第108回全国高校野球選手権大会も、いよいよ決勝を残すのみとなりました。
決勝で対戦するのは、和歌山代表の智弁和歌山と群馬代表の健大高崎です。
智弁和歌山は準決勝で優勝候補の横浜を7-1で破り、5年ぶりの決勝進出。一方の健大高崎は天理との準決勝を1-0で制し、夏の甲子園では初めて決勝へ進出しました。
ここでは両校の過去の甲子園での対戦、注目選手、今大会の勝ち上がり、甲子園での戦績などを振り返りながら、決勝の勝敗を予想してみたいと思います。
智弁和歌山と健大高崎、甲子園で過去に対戦したことは?
まず気になるのが、両校の過去の対戦です。
智弁和歌山は甲子園の常連校で、夏の甲子園だけでも優勝3回を誇ります。一方、健大高崎は2011年夏に甲子園初出場を果たした比較的新しい強豪校です。
両校は春夏を通じて甲子園で何度も対戦しているような印象もありますが、今回が甲子園で初めての対戦となります。
智弁和歌山にとっても健大高崎にとっても、甲子園の決勝という最高の舞台で初対決を迎えることになります。
これはなかなか面白いカードです。
智弁和歌山の注目選手
智弁和歌山でまず注目したいのは、エースの和気匠太投手です。
182センチの大型右腕で、智弁和歌山の投手陣を支える存在。今大会は投手を一人に頼るのではなく、複数の投手を使いながら勝ち上がってきました。
そして打線の中心が、捕手の山田凜虎選手です。
強肩強打の捕手として注目されており、智弁和歌山打線の中軸を担います。さらに長友悠成、荒井優聖らが上位打線を形成し、切れ目のない攻撃を見せています。
そして準決勝で一気に注目を集めたのが楠本龍生選手です。
横浜戦では3回に織田翔希投手から逆転となる3ランホームラン。7回にもタイムリーを放ち、智弁和歌山を決勝へ導く大活躍でした。
決勝でも、この中軸が健大高崎の投手陣をどう攻略するかが大きなポイントになりそうです。
健大高崎の注目選手
健大高崎は、投手陣と機動力を生かして勝ち上がってきました。
打線の中心となるのが、石田雄星選手、神崎翔斗選手、佐藤麻恩選手です。
石田雄星選手は俊足のセンターで、U-18代表候補にも名前が挙がる選手。神崎翔斗選手は好ショートとして評価され、来年のドラフト候補としても注目されています。
そして4番を打つ佐藤麻恩選手は投手もこなす二刀流タイプ。今大会は打撃だけでなく、準決勝の天理戦では先発投手として8回途中まで2安打無失点という素晴らしい投球を見せました。
健大高崎は特定の一人だけに頼るのではなく、複数の選手が投打でチームを支えているのが特徴です。
智弁和歌山の1回戦から準決勝まで
智弁和歌山は今大会、2回戦から登場しました。
2回戦 智弁和歌山 2-1 社
初戦となった社戦は、2-1という接戦をものにしました。
決して派手なスタートではありませんでしたが、相手に大きな流れを渡さず、しっかりと勝ち切ったのは大きかったと思います。
3回戦 智弁和歌山 7-3 敦賀気比
3回戦では敦賀気比と対戦。
試合は延長11回タイブレークにもつれ込みましたが、智弁和歌山が7-3で勝利しました。
接戦を経験しながら勝ち上がったことで、チーム全体の粘り強さも増していきました。
準々決勝 智弁和歌山 11-3 仙台育英
準々決勝では仙台育英と対戦。
ここでは打線が爆発し、11-3で快勝しました。
接戦を勝ち切る力だけでなく、打線が爆発したときの破壊力も見せた試合でした。
準決勝 智弁和歌山 7-1 横浜
そして準決勝は、今大会屈指の好カードとなった横浜戦。
横浜が初回に先制しましたが、智弁和歌山は3回に山田凜虎のタイムリー二塁打、楠本龍生の3ランホームランで一気に4点を奪って逆転。
7回にも追加点を奪い、最終的には7-1で横浜を破りました。
