*BL妄想につき苦手な方はご注意下さい。
リョウを抱きしめたナオが、その首筋に顔を埋めて「抱いてもいい?」と聞いた時には、もう頭の奥が痺れて嫌と言えなかった。それどころか、それが当然のようにさえ感じていた。
了承を伝えると、彼はリョウがまだ身に付けていた青いステージ衣装を器用に脱がせて行く。さっさと剥ぎ取ればいいものを、破れないよう丁寧に扱っているのがわかって、また泣きたくなった。
生まれたままの姿になり、2人してシーツの海に飛び込み、心行くまで求め合う。その合間に何度想いの丈を口にしただろう?言っても言っても、まだ言い足りない。
口にする度、愛おしい相手から、同じだけかそれ以上の想いが返って来て、心が満たされて行く。それが更に愛しさを募らせるなんて知らなかった。
これはどう言うことなんだろう?わからない。わからないけれど、怖くはない。目の前に居るその人が、同じ事を考えているのがわかるから。
丹念に全身を愛され、やがて長い指が受け入れる為の場所に香油を塗り込み、柔らかく溶かして行く。恥ずかしくて逃げ出したいのに、一度感じ始めた身体は新しい快感に抗えない。
両腿を開いて強請れば、彼はそそり立つ自身を蕾に充てがい、隘路に押し込んでくれる。彼のすべてを受け入れた瞬間、目の前が歓喜の涙で滲んだ。
それが恥ずかしくて、誤魔化す為にもっともっとと彼を強請ったけれど、それはいつしか心からの願いになっていた。
恋しい人とひとつになることが、こんなにも気持ち良くて満たされるものなのだと、今宵2人はその身体で初めて知ることになった。
きっとこうして身体を繋ぐことも「幸せ」のひとつなのだろう。だとしたら、今なら探せばもっと、小さな幸せもたくさん見つけられるような気がした。
「幸せに気付く事が出来ることが、幸せになるコツなのかもしれません」
初めて結ばれた後、ふわふわと微笑む彼の胸の上で彼の声と鼓動を聴きながら、リョウはこれが幸せなのかと微睡みの中でそれを噛み締めていた。
そしてそれは、リョウを胸に乗せ、その髪を撫でながら顔を埋めて香りを嗅ぐ、ナオも同じ想いだった。
「……リョウ。俺が壊れて使い物にならなくなるまで、ずっと側に居て下さい」
夢うつつにナオが口にすると、リョウが瞳を細めて答える。その手を彼の手に重ねて。
「安心しろ。言われなくともそうするから」
見つめ合う2人は、
心からの笑みを浮かべていた。
そこにはもう、
寂しさの影は一欠片も無かった。
おしまい