ここまで薄いとかなりの集中力がいる精度加工と対策が余儀なくされます。
ブログでは、詳細を記載させて頂ければと思いますので、是非お付き合いください。
まず、長期間検証と改良を繰り返してきた理由ですが、それは構造と構造にあった木目の向きが原因で、お蔵入りになりそうな程、協議を繰り返しました。
というのも、この薄さを表現するには、無駄な部分を一切省いて、必要な構造のみを残す必要から、内側にスライドレールをつけて稼動させるという結論に至りました。
このスライドレールを内部に仕込む事で、打ち箱と外箱が膨張したり収縮したりして隙間が出るとガタツキが生まれることから、膨張収縮の少ない木目の縦方向を横にして対策することになりました。
これで、膨張収縮は少なくなって内側のスライドレール部位の【ガタつき】や【締め付け】は軽減されました。
しかし、次なる問題は、横目にしたのと薄さを追求しているが故に、木の性質である【反り】や【捻り】が発生しやすくなりました。
ここからが、長かったぁ~
予測できる【反り】【捻り】の対策として、
・内部のスライドレールを抑える突起の数を増やす事
・浮いた状態になっている部分があるので、その部分を如何に留めるか
まずは、この2点が問題になりました。
内部スライドレールも凹凸を内箱側にもつか外箱側かで、試作を繰り返し、可動域を多く取れる打ち箱凹で決定。
凸の個数や浮きの押さえにいたっては、色々と試行錯誤した後、下部にネオジウムを仕込んで強力な磁力で繋ぎとめ、木の動きの対策を取りました。
結果、収まる時の【シュッ!】みたいな入り方は、磁力のサポートで起きている現象です。
と、ここまでは、いつも行われる悪戦苦闘ですが、本当の戦いはこれからです。
薄さ2mmの壁と言いましょうか・・・
強度としては、トランプの1.2mmが限界ですが、箱物は動いてしまっては作品として×
薄さ2mmは丁度その動きを抑制できるギリギリの厚みです。(経験上:学術的根拠無し)
2mmを切るとトランプみたいに暴れて捻くれた素材をそのまま削って「暴れときなさい!」という加工方法なら意外とその後は、素直な子になっちゃいますが、箱物は組んだあとにそこまで調整・修整が出来ないので、対策とスピードが命になります。
【順柾】であればそう問題はありませんが、【順柾】は備蓄素材の10%にも満たない・・・
という事は、【追柾:表面は柾目に見えていても内側の年輪は斜めに入っている板】を如何に、動きを抑制するかがポイント。
高周波をかけて冷やしてを繰り返すと木本来の反りやヒネリが発生して製寸。
そこから削りだして原型が出来た瞬間にまた動き出す。
多分内部組織のパワーバランスが削ったときに崩れるのだと思います。
間髪入れずに高周波をかけて、曲げ木の要領で修整・製寸
これを繰り返して行った上に、導管部分を硬化剤で都度々導管を埋めていきます。
その上で、ある程度製寸が整ったらウレタンの浸透硬化剤で更に硬化処理!
この工程でも、動きが見られたらもう、ガラス質の浸透硬化剤の出番ですね。
と、バァバァ~っと書き連ねましたが、現場は大変です♪
そんなこんなで出来上がる 【 for Card 16 】
安価でご提供したかったデザインですが、お許しください。
他の名刺入れと同等の価格では、マズイ・・・ヤバイです。
引き出し口は、この位しか開きませんが、ここから十分に出し入れできますのでご安心ください。
出し入れのコツですが、まずは開けて下から指で突き上げます。
それから、親指でスライドして抜き出します。
最初は少し戸惑いますが、直ぐに慣れます♪
薄くても当然、Laser刻印は可能です。
Laser刻印可能域は、70mm×95mm
高級な化粧箱に入っていますので、そのままプレゼントできます。
この薄さは、類を見ませんが、その分こだわりを見て頂ける逸品!
これだけの品質・デザイン!
だけでは、ありません。
さらに!
こちらもつけましょう(笑)
当然、LIFEの特徴でもあります 無料メンテナンス♪
末永くご利用頂きたいので、製作デザイナー森園君が責任を持って自分の作品の補修や修整を永久に行います。
往復の送料はご負担ください。(郵便が安くてお得です)
親しい方へのプレゼントや自分へのご褒美に、日常に自然を感じられる弊社LIFEの作品を是非、ご検討ください。
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