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故ジョン・ピールが惚れ込んでいた英女性SSWのデビュー・アルバムです。一見、顔立ちやキーの低い声からは芯の強さを感じますが、とにかくシャイな人だったらしいです。シェラ・マクドナルド、ヴァシュティ・バニヤンら同時期の英女性シンガー/ソングライターらのメロディにたまに感じられるようなトラッド色はほとんどなく、曲がりくねったようなメロディやリズムはそれほど出てこないです。全体的にはストレートに響いてきて、個人的にはそこが物足らないところではありますが、単純に良い曲がたくさん詰まっています。その中で血は争えんなあと思うのが“Like Never Before”で、このISBが真面目に歌ったようなメロディ展開はかなりキテますな~(ISBが不真面目だということではないですが)。この手のナンバーがもうちょい入っていたら全体の印象はかなり違っていたでしょうな!“The Curious Crystals Of Unusual Purity”のギターはまるでニック・ドレイクが弾いているかのようなフレーズ、音色で、先の“Like Never Before”と並んでアシッド・フォーク調といえなくもないです。そういえば“I Like To Be With You In The Sun”でもボンゴかコンガ(中間とってボンガ)のような音が入っていて、やはりニック・ドレイクを思い起こさせます。起伏の少ないメロディが続く中盤では“Hello Again”が光ってます。これは「カカカコー」てのとコード進行が特に気に入ってます。アルバム・タイトル・トラックではジョン・ピールのアイデアによる小鳥のさえずりと鐘の音が入ってますが、ヘロンのファーストを聴いてしまった後では少々うるさいくらいです。あのさりげなさにはさすがに適わんかもしれません。その‘さりげなさ’という点では、赤ん坊のブリジットとおばあちゃんの写真をジャケに配するというやり方も、例えばサンディ・デニーの両親がジャケに登場したフェアポートの「アンハーフブリッキング」のさりげなさに比べるとちょっとアレかなと思います。あと彼女の写真の写り方や顔のデカさ(それは大きなお世話)にもやや演出過剰(もしくは演技力が足りない)なところが見えんこともないです。