姫の手術1 | ☆Sweet Smile☆

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先天性心疾患でフォンタン術後の娘と家族の日記

Nでは、毎日Nの主治医、循環器の主治医、外科の主治医…姫のチームのドクター達が姫の様子を見てくれていた。


いつ手術をすればいいのか。

姫の容態と手術を天秤にかけて、時期を探っていた。


そして姫が生後2週間ほどたった時、ついに一度目手術の日程が決まった…。


通常、エプスタイン奇形で最重症(の中でも最重症)の場合、最終的には単心室系疾患の根治手術である『フォンタン手術』を目指すことになる。


ただ、一度目の手術の難易度が非常に高い。
一般的に『スターンズ手術』と呼ばれている最初の手術…

私も詳しく勉強してないからスターンズの詳しい内容とかはあんまり理解してない�んだけど、要は大きくなっちゃった右心房とかを小さく縫い縮めちゃう手術です(適当すぎ?ごめんなさい)。


でも、姫の手術に当たっては執刀医からも主治医からも『スターンズ』という単語は出なかった。


術後しばらくして聞いた話によると、姫の術式は正確にはスターンズとは違ったらしい…。スターンズに何かをプラスして、日本でもそう例のない術式…名前のない、スターンズよりさらに難しいものだった。


『スターンズ改』とママ友に命名してもらったすんごい手術。


説明時に提示された予想される死亡率…

30%…!


そのときは、産前散々回った病院で、6~7割死亡、良くて五分五分…なんて言われていたから、3割と言われても

『意外に低い』

なんて思っちゃったけどね…

今考えると、その数値を見ても恐ろしい手術…難しい手術だったんだと怖くなる。


10人に3人…言い換えれば3人に一人は亡くなる訳で、何万人に一人と言われた最重症エプスタインに当たったことを考えれば何が起こっても不思議ではなかった。


決戦は12日。


どんなに成功の確率が低くても…手術を受けないと姫は確実に、いなくなってしまう。

私たちには選択肢はないのだ。

小さな命を削って懸命に生きる姫…

このころから私は産後ブルーからも抜け出し、姫と一緒に戦おう!と前向きになりだしていた。