眠っている雅紀を見るのは好きだ。 
普段は恥ずかしくて、じっくり見られない、その美しい造形を見られるから。




亜麻色のさらさらの髪。
なだらかなカーブを描く眉。閉じた瞼の下の優しい瞳。広い背中には、翼が見えるかのようで、光ってもないのに眩しくさえ感じる。


左肩の痣は、時に花弁のように、時に羽根のように、様々な形に見えて想像を掻き立てる。きっと何かしらの意味があるのだろう。八犬伝の剣士のように、前世からの因縁があるのかもしれない。


こうして先に目が覚めた時、こんな風に恋人の寝顔を見て、その人の事に想いを馳せるなんて、これまで一度もした事が無かった。


けど、雅紀と付き合い始めてから、俺はずいぶん変わったと思う。そもそも最初の頃は、同性と付き合うなんて論外だと思ってたし。  


ましてや自分が受け入れる側になるとは、青天の霹靂以外の何でもなかった。さすがにそれは、なかなか受け入れられなくて、あの時はずいぶんと悩んだりもした。


コイツと出会ってから、俺の中の何もかもが変わってしまって、俺は今、予想外の人生を歩き始めている。今迄の自分からは、考えられない選択肢だ。


それでも大丈夫だと思えるのは、やはり雅紀のお陰で、彼自身は勿論だけど、その揺るぎない愛を信じているからに他ならない。


今日は雅紀のお爺さんとお婆さんにも会えて良かった。まだご両親にはお会いしてないけど、俺の方も父さんと母さんに雅紀を紹介しなきゃな。


今なら、堂々と胸を張って、彼の事を紹介出来ると思う。だってもう、彼以外の人は考えられないし、その必要もないから。



 

君が俺を見つけてくれて良かった。 
そして、好きになってくれて良かった。
 

君と出逢えて良かった。
君を好きになって良かった。


これからもこうして時を重ね、肌を合わせて。言葉だけでは伝えきれない想いを伝えあって、俺達なりに歩いて行こう。



君は、誰より甘い、俺の希望。
君は、誰より甘い、俺の最愛。


いつまでも何処までも、
肩を並べ、寄り添い
手を繋いで。





「……愛してる。俺の雅紀」超小声


なんて恥ずっ(汗)






おしまい



*実は雅紀はとても耳が良いので聞こえていた。