なんと復活して今でも活動している英ネオ・モッズ/ガレージ・バンドのこれは、おそらく唯一のアメリカ盤やと思います。彼らの83年のセカンド・アルバム『Wisermiserdemelza』(ワイザーマイザーデメルザ:意味不明…)のジャケ写真を拡大しただけの手抜き仕様で、今となっては貴重&誰も見向きもしないレコかもしれません(あのね)。正体のよくわからない、おそらく米インデペンデント・レーベルの‘ピンク・ダスト’からで、同時期に活動していたウィスコンシン州ミルウォーキー出身のネオサイケ・バンド、プラスチックランドの1stアルバムも、このレコード会社からリリースされてました。音楽的にも60sビート/サイケ、ガレージに大きな影響を受けている、いやほとんどその時代のサウンドをまるまる再現することを至上命題としているところは両者共通しているので、こういう系統のバンドを専門としていたレーベルだったんだと思います。ひょっとすると、元トゥモロウ/プリティ・シングス/ピンク・フェアリーズの伝説的人物トゥインクもここからリリースしたことがあるかもしれません。レコB面は先述の2ndアルバム『Wiser~』から6曲を収録ですが、A面の7曲がほぼここでしか聴けない、大変すばらしい楽曲&サウンドのオンパレードです。現行CDからももれている曲もあるんじゃないかしら。彼らのオリジナル・アルバム4枚は、それぞれが微妙に指向の異なる、好き者にとってはどれも名盤といえるほどの完成度なんですが、アナログ盤としては今でも一番手に入りやすいのが『Wiser~』で、4枚の中ではもっともサイケデリック色強く、個人的にはサードの『The Last Fourfathers』と並ぶお気に入りアルバムです。よってその時期のサイケ色濃厚な楽曲がA面にずらりと並んでいるっちゅう、実にたまらんブツなんですね。あ、これはスモール・フェイシズ『オグデン』のあれだ!とか…いやたぶん彼ら究極にはスモール・フェイシズになりたかったんでしょうね。それでは以下トラック・リストです。

 

Side One

1. What I Want

2. Melanie

3. Love Changes

4. Coming Home

5. Reaching My Head

6. The Last Thing On Your Mind

7. Revenge Of The Cybermen Part Two

 

Side Two

1. Here Come The Misunderstood

2. A Dream Is Gone

3. Hurricane

4. Tonight

5. Love Me Lies

6. Far Away