○○○の悲劇(13) | 炎の人生劇場

○○○の悲劇(13)

手術は滞りなく進む。

緊迫した状況にもかかわらず、有線放送から流れるJ.POPの小気味良い音楽のおかげでなんとか正気を保てそうだ。

しかし・・・



木戸ちゃん「♪(゚ー゚*)♪」



この人はいったい何担当なのだろう?

どうでもいいが、なぜかオレの目の前でじっとしている木戸女史。
尻の手術なのに前にいるのは当然おかしかろう。



木戸ちゃん「...から~...いつか~♪(゚ー゚*)」



あんた歌ってないか?


今なんかメロディアスな声が聞こえたのは気のせいか?
マスクで表情は分からないが、あきらかにコイツだけ違う空気を放ってないか?

いや、まさかそんなはずあるまい・・・。
彼女とて、まがりなりにも看護婦のはしくれ。
患者が必死で病気と戦っている最中に、いくらなんでもそれはなかろうて。


○田「木戸くん、バイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸、体温)見て。」


木戸ちゃん「HEY!♪(*゚ー゚)」




歌っとるやんけ(泣)



『HEY!』じゃないだろう?
ヘイって、おかっぴきじゃないんだから。
上司の指示は普通『はい!』って答えるだろ?



○田「いつも元気がいいねぇ、木戸くんは(笑)」

他スタッフ「フフフ、ホントですね。」

木戸ちゃん「すみませーん♪(゚ー゚*)」





なんだこの病院?(;´Д`)


こんなんでいいのか?
いつもこんな雰囲気なのか?
こんな軽妙なノリで?


もう深くかかわるのはよそう・・・。
こうなったらオレだけでも平常心を保たねば!
気にしてはいかん!
平常心、平常心・・・。


○田「・・・おっと。




何だオイ!?

なんかあったのか!?
今の○田の声はなんだ!?



スタッフ「・・・先生・・・!」



なんだ!?何が起こったんだ!?

突然のことに、パニックに陥ってしまうオレ。
○田の声・・・あきらかに尋常ではなかった。
何かトラブルでも起こったのだろうか!?
まさか医療ミス!?( ;゚д゚)

オレはたまらず口を開いた。


オレ「せ、先生!なんかあったんすか!?」



○田「いやぁ、なんでもないですよ(笑)ただちょっと・・・



だからちょっと何だよ!?(*゚Д`;)


決して口を割らない医療スタッフ。
半笑いで済ませようとする事なかれ主義。
結局真相は闇の中。(;´Д`)


こうして疑惑の空気が流れる中、なんとか無事に手術は終了の運びとなったのだった・・・。


つづく→第14話



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