○○○の悲劇(11)
オレは○田に言われるがまま、横向きだった体をうつ伏せにした。
普通なら仰向けを想像するところだが、場所が場所だけに仕方あるまい。
するとオペスタッフがオレの両足をそれぞれ台にマジックテープでしっかりと固定する。
○田「手術中に足が動いたら危ないからね。」
なるほど、確かにそれは危険だ。
安全対策に「やりすぎ」などという言葉は無い。
くれぐれも上級コースのSMプレイなどではない。
スタッフがオレの拘束を終えると、○田は一言。
○田「はい、じゃあ可動部の確認しますよー、ちょっと動きまーす。」
するとどうだろう!
手術台の腰から下の部分が音をたてて上下に動いたではないか!?
『ヴィーン・・・ヴィーン・・・』
患部位置の特性上、手術を円滑に行うための仕様なんだそうだ。
気分はまさにGPライダー
オレは世界をまたにかけるライダー。
前を走っているヤツらは風となって消えてゆく。
『ヴィーン、ヴィーン』
なぜ走るかって?
理由などとっくにスタートポジションに置いて来ちまった。
『ヴィーン、ヴィーン』
孤独だけがオレの味方さ・・・
『ヴィーン、ヴィーン』
後は黙って栄光へのゴールフラッグを駆け抜けるだ・・・
『ヴィーン、ヴィーン、ヴィーン』
うるさいなもう!!
何回確認する気だよ!?
頼むよもう!(`Д´)
と、その時!
ジワリジワリと下半身が熱くなってきた
(((( ;゚д゚)))アワワワワ
それとともに次第にシビレも増してきた。
○田「そろそろ麻酔が効いてきたかな?確認しましょう。」
○田はそう言うと、何かペン先の様な物をオレの尻に突き立てた。
○田「痛いですか?」
オレ「いや、痛くはないです。」
○田「じゃあ、ココは?」
オレ「そこも痛くはないです。」
確かに痛みは無いが、感触はしっかりある。
○田「よし、オッケー。」
本当かオイ!?
麻酔ってこんなもんなのか!?
まだ感触はあるんだぞ!?
オレ「先生・・・痛くはないけど・・・」
○田「あ、大丈夫ですよ(笑)効いてます、効いてます。」
信じていいんだね!?(泣)
○田「じゃあ、よろしくお願いします。」
かくして手術は開始された・・・。
つづく→第12話
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