拳道in中州(4)
何が起こったのかわからず、青ざめた表情で引きずられてゆくA君。
まるで牛追い祭りの暴れ牛のように激しく抵抗し、数人のチンピラの方々に捕獲連行されてゆくK君。
ボクはただただ恐ろしくて、その場に硬直するしかありませんでした。
すると、当然のように運転席側の窓際にもチンピラさんがいらっしゃって、「開けろ!!」と叫びながらガンガンとウインドウガラスを叩いているのです。
すでに連れて行かれた二人を見捨てるわけにも行かなく、僕は要求通りウインドウを開きました。
すると・・・
ビンタされました。
社会人になって初めてのビンタやったとです。
痛さよりも恐怖が先行しているのか、不思議と痛みはありませんでした。
やたら目玉のクリクリしたそのチンピラは、運転席に入り込んで僕の胸ぐらをつかみ、言いました。
目玉「おいおい、お前ナメとんのか?あ?」
恐怖で体が自然に震えているのが自分でも分かりました。
目玉「おい!!ナメとんのか聞いとんじゃ!!」
そんな・・・舐めるだなんて(´Д`lll)
ボク「いや・・・ナメてはないですけど・・・。」
この一言が正直、精一杯の言葉でした。
すると目玉は、眉間にシワを目一杯寄せて、すごい力でボクを引っ張り始めたのです。
目玉「降りろ。いいけん降りろ。」
ボク「いや、ちょっと待ってくださいよ!?」
目玉「せからしい(うるさい)ったい!!早よ降りんか!!」
ボク「いや、ご主人!ホントもう、かんべんしてください!」
なぜご主人なのかは分かりませんが、僕は必死でした。
しかし抵抗空しくドアを開けられ連れ出される僕・・・。
その間、何回も「ごめんなさい!」を連呼していた気がします。(泣)
目の前を見ると、さっきのタクシーはすでにいませんでした。
というか、これだけの騒ぎにも関わらず、辺り一帯にはチンピラたち以外に誰一人いませんでした。
まさに中洲砂漠。
引きずられた先に居たのは、正座で泣きながら髪を掴まれているA君の姿でした(;´Д`)
A君は声にならない声で、何か意味不明な言葉を発しています。
僕もすぐさま正座で座るよう強要されました。
アスファルトに正座でいるのはかなり苦痛です。
目玉「お前ら、何でわしらが怒ってるかわかっとんのか?」
僕は正直、この理不尽な扱いを理解出来ずにいたので、何も言えませんでした。
するとA君は泣き声でこう言いました。
A君「タクシーに道を譲らなかったからです・・・。」
嗚呼、そうなのか・・・。
方々の怒りの理由はそれだったのか。
僕らに足りなかったのは『譲り合いの精神』だったのか・・・。
目玉「ちゃうわ!ボケ!!」
A君はそう怒られると思いっきりなゲンコツを食らいました。
目玉「お前ら、若が電話しよる最中にバカ騒ぎしよったじゃろうが!」
若って、あのクマみたいなオッサンの事でしょうか?
とても若と呼ばれるような若さじゃありませんでした。
不意に視線をそらすと、 若が小指を立てて自慢のヒゲを触っている姿が。
僕はそのおよそ恐ろしい風体に似つかわしくない、かわいらしい仕草に、つい笑ってしまったのです。
ボク「・・・フフフ・・・」
またビンタされました。_| ̄|○
今度のビンタはすごい痛みが走りました。
たぶんボクのアホ面にモミジの形が刻印された事でしょう(大泣)
すると、ボクとA君が怒られているところに、もう一人のニワトリのトサカみたいなリーゼント頭のチンピラがやってきました。
何か様子がおかしいです。
血相を変えてやってきたって感じでした。
トサカは慌てた表情で目玉に言いました。
トサカ「ちょ、すいません!」
目玉 「どうしたんか?」
トサカ「アイツ、ちょっと手が付けられなくて・・・。」
アイツ?
手が付けられないという事は、チンピラの仲間の事じゃありません。
ボクはトサカが走って来た方向に振り向きました。
K君「離せボケ!コラァ!!(*`Д´)」
K君、まだ暴れておられました(泣)
チンピラたちも数人がかりでK君を抑えにかかってるのですが、どこにそんな力が残っているのかというくらいに暴れ散らしています。
(((( ;゚д゚)))アワワワワ
トサカ「どうしたらいいっすかね?」
目玉 「・・・こいつらの事言え。」
もちろん『こいつら』とはボクとA君の二人の事です。
恐らく僕らをダシに使ってK君を静める気です。
3人の田舎侍VS20数人のマル暴
ここはどう考えたって勝ち目はありません。
ならば、被害を最小限に抑える事が急務であります。
今は方々を刺激してはいかんのです!!
トサカは目玉に軽くうなずくと、暴れるK君の元へ小走りに向かいました。
頼むぞK君!!
