9月19日(土)、アニメ『美味しんぼ』の新作が制作されることが突如発表された。往年のファンとしては嬉しい限りだが、同時に気になる点も尽きない。キャラクターのビジュアルは今風の「令和アニメ風」にブラッシュアップされるのだろうか。
さらにどこまで現代の情勢を取り入れるのかも見ものだ。劇中にSNSやスマートフォンは登場するのか、東西新聞社のデスクには当たり前のようにパソコンが並ぶのだろうか。そして何より、山岡士郎の宿敵であり父でもある海原雄山は、存命の設定なのか、それともすでに故人となっているのか。
キャスト(声優陣)の変更も避けられない課題だ。山岡士郎役の井上和彦さんは現役だが、栗田ゆう子役の荘真由美さんはすでに声優業を引退されている。昭和版のアニメは東西新聞社の女子社員・田畑さんの結婚式で一旦幕を閉じ、その後は単発のスペシャルアニメが不定期放送されたのみだった。原作コミックのエピソードを抜粋してアニメ化していた経緯を考えると、今回はどこからどう描くのかが非常に楽しみである。個人的には、山岡と栗田が結婚した後のエピソードから描いてほしいと願っている。
単に昭和の作品をなぞって「令和版」にするだけなら、わざわざ作り直す必要はない。昭和版アニメの完成度が非常に高かったからこそ、生半可に時代を合わせるくらいなら、いっそ思い切り現代風に割り切って制作したほうが作品として盛り上がるのではないだろうか。
声優陣についても、山岡、富井副部長、谷村部長、大原社主などのキャスト変更は時代の流れとして致し方ない。しかし、栗田さんだけは昭和版の荘真由美さんの声質に近い方を選んでほしいのが本音だ。
主題歌に関しても、かつての名曲「Dang Dang 気になる」(中村由真)を現代のアーティストがカバーする形が良いのではないか。例えばAdoさんのような勢いのある歌手が歌い直せば、一気に話題性も高まるはずだ。現状ではタイトルが発表されたのみで詳細には一切触れられていないため、妄想は膨らむばかりだ。
一方で、懸念点もある。原作コミックで描かれ議論を呼んだ「福島を訪れると鼻血が出る」という描写をはじめとする表現問題はどう扱われるのだろうか。あの騒動以来、原作の動きも停滞している印象があるだけに、アニメ化にあたってうやむやにせずどう向き合うのかは注視したい。
昨今は空前のリメイクブームだ。『こちら葛飾区亀有公園前派出所』もキャストを一新してリメイクされると聞くし、『ハイスクール!奇面組』のリメイク成功など、今後もこの流れは続きそうだ。個人的にはこの勢いに乗って『クッキングパパ』や『シティーハンター』などの名作も、ぜひ現代版としてリメイクしてほしいところだ。
まとめ
今回の『新・美味しんぼ』制作決定は、かつて昭和・平成のお茶の間を彩った名作アニメが、令和の時代にどのように生まれ変わるのかを占う大きな試みです。
単なるノスタルジー(懐古趣味)に浸るリメイクにとどまるのか、あるいはスマホやSNSが普及した現代の食文化・メディア環境に正面から挑む意欲作になるのか。声優陣のキャスティングや主題歌の選曲、さらには過去の表現問題への向き合い方を含め、今後の続報から目が離せません。昭和の良さを継承しつつ、思い切った現代化を果たした新しい『美味しんぼ』に出会えることを楽しみに待ちたいところです。