久しぶりに演じる。 | Suiの超私的NY通信〜変容の旅ブログ〜

Suiの超私的NY通信〜変容の旅ブログ〜

New Yorkでモデル→女優として活動中のSui Nakashima/雛衣(Sui)のOfficialブログです。

Suiの超私的N.Y通信


 写真は今週の火曜日に行ってきたTalent エージェンシーのインタビューへ行く途中の風景。火曜日ひさーーーーーーーしぶりにNJ トランジットという、34丁目のPenn Stationから出ている電車に乗ってニュージャージーへ行ってきた。写真からもわかるように、マンハッタンとはずいぶん違う世界が広がっている。高層ビルが立ち並ぶマンハッタンを背にして、ちょっとした逃避行の気分だった。マンハッタンからたった15分、20分電車に乗って行くだけなんだけど、気分的にずいぶん変わる。そろそろまたどこかへ行きたいな。なんてちらっと思ったりして。まだまだ赤点滅ではないけどね。
 そうだ。私移動してないなー、最近。と改めて思ってしまった。そんなこと。前回ニューヨークを離れたのは8月末。それから5ヶ月近く出てない。そろそろ出る時期かしら。うん。
電車に揺られて目的地へ向かう。

Suiの超私的N.Y通信

 
下は途中の駅。「Elizabeth」という名前を見て即座に思い出したのが、去年の6月にオクラホマに引っ越した役者友達のElizabeth。彼女と一緒に芝居の稽古をしていた時期があった。懐かしい。なんだか写真に残したくなり。撮ってみた。

 さて、このNew JerseyにあるTalent エージェンシー。emailをもらったのは、年が明けてすぐの事だった。3日とか、4日とか。どうやら、私が一時期model agency,talent agency,casting directorにヘッドショットとレジュメ(履歴書)を送りまくっていた時に送った中の1社らしい。確か100社近くは送ったはず。8月とか、11月。その返事が今きた!大量に郵便で送ってからすぐには連絡はなかなかこなかった。とっくに忘れてしまってた(汗)でも、まさか今!ってタイミングで、しかも送っていた写真もまだ髪の毛が黒くて。。。ってことは、8月に送ったものである。何が起こるかわからないものだ、と最近つくづく思う。ありがとう、神様。

 そんなこんなで、彼らと連絡を取り合いインタビューの日が決まった。火曜日の2時。そしてなんと、久しぶりにモノローグを披露することになった!!!!!ひゃーーーって感じ。なんてったって、去年2011年は全く芝居の「し」の字も私の生活になかった。最後に「演じる」という事をしたのは、かれこれ2年ほど前。しどろもどろの英語で、先生がクラスで何言ってるかちゃんとわからなかった時期に通っていた「シーン/モノローグ」のクラス。それが2009年の11月から年末にかけてだから。。。。ちょっとしたブランクが。。。。まあ。さておき。やるしかないでしょう、ということで、以前ずっと練習していたモノローグの台詞をまた練習開始。ぶつぶつ、暇さえあれば口ならし、というか。とにかく口に出して練習。
 
 
Suiの超私的N.Y通信


 そしてこちらが台本。内容を簡単に説明すると、Claudiaという女性が主人公。幼い頃に実父母が離婚し、その後迎えた義理の父親に長期に渡って幼児虐待を受け(実母容認の下、セクシャルな行為をずっと受けていた)、それがきっかけで心を閉ざしてしまった。一度結婚したもののうまくいかず、結局一人になって売春婦になり客の一人を殺してしまい、殺人の罪に問われている裁判所でのシーン。その裁判所で、「お母さんを愛してますか?」と裁判官に尋ねられたところからモノローグが始まる。実にシリアスなシーン。 

 2年前、クラスでやった時はとにかく英語がすぐに出てこなくて演じる事よりも台詞をちゃんと言うのに苦労した。もちろん、役もとても複雑で難しい役だ。発表したときは気持ちはくるんだけど台詞がうまく出てこなくて結局日本語で訳して演じて、と言われた記憶がある。それはそれで勉強になった。

 そして時が経って今回。久しぶりに台詞を言ってみたら、以前よりも何倍も楽。しかも、ちゃんとまだ体に残っていた。すごい。車の運転と一緒で、一度体で憶えたものはそうそう0にはならないみたい。なんだか感動した。まあ、とりあえずうまくやろうと思わず久しぶりの芝居を楽しもう、と心に決めて当日へ臨んだ。

 そしてインタビュー。とても和やかな雰囲気でいつもの自分が出せた。持って行ったポートフォリオもとても気に入ってくれたし、何より嬉しかったのがモノローグを褒めてくれた事。本当に嬉しかった。赤の他人、しかも今まで何百人と役者をみてきている彼らの言葉とあれば、それは信用に値する。少し自信になった。ということで、今後も彼らと連絡を取り合いつつ今年からまた芝居を本格的に再開することに。わくわくする。新しい挑戦が待ってる。

 少しずつ、本当に少しずつだけど全てにおいて良くなっていってるのを体で感じる。過去の3年間、悔し涙を沢山流した甲斐があった。まだまだ英語ももっと勉強していきたいし、もっとちゃんと話せるようになりたいと思うけど、少なくともちゃんとどこに行っても自分らしくいる事が出来るようになった事が嬉しい。まだまだだけどね。謙虚でありながらも自分で自分を褒めてあげる、そのバランスを常に大事にしたい。序走期間が終わり、やっとスタートラインに立ってる感じ。

 自分という楽器のメンテナンスをはじめる時期が来た。