先発した和気匠太も8回4安打1失点と好投。大会屈指の右腕・織田翔希を擁する横浜打線を1点に抑えたことで、智弁和歌山の投打の完成度の高さを改めて印象づけました。
健大高崎の1回戦から準決勝まで
健大高崎は、今大会ここまで4試合でわずか2失点という驚異的な守りを見せています。
1回戦 健大高崎 7-1 八幡商
初戦の八幡商戦では7-1で勝利。
5回に一挙6点を奪って試合を決めました。
先発の石垣聡志は4安打完投、11奪三振という好投を見せています。
2回戦 健大高崎 1-0 東海大甲府
2回戦からは、健大高崎らしい接戦になりました。
東海大甲府との試合は1-0。
4番の佐藤麻恩が放ったタイムリーが決勝点となり、その1点を投手陣が守り切りました。
3回戦 健大高崎 4-1 佐野日大
3回戦では佐野日大を4-1で破りました。
この試合でも相手に大量点を許さず、安定した試合運びを見せています。
準々決勝 健大高崎 1-0 有明
有明との準々決勝も1-0。
しかも延長10回までもつれ込む厳しい試合でした。
それでも最後まで守り切り、夏の甲子園で初めてベスト4へ進出しました。
準決勝 健大高崎 1-0 天理
そして準決勝の天理戦。
健大高崎は1回裏、4番の佐藤麻恩がタイムリーを放って先制します。
その1点を佐藤、北田、石田翔大、石垣とつなぐ継投で守り抜き、1-0で天理を撃破。
これで健大高崎は、夏の甲子園で初めて決勝進出を決めました。
4試合で13得点、わずか2失点。
派手な打ち合いではなく、投手力と守備力で勝ち上がってきたチームです。
両校の甲子園での戦績
智弁和歌山は夏の甲子園に29回出場し、これまでに3回優勝、1回準優勝を経験している超名門です。
2021年には夏の甲子園を制しており、今回は5年ぶりの全国制覇を狙います。
一方の健大高崎は、2011年夏に甲子園初出場。
夏の甲子園ではこれまで優勝経験がなく、最高成績はベスト8でした。
ただし春のセンバツでは2024年に群馬県勢として初めて優勝しています。夏の甲子園では今回が初の決勝進出となり、勝てば春夏を通じて2度目の全国制覇になります。
つまり決勝は、
「夏の甲子園で4度目の優勝を目指す智弁和歌山」対「夏初優勝を目指す健大高崎」
という構図になります。
決勝の勝敗を予想
決勝のポイントは、智弁和歌山の強力打線を、健大高崎の投手陣がどこまで抑えられるかでしょう。
健大高崎はここまで4試合で2失点。
これは文句なしに素晴らしい数字です。
ただ、智弁和歌山は準決勝で横浜から7点を奪いました。
しかも相手は最速157キロを誇る織田翔希投手。
その織田投手から楠本龍生が3ランを放ったことを考えると、智弁和歌山打線の勢いはかなり強烈です。
一方、健大高崎も簡単には崩れないでしょう。
1点を争う試合を何度も経験しているため、終盤まで接戦に持ち込めれば、健大高崎に勝機が出てきます。
ただ、私は今回は智弁和歌山を優勝予想にします。
準決勝で横浜を7-1で破った勢いと、ここに来て打線の状態が上がっていることを評価しました。
健大高崎の投手力を考えると大差にはならないと思いますが、終盤に智弁和歌山が勝負を決める展開を予想します。
私の決勝予想
智弁和歌山 4-2 健大高崎
智弁和歌山が5年ぶり4度目の夏の全国制覇。
健大高崎は最後まで食らいつくものの、あと一歩届かない――。
そんな決勝を予想します。
ただし、健大高崎が先制して1-0、2-0とリードする展開になれば話は別。
ここまでの健大高崎は「1点を守り切る野球」ができています。
果たして智弁和歌山の強力打線が、それを打ち破るのか。
それとも健大高崎が夏の甲子園初優勝という新たな歴史を作るのか。
2026年夏の甲子園、最後の一試合です。
決勝は8月22日。
今年の高校野球を締めくくるにふさわしい、素晴らしい試合を期待したいと思います。