*BL小説につき苦手な方はご遠慮下さい。
もう夜だと言うのに、マサキの事件があったからか、警視庁にはずいぶん人が居た。あちこちで声を掛けられたが、フル無視で小池の元へ急ぐ。
そうして翔は、小池の執務室で事件の全容を聞いた。
マサキはエアバイクから落下し、何処か損傷したらしい。それから動きがおかしくなり、辺りの物を破壊し始め、通りすがりの市民を一人殺して尚、暴れ回っていたようだ。
そこで対アンドロイド班が出動、破壊対象になったマサキは、アンドロイド専用の弾丸を受け、何らかの部品が引火、燃え上がって黒焦げになってしまったと言う訳だ。
「殺された通りすがりの市民と言うのは?」
「二宮和也と言う、大野博士のラボの職員だそうだ。……なあ櫻井、これは本当に偶然なのか?」
マサキがカズを殺した?
だとしたら、これは多分暴走じゃない。
しかし、今は小池に何も言えない。
目が覚めたら、マサキと一緒に出頭して、これからどうするかを小池に相談して、それから先の事は、追々考えれば良いと思っていた。
そこにマサキの不在と言う予定は無かった。常に彼が居ると言う事が前提で、一緒に暮らしている未来しか描いていなかった。
「櫻井。謹慎が済んだばかりだが、バディの事もあるし、しばらく有給を使うか?かなり残ってるから、少しは使わんとな……」
「……ありがとうございます。とりあえず10日下さい。その先は、また相談させてもらいます。あの、マサキの遺体…いや、身体はどうなります?俺が引き取るのは可能でしょうか?」
「無茶言うな。お前にその権利はない。とにかく、今日はもう帰って休め。誰かに送るよう頼んでやるから」
「部長。俺は……」
「退職の話なら30年後に訊いてやる。その時俺が生きてたらな」
「生きてる方に10万ウォン」*約1万円
「何で円じゃねえんだ」
「部長、車が来たようなので帰ります。色々、ありがとうございました」
「ゆっくり休めよ」
帰宅しても何もする気になれず、横になろうと寝室に入って、ベッドの枕元に置かれた封筒に気付いた。マサキからに違いない。
翔は慌ててそれを手に取り、中身を取り出して広げた。そこには、見覚えのある彼の癖のある文字が並んでいた。
つづく