《翔》


ハヌルと出会ったのは、あるオンラインゲームの世界で、学ぶことに特化したそこには、頭の良い奴が山のようにウロウロしていた。


ゲームをしていて学べると言うのは、俺にとっては非常に効率が良くて助かる。出来れば自分より頭の良い人間と仲良くなって、勉強の事を話せると助かるな。


そんな甘い事を考えてゲームをしていて、ある日俺は窮地に陥ってしまう。ゲームオーバー目前で、もうやり直すしかないと思っていた時、ハヌルが現れたのだ。


白い虎の姿で次々と敵を倒す(難問を解く)ハヌルを見ていて、これがとんでもなく頭が良いと噂の中の1人“ホワイトタイガー”だと言うのは直ぐにわかった。敵を倒す速度が普通じゃないのだ。


その場で仲間になり、リアルでの連絡先を交換すると、実際会うまでそんなに時間はかからなかった。ただ、俺は勉強目的でしかなく、ハヌルも似たようなものだった。


「翔となら恋愛してみたい気もするけど、今はそれどころじゃないんだよね?」


「ハヌルさん。冗談でもやめて下さい」


「魅惑的な秀才って、滅多にお目にかかれないからさ」


「ん?何か言いましたか?」


「いや、君に恋した人達には、心から同情するよ。早く受験が終わると良いね」


「そうですね。1週間ぐらいゴロゴロして過ごしてみたいです」


「大切な人とか。いいね、それ。受験が終わったら、その人と旅行すればいい」


「………その為にも頑張らないと」


「でないと、俺が恋人役を演ってる意味がないからね」


「すみません」


「恋人役を引き受けるだけで、君と過ごせるのは、なかなかの報酬だと思うよ。俺も勉強になるしありがたいよ」


ハヌルに恋人のフリをしてもらうようになってから、俺の勉強はまた捗るようになって、高2の終わりには、学年1位を取り戻していた。




つづく