#二宮和也HBD企画2025
『赤い花を手折るのは』番外編
『近過ぎて』その後
キャスト
💚雅(みやび)緑の雷神
💛黄也(きなり)雅の世話係
❤️緋翔(ひしょう)赤の花神(かしん)
💙青嵐(せいらん)青の雷神
ーーーーーーーー
雷神の雅が花神の緋翔に失恋してから、二年の時が流れていた。
緋翔の伴侶、雷神の青嵐は未だ人間界に住んでいて、緋翔の屋敷へ通いながら、天界の理(ことわり)を学んだり術の訓練に励んでいる。
雅も雷神として青嵐の訓練に参加する事がある。ずっと自身の力を知らず、封印されていた青嵐の息子・智の力は、誰もが想像したよりも遥かに強く、青い雷神の一族は大層喜び盛り上がっていた。
そんな噂話を天界のあちこちで耳にする事にも慣れ、心が痛まなくなった頃、雅の屋敷でちょっとした事件が起きた。
雅の世話係の黄也が、緋翔の屋敷へ届け物を持って出掛けた後、忽然と消えてしまったのである。
他の者達に調べさせたところによると、緋翔の屋敷へ届け物をしたところまでは、確かに黄也の姿は確認されている。しかし、屋敷を出た後の黄也の姿は、誰も見ていないと言うのだ。
(おかしいな……)
雅は自ら馬に乗り、緋翔の屋敷へ出向いて直に話を聞いてみる事にした。
「黄也が居なくなった?どうして?」
緋翔は雅の問いに問い返して来る。どうやら、心当たりは無さそうだ。
「それがわからないから、こうして聞きに来ているんじゃないか」
雅は苛立ちを隠せず、手綱を握りしめた。この頃、一際美しくなった黄也には、いくつも縁談話が持ち上がっている。まさかとは思うが、その中の誰かに攫われでもしていたらと思うと、気が気ではなかった。
すると、部屋の奥から伴侶の青嵐が出て来て、緋翔に部屋に戻るように告げると、馬に跨ったままの雅に、非常に言いにくそうに、黄也が消えた理由に繋がるかもしれない、心当たりを口にした。
実は黄也が緋翔の屋敷を訪ねた時、昼間にも関わらず青嵐と緋翔は、交っていたと言うのだ。そんな事とは露知らず、届け物を持って入ってしまった黄也は、何とか届け物は置いて帰ったものの、酷く動揺していたと言う。
しきりに詫びる青嵐に、気にしなくていいからと声を掛けると、雅は黄也を探す為、陽の傾きかけた通りへと愛馬を走らせた。
つづく