*BL小説につき苦手な方はご遠慮下さい。



《 智 》



俺達を隔てる物は、何もかも邪魔だった。互いに服を脱がせ合いながら自分も脱ぎ、服をベッドサイドに重ね置くと、裸のまま布団の中に潜り込む。 


妖艶に微笑む櫻井を組み敷き、指を絡めてシーツに縫い付け、胸の頂きの突起に吸い付くと、彼は身を捩って仰け反り甘い声を上げる。わかりやすく素直な反応に、俺は内心歓喜した。


ずっと好きで忘れられなかった彼が、自ら俺の気持ちを確かめに来てくれて、あろうことか今は俺の腕の中に居る。毎朝テレビの中から淡々とニュースを読み上げていた、俺とは住む世界からして違うと思っていた幼馴染み。


「身体鍛えてるん?めっちゃ引き締まってて綺麗なんやけど」


腹筋がいい感じに割れてて、見える範囲にシミひとつない。ムダ毛も無くて、まるでモデルか芸能人だ。


「ああ、雑誌に載るかもって話があったから、最近までジム通いして脱毛してたんだよ」


「えっ?裸で?そんなん絶対あかんで。俺以外に見せたらあかんから」
 

「結局その話は流れたから大丈夫」
 

「ビックリさせんなや。心臓に悪いやろ」


「ごめんて、だからそんな、あ、そこは」
 

双丘の狭間の奥の窄まりは、固く閉じていて、だけど指先で押すとゆっくり呑み込まれて行く。これって、もしかしてもしかすると、櫻井が自分で……?


「なあ翔?お前、もしかして」


櫻井は先に両手で顔を覆っている。それでも顔を寄せて尋ねると、観念したのか自分で窄まりを解した事を教えてくれた。どうもネットで調べて、受け入れる側の準備とやらをしたようだ。


「ん〜出来れば、今度からそれは俺にさせて欲しいんやけど、な?」


(そこが楽しいんじゃんとは言えない)


「わかった。ありがとう。俺、早く智とシたくて。焦ってたんやと思う。ごめんな」


(素直な櫻井が可愛くて鼻血出そう。未練たらしく櫻井の事好きで良かった〜)
 

などと俺が考え、頭の中でスキップしていたのは、彼には秘密にしておこう。





つづく