だーいぶ、続編記事への間が空きましたが。。。
この記事のシリーズです。
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バレエ教師のための解剖学講座 ←記事リンク
1、「ワガノワメソッド」と「解剖学的アプローチのバレエ指導」の共存 ← イマココ
2、受講して感じた、解剖学的アプローチのバレエ指導の活かし方、ダンサーが求められること
3、心も身体も健康的に踊るということ
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1、「ワガノワメソッド」と「解剖学的アプローチのバレエ指導」の共存
(1)ペルミのワガノワメソッド
私は2011年〜2014年まで
ロシア国立ペルミバレエ日本校で、「ワガノワメソッド」の教授法を3年間学びました!
そこでは伝統的なロシアのバレエのスタイル「ワガノワメソッド」を
10歳〜18歳までクラシックバレエのカリキュラムを網羅すべく
正しいバレエの在り方、教え方を学ぶ場でした。
ワガノワメソッドをしっかりトレーニングすることで
美しく、正しい、厳格な基礎を得られるのですが、
バレエとして正しい動きをすることは、
日本のバレエ教室では、人によっては「できない」ことが多々あります。
特に、ロシアのバレエ学校のように
ロシア全土からオーディションされて、骨格的にも身体的条件も
その厳しいトレーニングを18歳まで耐え抜き、プロに育てられる素養があるダンサーに向けて
のプロ養成メソッドを
日本のバレエ教室のランダムに集まった子達にそのまま当てはめることはできません。
例えば180度に開いた足や脚を常に求めるとかね。
もちろん日本にもロシアにも優秀なダンサーはいますし。
ロシア人だからできる、
日本人は向いてない
という安直な話ではなく
正しいバレエを知って、
美しく正しい基礎を教え、伝える上で
スワンバレエでできることはなんだろう?
日本の子供達の環境で、できるベストや必要なことはなんだろう?
と考えるきっかけにもなった、
ワガノワメソッド教授法の取得でした。
(2)過去に受講した解剖学的アプローチのバレエ指導
導入記事 にも書いたように、
自分の身体のできないことの多さへの不思議(笑)を抱えて
過去に何回も
バレエ解剖学を学ぶ場に足を運んだこともありました。
為になる内容ももちろん多かったのだけど
そこで感じたことは(当時の私が受け取れたこと)
安全に踊る為には
・お尻・前もも・ふくらはぎの筋肉は使わない
・ストレッチはしない
という内容に
それで踊れるの〜〜???という疑問。
バレエ解剖学的な知識は、役立つことも多かったけど
疑問も同時に湧き出る結果でした。
だってワガノワメソッドも学べる力もつけたいし、
コンクールに入賞できる実力もつけてあげたいし、
熊川哲也さんみたいなテクニックはワクワクするし、
中村祥子さんみたいなスーパーボディも見ててうっとりだし、
康村和恵さんみたいな、スリムでフレキスぶるな身体は永遠の憧れだし、
小野絢子さんの、可憐な情緒性は大好きだし。。
究極的なトレーニングをみんなに与えて
身体的にも精神的にも生き残れたものがダンサーになれるんだ!
というような究極ピラミットの勝ち残り戦方式ではなくて
バレエが好きいるみんなが、
理想に近づきながら、心身ともにバレエをすることで怪我や傷を負うのではなく
幸せなバレエ生活を送れるように
指導するにはどうして行ったらいいのかな〜
と漠然と思っているところに知ったのが
メルボルンのバレエ学校でセラピストとして指導している日本人の
佐藤愛さんの発進でした。
(3)DLSの佐藤愛さんのセミナーでは・・・
で、2019年のGWに初参加してきたわけです。
バレエ教師向けの解剖学講座で、
聡明な専門家の愛さんから繰り広げられる
怒涛の内容に、パンクしつつ必死に受講した3日間。。。
この講座、2回は受講を推奨されていて、
それをこなさないと、次のステップに進めない講座もあります。
確かに
3日間じゃとても消化できません。
愛さんも言っていたけど、
「解剖学」は専門的な分野で、
3日で分かろうとするのは、
「バレエ」を大人から3日で踊れるようにしようと考えることと一緒 = 無理
でも、受講して感じたのは、
このバレエ解剖学をコツコツ学んでいったら
バレエ教師教室内で起こる、怪我や痛み
バレエ教師教室以外で(学校などで)負ってきた怪我を負ってレッスンに来た生徒さんに
「無理しないで」「様子見ながら」「できる範囲で参加して」
とだましだましレッスンして、
「痛みが続くようなら近所の接骨院に行ってきて」と伝えて
結局、慢性的に痛みを抱えながら踊る。。
という子を根本から減らしたり、
何かあった時に、より良いアドバイスや処置ができるようになるんじゃないかなー
ということでした。
そして何より刺さった愛さんの言葉は
「生徒たちは先生を信じてバレエ教室に来ています。先生の言うことを一生懸命果たそうとします。
だから先生も学び、生徒の為になることを届けよう」
ちょっと意訳になってますが、
そのようなメッセージ。
私はみんなにバレエを好きな子に、踊り続けられて
バレエが生活の一部にある人生っていうのは、
何歳になっても楽しいよ〜というのを伝えて行きたいのです