《翔》
本当は特定の恋人を作って、じっくり付き合って行きたいと思っていたし、普通にそうしたかった。
だけど、そうすると俺は、その相手にのめり込んでしまうと思う。それは、今の俺には避けたい難しい事だった。
勉強を最優先したいし、かと言ってえっちな事もしたい。でも、特定の恋人に縛られて、あれこれ制限されるのはとてもやってられない。
真面目に考えた上での、「セフレ」と言う関係の提案は、自分自身酷いと思うし、身勝手だとも思っている。
正直なところ、青野がこの条件をOKするとは思わなかったのだ。
『んな事するかよ』
なんて軽蔑されて、彼は俺から離れて行く。そんな事を予想していたのに。
なのにあんなホテル予約して、あんなに丁寧なセックスと、ガツガツしたセックスなんかして……。
いかん。思い出したら頭ん中沸騰しそうだ。落ち着け、落ち着け。
『誘ってるの?』
しまった。雅紀の事思い出したら、それはそれでヤバい。ちょっと前までは、本当に幼くて、頼りなかったのに。
いつの間にか中身まで成長してて、あんな眼で俺を見るなんて。思わず煽ってその気にさせ、結局俺が好きなようにされてしまった。
けど、快感を覚えたての身体には、それがまた善くて。散々鳴かされた挙げ句、何度となく彼のモノを締めつけては、ぶるぶると前で後ろで果てた。
そのまま朝まで一緒に居ようとする雅紀を部屋に帰して、俺は部屋を片付けると空気を入れ替えてから、ようやく横になった。
(こんなにシてたら勉強どころじゃねえな。本気で気をつけよう)
明日は計画を立てて、それから図書館に行って、それから本屋に行って。確か参考になるチャンネルを教えてくれるって、青野が……。
雅紀の事を話したら、さすがに青野も引くだろう。まさか本気で俺がそんな事をするとは、思ってもなかっただろうし。今度こそ軽蔑されて、やっぱ無理だわなんて振られて終わりだな。
「……俺、何やってんだろ」
気付くと、熱いものが枕を濡らしていて。それはしばらく止まってはくれなかった。
馬鹿な事をしているとは思ってたけど、この時の俺は、もうこうするしかないと思い込んでいたのだ。
つづく