自然の摂理に倣(なら)うなら、本来異性とするはずの行為の、ましてや受け入れる側になるなんて、さすがに恐怖心や不安がひとつも無いなんてことはなかった。

だけど、彼との事を意識し始めた時から俺はそっち側で、だからそうなんだろうなと、覚悟みたいなものはしていた。と言うか、好きな人が出来て初めて、こんなに真剣に考えるものなんだなと思っていた。




侑さんの部屋は広くて落ち着いた雰囲気で、天蓋付きの大きなベッドが鎮座していた。彼は俺の腰に手を添え、ベッドまでエスコートすると、座らせて小さなカップを手渡してくれる。

リラックス出来るお茶だと聞いて、くいと飲み干すと喉が熱くなって、リキュールが少しだけ入っている事を聞いた。甘くていい匂いがするのは、アロマキャンドルらしい。

部屋の明かりが落とされ、間接照明と枕元のランプだけになる。いよいよかと思って身構えていると、「少し話そうか?」と言って侑さんはベッドに寝転び、俺に腕枕をすると他愛もない事だと前置いて話し始めた。

たまたま仕事先で立ち寄ったコンビニに、とても好みの男の子が居たこと。それから、彼の目に映りたくて、遠回りしては通い続けたこと。

思い切って話しかけた日のこと。栄養ドリンクを渡した時のこと。モデルをお願いして引き受けてもらい、舞い上がっていたこと。

「君が僕を好きだと言うのを聞いて、夢なら醒めないでくれと願ったよ」

「夢じゃなくて現実です。俺は侑さんがだいす、き、んん、っ……」

不意に口付けられ、言葉を奪われる。
今はもう、言葉は要らないんだと感じた。

口付けながら彼は器用に俺のパジャマを脱がせると、自分のパジャマもまとめてソファーに置きに行く。放り投げないところが、この人らしいなと思った。

大切な物を丁寧に扱う、侑さんのそんなところが好きだなと、改めて嬉しかった。俺の好きになった人は、温かくて素敵な人なんだと思うと、胸の奥がこそばゆいような喜びで溢れる。

首筋に触れた唇が気持ち善くて、だけど声を上げるのは恥ずかしくて、俺は唇を噛んで絶えていた。そんな俺に気付いていた彼は、脇腹や背中を撫で、最後に胸の突起に手を伸ばす。

「……あっ、い、それ、やめっ!」

こんなところ、今まで何とも思わなかったし、特に感じると思った事も無かったのに。今は触られると、そこから下腹に向かって快感が走って行くのが分かる。

いつしか、ぷくりと勃ち上がった胸の先端を、彼が滑る舌先で味見するように嬲りながら舐め、赤い唇に含んで喰んだ。






つづく