夜は寝られないから大変。




でも昼も大変。

私的には、昼は体力ではなく精神をズバッと削られるので、昼の方がしんどい気がします。

夜のお泊り夜勤は、主に私の真ん中の妹“ルル”が請け負ってくれました。

というのも、ルルはジィジの退院直前にギックリ腰を患ってしまったので、抱えたりする昼の介護は無理だから夜に貢献したい、と。
もちろん、私にはレオ君とワンコ二匹が居るのでそれを考慮してくれて…

そして全く出てこない1番下の妹“ロロ”は、コロナにかかってしまい すぐに戦線離脱チーン

介護職員なので期待していましたが、介護職員ゆえにコロナももらいやすく……しょうがない、残念!
今は在宅療養の要介護者も多いようです。うつりたくないけど、でも行かないとその方達は生活できないし…しょうがない

というわけで、夜は主にルルが対応、昼間は私が対応しました。



とにかく お呼び出しが多い!


何度も書いていますが、


暑い または寒い

頭を起こせ 寝かせろ

背中がかゆい

チャンネルを替えろ

今日は何日?誰が来るんや?

おしっこが出た 

うーん……何もない などなど



姿が見えないと泣く赤ちゃんのようで、オカンが出掛けると 探して、


「おーい!お母さーん!お母さーん!」

「お母さんはどこに行ったんや?

何時に帰ってくるんや?」

「お母さんはまだなんか?

おい、電話してみろ!」



しらんがな!むかっ

たまにはゆっくりさせたれや!ムキー



でもまだこれでも、私には遠慮があるようです。


オカンの愚痴をたくさん聞いていました。


ベットから車イス・車イスからベットの移乗は、危ないのでかならず二人でするようにしています。


オカンしか居ないから無理!と言っても


「(ベットから車イスへ)

降ろしてくれ降ろしてくれ

降ろしてくれ降ろしてくれ降ろしてくれ…」


「(車イスからベットに)

寝かしてくれ寝かしてくれ

寝かしてくれ寝かしてくれ寝かしてくれ…」


呪いのように繰り返すらしい。


「今日はエルザが来るんやろ?

まだ来んのか?電話しろ電話しろ電話しろ」


そしてそれが何十分もゲッソリ めちゃくちゃしつこいチーン

「今は行かれへん!って言うて〜」と何度か オカンが電話を掛けてきた…


そらオカンもおかしなるわショボーン




お父さんの介護で何が大変って、コレなんですよね…無理or理不尽な要求と とにかく頻繁な呼び出し。


無理なのわからん?

それ、ほんまに自分でできひんの?

今じゃないとあかんの?

我慢できひんの?

もしかして…わざと手間かけさせてる?


そんな感じの呼び出し。


なのでね、「それを減らしていけるよう訓練したらどやろか?」と言ったことがあります。オカンのためになると思って。


でもオカンは


「そんなんやっても一緒!無理や。」


と一蹴しました。


なのでね、私がやってみたんです。


「お父さん、呼ぶの

ちょっと我慢してくれへん?

まずは15分我慢してみよかニコニコ

○時○分まで呼ばないで?」


「……うん」


案の定15分経つまでに、やはり呼ばれます。でもそこは


「お父さーん、まだ○分ちゃうから、

もう少し待って〜」


と言うと黙るのでそれを繰り返し、時間になったら行って、


「お父さん、おかげでゆっくりできたよ

ありがとう!ニコニコ

ほんで、用事は何?」


「………別に無い」


「そう。じゃ、次は20分お願い。

○時○分までね!」


とやってみました。んじゃなんとかできて…


40分超えてくると「それは無理や!」と言うので、「25分!」「あかん、30分!」と交渉したりして。



私がみている間に回復したオカンに そのことを告げると、やっと 渋々やってみることにしたようでした。


私がお父さんと


「お母さんをちゃんと寝かしてあげて?

そしたら家でずっと介護できるかも。

寝る時くらい一人で寝れるやろ?」


と言うと「そらできるわ〜」って言ったので約束していたんですよね。夜間は呼ばないって。


それを信じて、やってみる気になったんです。やってみなきゃ変わらないって。




その翌朝、オカンは泣いてロロに電話して、なんとか入所を早めるか ダメなら何とかショートステイに入れてほしいと頼みました。


どうやらオトンとの約束はダメだったようで、そのせいで逆に不安を煽り 酷くなったとのこと。


私はオカンを休ませる為に会社を欠勤し、本格的な昼勤介護に行きました。




私は、自分が良かれとやったことで オカンをまた追い詰めました。


オカンが求めていたことは、そんなことではなく ただ自分のしんどさをわかってほしい ということでした。


本格的に昼勤をしてみてよくわかりました。

とはいえ7時間労働くらいのもんでしたが!


