済州島に来て6日目。

俺達はカウルさんの運転で、少し離れた街まで買い物に出掛けた。買いたい物があると、俺が侑さんに話したからだ。




「ところで、祥君は何が買いたいの?」



途中で寄ったコンビニのコーヒーを、車の後部座席で息を吹きかけて冷ましながら、侑さんは多分何の気無しに聞いたのだと思う。



「あ、えっと、その……」


「ん?」


「ローションとコンーー」


「ごめん!それ僕が買うから!そこまで考えさせて悪かった!」


「侑さん、俺、早く貴方のものになりたくて……」


「そんなに想ってくれて嬉しいよ。祥君」



侑さんが俺の肩を抱き寄せ、小さく頬にキスしてくれる。車内にはカウルさんが居るけど、堂々と恋人扱いしてもらえているみたいな気がして、それがすごく嬉しかった。



大きなショッピングモールのドラッグストアに行き、侑さんは俺を外のベンチに座らせて買い物に行く。それから俺達は他の店でもいくつか買い物をして、綺麗なスイーツを食べてから帰路に着いた。



車の後部座席に座る俺達は、ずっと手を繋いでいて、車の揺れ具合がふわふわと俺を夢見心地にさせる。いつしか俺は彼にもたれ掛かり、すっかり眠り込んでいた。






夕食後。俺はシャワーを浴びると、侑さんに買ってもらったばかりのお揃いの可愛らしいパジャマに袖を通して、それから彼の寝室に向かい、徐(おもむろ)にそのドアをノックした。



ゆっくりとドアが開いて、俺とお揃いのパジャマ を来た彼が、蕩けそうな甘い微笑みを浮かべて俺を部屋に迎え入れてくれる。いつもよりずっと、甘くて色香の立ち昇る笑みに、俺の鼓動が一気に跳ね上がった。



「本当にいいの?後悔しない?」



侑さんは優しい。ここまで来た俺に、まだ引き返しても良いんだよと含みを見せ、俺の気の迷いでないのかを確認してくれる。



だけど俺だって男だから、それなりに性欲だってあるし、知識なら色々と仕入れて来た。そもそも、この仕事を引き受けた時から、正直覚悟なら決めている。



「……侑さん。後悔するぐらいなら、俺、この島には来てません。俺は貴方が好きです。それだけじゃあ駄目ですか?」



一瞬、俺を見つめる彼の瞳の中に、哀しみの色が揺らいだように見えた。けれど次の瞬間それは立ち消え、俺は腰を抱き寄せられると、大好きな彼の腕の中に辿り着いていた。








つづく