レコードとは、音楽が収められたプラスチック製の円盤で、溝をレコード針がなぞることで音を再生する仕組みだ。1980年代に一度レコードは沈静化し、音楽メディアの主役はCDへと置き換わった。CDは「レコードより音質が良い」という触れ込みで登場し、リリースされる作品のほとんどがCDへ移行。爆発的なヒット作が次々と生まれた時代が続いた。
その後、音楽はサブスクへと移行し、配信で聴くのが当たり前になった。CDのリリースも近年では減少している。そんな中、再びレコードが脚光を浴びている。DJ文化の影響かと思われがちだが、実は「原点回帰」としてレコードそのものの価値が見直されているという。
レコードは、録音したはずの音が再生されなかったり、針と盤が触れる際にノイズが入ったり、扱いを誤ると割れてしまう繊細なメディアだ。それでも、2025年の国内レコード生産額は1500億円を超えている。
アーティスト側も限定版アナログをリリースする動きが広がり、それを求めるファンも多い。レコードプレイヤーの価格は1万4700円から12万円まで幅広く、決して手が届かないものではない。
収納や手入れが大変なレコードだが、その「手間」こそが新鮮だと感じる人もいるのだろう。昭和時代のレコードにはプレミアがつくものもあれば、大量生産されて価格が下がっているものも多く、ソフト自体は比較的安価に手に入る。今の時代でもレコードを楽しむ土壌は十分にある。
このブームがいつまで続くかは分からない。しかし、時代は必ずどこかで古いものへと回帰する。次に何が流行るのかは予想がつかないが、「まさかこれが」というものが再評価されるのを考えるのもまた面白いし、分からないからこそ面白い。
音楽に関して言えば、「音の良さ」を追求した結果CDに辿り着いたわけだが、それもすでに行き着くところまで行ったのだろう。