スーパー神話ミュージカル
ドラマティック古事記2020
2020.7.31-8.3 よみうり大手町ホール
主催・制作 読売新聞社
原作 市川森一 神話絵画 マークエステル・スキャルシャフィキ
を観てきました。
まずは行く前のワクワクポイントがこの3つ。
1)コロナ禍で劇場から足が遠のいていたので、観劇は本当に久しぶり♪ (ワクワクバロメーター 30ポイント)
2)そして、我がお教室の日髙有梨先生の1年以上ぶりの舞台。大怪我からの復帰舞台です。(ワクワクバロメーター60ポイント)
3)さらに日本最古の書物と言われている古事記。日本という国をつくった神様たちの物語です。
古事記は数年前に市川海老蔵さんが歌舞伎で作品にしたときにも観に行きましたが、日本の、日本人の、そして自分のルーツに思いを馳せるロマンティックな脳内タイムトリップができるのと、ここ数年、特に神様への親近感が増していたのでバレエを取り入れた古事記作品がどんなものになるのか、観てみたい気持ちでワクワクバロメーターが振り切れんばかりの100ポイント超え。笑
会場に着いてみると、コロナ対策で入場時の検温とソーシャルディスタンスは想定内でしたが、チケット半券の裏に氏名と電話番号を書くことになっており使った鉛筆は使用済み箱へ入れるという徹底ぶりが予想以上。万が一感染者が出ても追いかけられる仕組みですね。安心、安心。
座席は一席飛ばしの白い布が設置。押領司大先生の隣ということで緊張していましたが、これで多少緩みます。笑
そしていよいよ開演。
東儀秀樹さんの笙(しょう)の生演奏でスタート。テレビでしか観たことのなかった雅楽、しかもあのイケメンの東儀秀樹さんが同じ空間で。すごいすごい! 笙(しょう)の音色を生で聞く機会が訪れるとは。思わず身を乗り出します。現実世界から一気に悠久の時をタイムスリップして、古代へのタイムマシンに乗っているような感覚になりました。
夫婦の神様であるイザナミとイザナキを演じるのは、本当の夫婦でもある宝塚元トップスター真矢みきさん・バレエダンサー西島数博さんご夫妻。しかも西島さんは神様の国といわれる宮崎ご出身。リアル感を後押ししているようで引き込まれて行きます。
オペラグラスで確認したのは、足元です。神主さんのようなぽっくり下駄で踊るのかしら?無理よね?何履いてるのかしら?と拡大してみてみたら、布のバレエシューズでした。そ、そりゃそうよねー。ちょっと安心。
真矢みきさんの声量と歌声の美しさと力強さは、さすが元宝塚でした。こちらも生で聴けて感激です。
イザナミとイザナキが作ったいろいろな神様が登場してくる中、いよいよ有梨先生が舞台に。
神様の裾の長い白い衣装に、髪はぴったりひっつめアップ、白いお花がサイドに着いた可愛い神様役が本当にお似合い!
足元はトウシューズでジャンプや回転などを交えながら笑顔での演技がとても素敵。
何より驚いたのは、あの長い衣装にトウシューズでのシェネ高速回転のキレっぷり。いくら有梨先生がシェネが得意だとしても、ここまでとは。。。
あれだけの怪我をしてしまってもまた舞台に立てる日が来るなんて、人間の細胞再生力には改めて驚かされます。
この作品のキャストを見てみると、雅楽、大太鼓、演劇、ミュージカル、オペラなど各界を代表するアーティストが集められていることに気づきます。
イザナキ 西島 数博
イザナミ 真矢 ミキ
アマテラス 舘形 比呂一
スサノオ 日野 真一郎 (LE VELVETS)
タジカラオ 植木 豪
アメノウズメ 鳥居 かほり
火の神・他 橋本 直樹
涙の神 浅野 瑞穂
黄泉の王 河野 鉄平
邪鬼・他 志賀 育恵 (東京シティ・バレエ団)
邪鬼・他 風間 無限
野の神・他 日髙 有梨 (牧阿佐美バレヱ団)
海の神・他 水島 渓
船の神・他 石毛 祥太
子供の神・他 山本 花帆
子供の神・他 占部 智輝
時を司る神 佐藤 健作
語り部 柴田 美保子
アメノミナカヌシ 東儀 秀樹 (特別出演・作曲)
そんな中、2人選ばれた女性バレエダンサーのひとりが日髙有梨先生ということが嬉しく誇らしい気持ちになりました。
そして有梨先生もまた宮崎がルーツであり、怪我からの復活の舞台が、神様の物語。
何か目に見えない力を感じざるを得ません。
ミュージカルということで歌を歌う役の人には、肌色の小さなマイクが口のそばに付けられています。(これもオペラグラスで確認)全員で歌うシーンもあり、有梨先生も大きく口をあけて歌っていましたがマイクは無し。ダンサー枠はマイク無しでしたね。でも歌詞まで覚えて歌わなければならないなんて大変!バレエダンサーなのにもはや踊りだけでは許されない世界。
歌もそうですが演技についても書き残しておかねば。
本家本元の演劇界・ミュージカル界の方はもちろんですが、ダンサー陣の演技も素晴らしく、バレエ公演でもここまでの表情をするかしらというくらいの表現力です。
ここでつくづく思ったのは、プロのバレエダンサーなんだから踊りが上手なのはデフォルト、当たり前で、舞台人として求められているのは表現力なのだなあと。当たり前といえば当たり前ですが、アマチュアでありながらバレエに日々携わっている者として、普段のお稽古でもそこまで意識するのとしないのとでは違うんだろうなと思った次第。プロを目指す目指さないは別としてもです。
観劇の翌日、とても印象に残っていたアマテラス役の舘形 比呂一さんという方について調べようとしていた矢先、オープンクラス仲間の島田順子ちゃんから連絡があり、
「けーこちゃん、古事記観に行った? 私の新宿高校時代の同級生がアマテラス役で出てるんだよ!」
「えっ?!うそっ!まさにその人のことを調べようと思っていた矢先よ!」
というこれまた神パワーのような出来事もありました。
大きな体と神がかった大きく響く声、女性の神様のアマテラス役なのに男性が演じるのかと思いましたが、アマテラスの存在感を表現するにはあのぐらいじゃないとと納得できる素晴らしい演技でした。
かくして悠久タイムトリップから戻ってきた私です。
久しぶりに長いブログになりましたがお付き合いいただきありがとうございました!
keiko