今はツライが、そうするしかないんだ・・・。
僕らのためにも、怒りを静めておくれ・・・・・。
トサカ「コラ!ガキ!!あの二人がどうなってもええんか!!」
K君「そんなん知るかボケ!!」
A君 (TдT)
ボク (T▽T)
つづく
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まるで牛追い祭りの暴れ牛のように激しく抵抗し、数人のチンピラの方々に捕獲連行されてゆくK君。
ボクはただただ恐ろしくて、その場に硬直するしかありませんでした。
すると、当然のように運転席側の窓際にもチンピラさんがいらっしゃって、「開けろ!!」と叫びながらガンガンとウインドウガラスを叩いているのです。
すでに連れて行かれた二人を見捨てるわけにも行かなく、僕は要求通りウインドウを開きました。
すると・・・
ビンタされました。
社会人になって初めてのビンタやったとです。
痛さよりも恐怖が先行しているのか、不思議と痛みはありませんでした。
やたら目玉のクリクリしたそのチンピラは、運転席に入り込んで僕の胸ぐらをつかみ、言いました。
目玉「おいおい、お前ナメとんのか?あ?」
恐怖で体が自然に震えているのが自分でも分かりました。
目玉「おい!!ナメとんのか聞いとんじゃ!!」
そんな・・・舐めるだなんて(´Д`lll)
ボク「いや・・・ナメてはないですけど・・・。」
この一言が正直、精一杯の言葉でした。
すると目玉は、眉間にシワを目一杯寄せて、すごい力でボクを引っ張り始めたのです。
目玉「降りろ。いいけん降りろ。」
ボク「いや、ちょっと待ってくださいよ!?」
目玉「せからしい(うるさい)ったい!!早よ降りんか!!」
ボク「いや、ご主人!ホントもう、かんべんしてください!」
なぜご主人なのかは分かりませんが、僕は必死でした。
しかし抵抗空しくドアを開けられ連れ出される僕・・・。
その間、何回も「ごめんなさい!」を連呼していた気がします。(泣)
目の前を見ると、さっきのタクシーはすでにいませんでした。
というか、これだけの騒ぎにも関わらず、辺り一帯にはチンピラたち以外に誰一人いませんでした。
まさに中洲砂漠。
引きずられた先に居たのは、正座で泣きながら髪を掴まれているA君の姿でした(;´Д`)
A君は声にならない声で、何か意味不明な言葉を発しています。
僕もすぐさま正座で座るよう強要されました。
アスファルトに正座でいるのはかなり苦痛です。
目玉「お前ら、何でわしらが怒ってるかわかっとんのか?」
僕は正直、この理不尽な扱いを理解出来ずにいたので、何も言えませんでした。
するとA君は泣き声でこう言いました。
A君「タクシーに道を譲らなかったからです・・・。」
嗚呼、そうなのか・・・。
方々の怒りの理由はそれだったのか。
僕らに足りなかったのは『譲り合いの精神』だったのか・・・。
目玉「ちゃうわ!ボケ!!」
A君はそう怒られると思いっきりなゲンコツを食らいました。
目玉「お前ら、若が電話しよる最中にバカ騒ぎしよったじゃろうが!」
若って、あのクマみたいなオッサンの事でしょうか?
とても若と呼ばれるような若さじゃありませんでした。
不意に視線をそらすと、 若が小指を立てて自慢のヒゲを触っている姿が。
僕はそのおよそ恐ろしい風体に似つかわしくない、かわいらしい仕草に、つい笑ってしまったのです。
ボク「・・・フフフ・・・」
またビンタされました。_| ̄|○
今度のビンタはすごい痛みが走りました。
たぶんボクのアホ面にモミジの形が刻印された事でしょう(大泣)
すると、ボクとA君が怒られているところに、もう一人のニワトリのトサカみたいなリーゼント頭のチンピラがやってきました。
何か様子がおかしいです。
血相を変えてやってきたって感じでした。
トサカは慌てた表情で目玉に言いました。
トサカ「ちょ、すいません!」
目玉 「どうしたんか?」
トサカ「アイツ、ちょっと手が付けられなくて・・・。」
アイツ?
手が付けられないという事は、チンピラの仲間の事じゃありません。
ボクはトサカが走って来た方向に振り向きました。
K君「離せボケ!コラァ!!(*`Д´)」
K君、まだ暴れておられました(泣)
チンピラたちも数人がかりでK君を抑えにかかってるのですが、どこにそんな力が残っているのかというくらいに暴れ散らしています。
(((( ;゚д゚)))アワワワワ
トサカ「どうしたらいいっすかね?」
目玉 「・・・こいつらの事言え。」
もちろん『こいつら』とはボクとA君の二人の事です。
恐らく僕らをダシに使ってK君を静める気です。
3人の田舎侍VS20数人のマル暴
ここはどう考えたって勝ち目はありません。
ならば、被害を最小限に抑える事が急務であります。
今は方々を刺激してはいかんのです!!
トサカは目玉に軽くうなずくと、暴れるK君の元へ小走りに向かいました。
頼むぞK君!!
今はツライが、そうするしかないんだ・・・。
僕らのためにも、怒りを静めておくれ・・・・・。
トサカ「コラ!ガキ!!あの二人がどうなってもええんか!!」
K君「そんなん知るかボケ!!」
A君 (TдT)
ボク (T▽T)
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