お正月明けの三連休、
名前を聞くだけで反応してしまう、あこがれの地「金沢」を訪れました。
2001年に渡仏直前に訪れて以来、およそ16年ぶり。
前回は飛行機でしたが、今回はついに開通した新幹線での金沢入りです。
~カナザワ(私の苗字)、金沢へゆく~ (言ってみたかった
)
![てへぺろ](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/019.png)
お茶好きに 「金沢」といえば、「加賀棒茶」は、つとに有名。
「棒」とは、日本緑茶の「茎」の部分を指す言葉。
茎の部分のみを焙じたもの。
つまり、茎ほうじ茶のこと。
見た目が「棒」のようだから、ということです。
東京などでは、珍しいかもしれません。
ほぼ全員が「いい香り~!あま~い!これ、ほうじ茶なんですか?」
と云います。
茎ほうじ茶は、香りが強く、渋みもほとんどなく、ほの甘くて優しい味です。
アジア人、アメリカ人に出しても
I love this toasted flavor!
と抜群に評判が良く、煎茶に比べると淹れ方も熱湯でOKだし、値段も手頃、
外国人向けのギフトとしては最高です。
専門用語で「火香」「焙煎香」と云われる、こうばしい香りは、
おそらく世界で一番愛される香りなのではないでしょうか。
今回、金沢屈指の観光スポット、主計町(これで、かずえまち、と読む。そんなところも素敵。)にある「上林金沢茶舗(かんばやし)」さんで、金沢のお茶に触れてきました。
↑↑↑三代目店主の織田聡さん
見ての通り!お若く、、30代。(そしてイケメンでしょ
)
![ウインク](https://stat100.ameba.jp/blog/ucs/img/char/char3/004.png)
ジャンルは違うけれど、お茶に携わる方に若い世代の方を見つけると、
もうとっても嬉しい。
もっともっと大きなマーケットになってほしい、と勝手に期待してしまう。
上林茶舗さんは、京都の創業450年の老舗「上林春松(かんばやししゅんしょう)」から
暖簾分けされた金沢の日本茶専門店。
織田さんとお父様である社長さん、お二人から、
それは丁寧に、お茶についてのお話をしていただきました。
(hpの写真お借りしました)
普及品レベルの(つまりスーパーで200グラム¥500~800など)ほうじ茶というのは、
茶の木の下の方の葉や茎をいっしょにした製茶し、高温短時間で火入れをし、
「ほうじ茶らしい」焙煎香を「つけて」います。
緑茶でも紅茶でも、芽やそのすぐ下の若い葉で作られた茶は、
うまみが多く、芳香成分も豊富で高級茶となります。
下の方の葉っぱで作られた茶は、日本茶の世界では「番茶」と呼ばれますが、
番茶だって、美味しいものはあるのです。
問題は、「焙煎」。
たいていの安物ほうじ茶、ハッキリ言って「もはや、焦げてるレベル」。
焦げすぎて、すぐに酸化しかねない、健康に悪そうな品、が多いと感じています。
強めに焙じて、香りで味をごまかしているのです。
こちらの加賀棒茶、100グラム¥1000也。
そういった普及品レベルのほうじ茶に比べると、割高ではあるのですが、
まったくの別もの。
とにかく高く、遠くまで広がる品のよい焙じ香、
丁寧に作られていることが分かる、しみわたる茎の甘み、
それでいて、あくまでもあと味はすっきり。
毎日、何度でも飲みたくなるような、
天然のフレーバードティー。
ちなみに、茶葉販売大手の「ルピシア」でも、加賀棒茶は同じ価格。
これが加賀棒茶の基準値なのかもしれません。
さて、
エレガントな物腰のロマンスグレーの社長さん(写真を撮り損ねました・・・)からは、
金沢の紅茶のお話しを伺いました。
およそ8年くらい前から、「新しいアイテムを」という思いで、紅茶作りに取り組まれたこと。
最初は、はるばる静岡の丸子まで、茶葉を持っていって製茶したこと。
(紅茶と緑茶は、同じ機械、設備では出来ない。当時の金沢に紅茶をつくる技術も設備もなかった)
陸路8時間の行程で、途中で茶葉がいたんでしまったこと。
冷蔵車で運んだり、途中のパーキングエリアで、茶葉を空気に触れさせる作業をしながら運搬したこと。(蒸れさせないため)
文字で書くと「8年」ですが、
きっと長い長い時間だったのではないでしょうか。
8年前というと、まさしく、私が人生ではじめて日本紅茶、和紅茶を飲んだ頃です。
当時まだNYにおり、一時帰国したときに、くだんの「ルピシア」で、何種類かの和紅茶を買って、生徒さんたちと、わくわくしながら飲んだのですが、
「非常に飲みやすい、甘みが強い、渋みがない、紅茶とは思えない」というのが皆さんの感想でした。
この日、社長さん自ら、金沢の紅茶を淹れてくださいました。
九谷焼のこぶりなティーカップ。
観光客(私)には、心躍るおもてなし!
日本緑茶のメイン品種である「やぶきた」種でつくった紅茶です。
やはり甘み優勢、渋みのほとんどない紅茶です。
それが良い、という人と、紅茶らしくない、という人に分かれます。
渋い紅茶が苦手、そもそも紅茶が苦手、という方が、和紅茶を飲むと顔がぱっと明るくなります。
「渋くないんですね!甘いですね!」
そんな瞬間を沢山見てきてました。
ところが、既存のインドやスリランカの紅茶が好きな人ほど、
「和紅茶はちょっと・・・」という〝斜め見″な意見が多いのです。
人は、知らない味にはたいてい懐疑的なもの。
そこで諦めて飲まなければ、その先はありません。
味覚は進化します。
大人になっても、いくらでも進化します。
和紅茶は、また違うジャンルの紅茶、なのです。
何度も飲むにつれ、
新しい見方、新しい発想が出てきます。
味覚が進化すると、違う世界が待っています。
こうやって飲めばよい、とか、こういう食べ物と合う、とか。
今回改めて、
和紅茶は、間違いなく、日本の食べ物に合うと思いました。
おにぎりでも、おまんじゅうでも。
加賀棒茶も勿論良いけれど、和紅茶とのコンビネーションは、
はっとして、新しい。
合わせるお茶を変えるだけで、
普段食べているものを丁寧に味わえるのです。
新しく感じることが出来るのです。
お茶は偉大だなあ~♪
加賀の紅茶↑↑↑
hpにも書いてあるとおり、べっこうあめ、みたいな懐かしさで、ほっとします。
気取ってなくって、日本のお茶、ふるさとのお茶なのです。
個人的には、カステラやみたらし団子とのマリアージュが最高。
わざわざ、お店に出てきてくださった社長さん、
三代目店主の織田さん、本当に感謝です!
この場を借りて、改めて御礼申し上げます。
有難うございました。