英白人女性ソウル/フォーク・シンガーのジュリー・ドリスコールと、オルガン弾きのブライアン・オーガー率いるトリニティのこれは何枚目になるのかしら?メンバーやバンド名義がころころ変わるのでよくわからんのですが、トリニティ名義では2枚目か3枚目くらいだと思います。京都の中古レコ/CD屋さんのワークショップで手に入れた帯なしの初期国内盤です。74年に国内リリースされたみたいなので、初回かどうかはわかりません。アナログ盤2枚組で、オーガーのオリジナル・オルガン・インスト数曲、ドリスコールのオリジナル弾き語り数曲以外は、いろんな方面からのカヴァーがたくさん入っています。例えばドアーズの“Light My Fire”、ニーナ・シモンの“Take Me To The Water”と“I’ve Got Life”、ローラ・ニーロの“Save The Country”、それにミュージカル‘ヘアー’の挿入歌“Let The Sunshine In”なんかです。ローラ・ニーロや‘ヘアー’挿入歌はイカしたアレンジでめちゃめちゃカッチョイイんですが、ドアーズとシモンの“I’ve Got Life”はちょっといじりすぎとちゃうか?と思うくらいに原曲をくずしていて、個人的にはどうかな?と思いました。オーガーのインストはさすが超絶テクニックの持ち主だけあって、ほとんどプログレと化しています。ベスト・トラックは“Indian Rope Man”ですな!ノリノリのオルガン・ソウルで、当時のツィギーあたりのサイケなお姉さんたちがクネクネと踊りまくる姿が目に浮かんでくるようです。あとはドリスコールのシンプルなフォーク・ナンバーが渋くてよかったす。全体には当時のメインストリームの音楽をいっさいがっさい詰め込んだ感じで、邦題をつけるなら『これがブリティッシュ・ミュージックの全てだ!』がぴったりな作品す。プログレッシヴ・ロック、英米フォーク、ソウル、サイケデリック・ロック、ブルース、ジャズ、そしてちょこっとアヴァンギャルドな名作!といえるかどうかはわかりませんが、凝りに凝った大作には違いないです。おわり