
リチャード・トンプソンの相棒として活躍していたアコーディオン名人ジョン・カークパトリックの奥さん、スー・ハリスと、夫妻の友人でハンマー・ダルシマー職人、フォーク・クラブのオーガナイザーでもあったタフティ・スウィフト(99年没)という人のカップリングCDです。‘Hammers & Tongues’の方がスー・ハリスのアルバムです。どんな音なのだろうとCD屋さん(京都シーズチョイス) で裏ジャケを眺めていると「エレクトリック」という文字が目に飛び込んできたので、思わず頭の中で名作‘Morris On’が流れ出し、これは買いだ!と思ったのでした。うちへ帰って聴いてみると、あれ~?なかなか電気楽器がでてこないなあ~と思い、もう一度裏ジャケを確認してみました。よく見るとそこにはエレクトリックではなくエクレクティック(eclectic:折衷的)と書いてあったのでした。が~ん。まあいいですこれはこれで‘Morris On’とは反対の素朴なよさがありますから!以前取り上げたカークパトリックの‘Plain Capers’同様BGMとして最適です。レーベルも同じくFree Reedです。今も無理矢理流れてます。いや、冗談はさておいてこれを聴いていると、‘Morris On’からベース、ドラムス、エレクトリック・ギターを抜けば全くこうなるし、反対にこのリズム、メロディにロックの楽器をそのまま当てはめれば‘Morris On’になってしまうことが分かります。そう考えると【ここから妄想】伝統音楽にそのまま電気を通すという、今にしてみれば全くシンプルな手法、発想は、ザ・バンド‘Big Pink’の奥深さにやられていた‘リージ&リーフ’制作当時のフェアポート・コンヴェンションの面々、特にアシュリー・ハッチングスにとって実は気になるところではありました。「ヤバい、このままではこのアルバムはバーズの‘Sweetheart Of The Rodeo’の英国版二番煎じになってしまう。それじゃ時代遅れだ。何とか英国版‘Big Pink’にでっち上げなくては・・・」と、リージ&リーフ・セッションでレコーディングしていたバーズのカヴァー、“The Ballad Of Easy Rider”をボツにし、カヴァーはトラッドのみということにして何とか体裁を整え、ほぼ全てがオリジナル作品の‘Big Pink’に近づけたのでした。と、変態ぽいですが妄想的に想像するのは楽しいことです。