みなさん、こんにちは。透析室看護師の伊藤です
結婚、出産を経て昨年の4月に当院に入職した1歳7か月の子供がいる、ママナースです
もうすぐ入職して、1年になります。寒い冬も終わり、やっと春らしい季節になってきましたね
突然ですが、みなさんは「慢性腎臓病」って聞いたことはありますか?
慢性腎臓病は、現在8人に1人が罹患している新たな国民病といわれています。
腎臓の機能は一度失われると回復することがない場合が多く、近年では医療技術の進歩により、早期に治療を開始することで、腎臓の機能の低下を防いだり、遅らせたりすることが可能となっています。
ですが、末期腎不全の状態に至ると、対症療法として人工透析(腹膜透析か血液透析)や根治治療として腎移植である腎代替え療法を選択することになり、人工透析を選択した場合は、生涯にわたって治療をし続ける必要があります。
2021年末現在、全国で約32万人が人工透析を受けており、そのうち血液透析が約97%、腹膜透析が約3%の割合で推移しています。
(画像引用:~キッセイのヘルスケア情報~おいしい365日)
私は現在、腎代替療法専門指導士の資格を2022年に取得し、腎不全外来にて患者さんへ腎代替療法選択の説明を行っています。
慢性腎臓病と診断され、患者さん1人1人それぞれ違う治療過程をたどっています。
病気の進行を抑えたい一心で長く食事療法に取り組んでこられた方や、突然腎不全と診断を受けた方など、「透析が必要です」と医師から告げられたときのショックはとっても非常に大きいものです。
喪失感や透析への拒否感でいっぱいになり、先のことを考えるのが難しいと思っている患者さんが多くいらっしゃいます。
私は患者さんの、異なる生活背景や価値観、生きがいにフォーカスをあてて、腎臓の働きを補うために、また、症状を緩和するために、どのような方法があるか(血液透析、腹膜透析、腎臓移植、保存的腎臓療法)を説明し、どの方法が最も適しているかを患者さん・ご家族と医師・看護師等で一緒に考えています。
疑問点は遠慮なく尋ねていただき、十分な情報を得た上で、患者さん自身がこれからの人生を、どのように過ごしていきたいかプランを一緒に考えています
透析導入平均年齢が70.42歳と高齢化しており、週3回血液透析に通院することが難しいケースもでてきています。
当院は、昨年4月より腹膜透析患者の受け入れを開始し、現在5名の方が腹膜透析を希望され治療を受けています。
お仕事と透析の両立を希望する方や、高齢のため週3回の通院が難しく自宅で行える腹膜透析を選んだ方など、患者さんとご家族の希望に沿った療法選択をしていただいています。
透析療法は生涯にわたって治療をし続ける必要があります。そのため、その人らしく日常生活を送りながら治療が行える環境を整えることも、透析看護に必要なことだと考えています
私は、透析看護に携わって10年以上になりますが、透析医療は日々進化していて、新しい技術や知識が求められるため、子育ての合間をみて勉強しています。
また、当院の透析室は、日曜日が固定休のため家族との時間も有意義に過ごしています
子供の急な体調不良でお休みをいただくときもありますが、スタッフ全員がパパ・ママなのでスタッフ全員で協力しながら、業務を行っています。
透析看護にご興味がある方、ぜひお待ちしております