戻って質問する佐倉。しっかり者だなと言うところがうかがえます。
「佐倉が俺に興味持ってくれねえかなと思って」
なんだ、現実に戻っちゃうのか……と残念に思いながらも、ちゃっかり自分の要望を言う小野。
「そんなの無理ですよ」
それを否定したかのように思える佐倉の答え。これでは小野を嫌っているように見えてしまいます。
「そっか、そうだよな。キモい事してごめんな。もうしねえから」
嫌われていると思って素直に謝る小野。
「だって俺、前から先輩に興味津々ですから」
ここで佐倉が突然のデレ♡小野は突然のデレにポカンとしています。
「ふえっ?なんだって?」
状況が呑み込めず、バカっぽい小野。
「もう言いません」
恥ずかしくなって唇を突き出し、そっぽを向いてしまう佐倉。
「ええ!ケチ……」
ケチと言われてカチンと来た佐倉。小野にだけ買って来ていたパンを返せと言い出します(笑)
「さっきのパン返して下さい」
「やだ!もう俺んだもん!」
「返して下さい!」
「やだやだ!」
すでに夫婦漫才みたいになっていて、書いていた私でさえおかしかったです(笑)
そこからキスに持ち込んで、更に佐倉を怒らせるわけですが……
「消えて無くなるかと思ってさ」
こんな事言われたら、何も言えませんよね。
そして、佐倉から言い出しています。
「癪だから言えなかったんですが、俺、先輩ならいいですよ」
「うえ?な、なにが?」
佐倉がこう言う事を言ってくれるとは思っておらず、直ぐには対応出来ないポンコツと言うかボケみたいになる小野。
「何故そこで(そのバカみたいな)鈍感力発揮して来るんですかね?先輩のものになってもいいってことですよ」
佐倉としては、珍しく自分からアピールしてるのに、何なんだこの人は!って、少し怒ってます。それがまた甘えなんですけど。
もう、何処にも行きませんよ。
だからこのままずっとーー
「ずっと、傍に居てくれるよな?」
「言わずもがな。です」
ラストの小野の問いに対して、
『言わずもがな』と応える佐倉。
描いてて「カッコよ」と思ってました(笑)
ここで 言わずもがな なんて言える人って、そんなに居ないと思うので。
これをラストにしようと言うのは、迷いませんでした。
こうして、コメントを下さった方々と、登場人物の彼等と、空気清浄機的な友のお陰で、このシリーズは悲しいだけの話では無くなりました。
毎年夏は不調で、あまり良い作品が書けない季節だったのですが、これは気に入ってます。
こう言う、仲が良いならではの会話を書けるよう、またそんな彼等を描けるよう、そんな心持ちでいられたなと思いながら終わります。
紅羽