何度も何度も納得できないことで呼ばれる腹ただしさ。


一人でお父さんの重たい体を支え、腰が痛くて泣きながら下の世話をする時の辛さ。


なのに「そんなことまでせなあかんの?」と思うほどのことを要求される怒り。


それを、誰も手伝ってくれずわかってもくれない…うーん…大袈裟ですけど、絶望感?


夜勤は夜勤で辛いけど、昼勤は精神を削られるような辛さがありました。




私が、良かれとオカンにやったことは責めること。


もっとやれることをやってみなきゃ

はじめから諦めるんではなく…


そうではなく、共感とか共体験が必要だったのだと やっと気付きました。



オカンがたまに言う


「お父さん、ボケてないんちゃうかなぁむかっ

わざと意地悪されてるとしか思われへんムキー


それもよくわかりました。


呼ばれてオムツ交換を言いつけられた時、私がアイスを食べていたので「コレ食べるまで5分待って?」と言うと「わかった」と言ったのに1分後にはお呼びがかかり


「それ捨てて、早よオムツを替えろ!むかっ

おしっこムカムカおしっこムカムカおしっこムカムカ


と喧嘩を売るような眼光で睨みつけてきましたからね。


あれが人にものを頼む態度か?

あれはわざとやと思うムキー


うん!お母さん、激しく同意!!ムキー



昼も夜も一日中の辛い試練…

ああ…ゾッとする…

お母さん、わかってあげられずごめんねショボーン





お父さんは変えられないから 自分達で何とかできることをしないといけないけど、それはもう手詰まりのように思えました。


なので、オカンの本当の状況がわかった私は、介護職員でコロナ療養中のロロにSOSを出しました。

もうピークは脱していたようだったので…


コロナ療養中で外出できず

しょうがないとはいえ、

何かできるやろ!?むかっ


ラインで訴える私達のヘルプに対し 当たり障りのないことしか言わないし、反応のうすーいロロに腹が立っていました。



ここで、オカンの


わかってもらえない苦しみ

わかろうとしてもらえない悲しみ


がわかりました。


「私は状況的に、(コロナから)復帰しても夜勤は無理やと思う」と ハナからやるつもりもなくサラリと言ったロロに、私はほんとにブチ切れて、


「無理って何なん?無理な理由は何?

そうじゃなくてやらなあかんねん!

そうしないとルルが潰れる!」


やるやらないを選べるわけじゃない。どうやってやるかを選べるだけだ。と。



専門家から見て、

他に何かできる知恵は無いのか教えてほしい

もうギリギリで このままでは皆つぶれる

今すぐ外からの支援が必要やと思う

何か手立ては無いのか

家に来れなくても何かできるやろ?

どうにか知恵を貸してくれ


本音は、


あんたは部外者ちゃうねん。当事者やろ!?

もっと本気になって考えてよ!

もっと本気で関わってよ!



すると、やっとロロが動いてくれ、ケアマネさんと話をしてショートステイをもぎ取ってきてくれました。


そしてトントン拍子で、入所まで決まりました。




今の本当の状況をわかってほしい

わかったら、何かしら手を差し伸べてほしい

差し伸べるために 歩み寄ってほしい

歩み寄って状況をわかってほしい


この堂々巡りのあがきに気付いてほしい…


そのためには、同じ体験をして分かち合える人が必要ですね。協力者です。


家に介護者が何人も居るからOK、というわけではありません。


ルルとオカンが家に居てても、2人居るから必要ない ということはないのです。


とにかく行って2人をしばし開放して 共体験をして 大変なことをしているとわかることが大事。


介護とは、精神を削られる。


だからこそ、心からの共感が大事なんでしょうね…




夜も大変なのですが、昼は精神疾患を疑うようなところが顕著に出て また大変でした。


私達にはやっぱり ずっとお父さんの介護は無理だと、何度も確認する日々でした。



昨日、お父さんは特養に行ってくれました。


ほんとに……ごめんなさい。