まるで奥川の三振ショーを見ているようなゲームだった。

7回を投げ23人の打者に対し18三振を奪っているのだ。4回カナダの4番打者にファールで粘られた末にストレート高めのボール球をライトスタンドにホームランされたが、たまたま強打したら当たったという感じだった。スライダーがホームベース直前で大きく落ちながらキャッチャーミットに収まる、あの軌道は高校生のレベルではほとんど打てないだろう。そしてときどき投げる152キロのストレート、このスピード差に順応できる打者はほとんどいない。スパーラウンドに進出した6チーム中最高打率を誇るカナダ打線に7回わずか2安打、そのうちの一安打はホームランだが、唯一の失点はその1点のみだった。

 

一方、カナダの先発ミラスは長身で力のある球を投げ込んでくるピッチャーだが、コントロールに難があり、好球必打を心かければ攻略できない相手ではないと見た。日本は四球などでランナーは出るものの、荒れ球に的を絞るのに苦心した。完璧に近いピッチングをしていた奥川が4回表に、4番の思わぬ一発を喰らって先制点を奪われたことと、相手のピッチャーを打ちあぐねていたことで、日本チームの中に重ぐるしいムードを感じた。

 

しかし1点を追う5回ウラ無死で9番山瀬、森と連続四球の後2番武岡が投手野選で同点、3番韮澤のタイムリーで勝ち越し2-1としたところでピッチャー交代、4番石川が三振で一死2,3塁のチャンスに5番熊田がスクイズバントの失敗でフライを打ち上げてしまい3塁ランナーがとび出していたため併殺でチェンジ。この回二度目のスクイズ失敗は痛すぎる。狙いは分かるが、2番手ピッチャーもボール球が多く、荒れ気味の投球内容を考えたらスクイズ命令は非常にリスクが高い。高めのボール球は往々にしてフライになりやすい。そのリスクを侵してまでスクイズを命じた監督のミスとしか言いようがあるまい。絶好の追加点のチャンスをつぶしたことは大きな反省材料である。

 

主審のクセを早急に把握するのもバッテリーの重要な仕事だ。このゲームの主審は内角には辛いが、外角や低めは非常に甘めだった。6回の宮城、坂下の三振などは前の球をボールだと思って見逃がしたのがストライクとジャッジされ、混乱して次の完全にボール球に手を出し三振している。しかし相手のカナダ側の打者にも言えるのだから不公平とは言えないないところだ。要はその癖を見抜き、それに沿った対応をすべきだ。

 

基本に忠実な野球を心掛けていればいつかは再度チャンスがやってくる。それが7回ウラだった。この回カナダ投手の4四球1死球とショートゴロエラーで3点を奪い4点差と大きくカナダを引き離した。1点差ではちょっとしたエラーが命取りになる。そのためブルペンでは佐々木の抑え起用も考えていた。ところが4点差がついたので、奥川の後は飯塚が2回を投げ、カナダ打線をパーフェクトに抑え、5-1でカナダに勝った。相手のコントロールと守りのミス、味方投手の好投で勝利をつかむことができたが、打線の不振、攻撃ミスは反省材料である。僅少差での試合ではミスが命取りになることを肝に銘じて頂上を目指して頑張ってもらいたい。特に今日の相手韓国は主j催告だけにアウェーでのハンデはあるが、闘争心を前面に出して勝利をつかんでほしい。

今回の大会会場が日本の九州に近い韓国の釜山、日本もあの周辺は今年の夏は天候不順で雨や台風などの被害が多かったが、釜山も非常に雨が多く、コンディションが悪い中でのハードスケジュールに追われ選手たちは厳しい条件の中での試合で大変だと思う。ここまで日本は5試合行い、そのうち3試合は降雨の悪条件の中で試合をしている。3戦目の米国戦はどうにか9回までできたが、4戦目の台湾戦、5戦目のパナマ戦はいずれも途中雨で中断、降雨コールドゲームになった。降雨コールドゲームは勝っていたチームにとってラッキーだが、負けていたチームはゲーム途中負けになるんだから不運とはいえやり切れないものがある。

 

これまで大会4連覇中で18連勝の米国に打ち勝ったのが何より意味がある。ただ4回まで11-1と米国先発エースを攻略し、2番手投手にも猛打を浴びせ、中盤までに10点差をつけ、完全に楽勝かと思われたが、雨でグランド状態が悪いのは分かるが悪送球がらみなどエラーも相まって中盤5、6、7と3イニングで6点を返され4点差まで追い上げられたときは下手をすると逆点もあり得る不安が脳裏をよぎった。その不安を打ち砕いたのが作新学院の2年生横山の7回裏のソロホーマーである。再び点差を5点とした日本は8回ウラにも4点を追加、これで息を吹き返した日本が16-7とダブルスコアにして乱打戦を大差で勝利したのは大きな意味がある。

 

4回戦の台湾戦も雨、さらに相手の先発は昨年負けた王、グランド状態が悪い上に好投手王に5回まで2安打、初回4番石川のタイムリーで1-0と先制しながら悪送球などのエラーで進塁を許し、タイムリーを打たれ逆転され、天候にもに見放され、2点差の5回コールド負け、この初の敗戦は痛かった。悪いグランド状態の中で台湾との守備力の差が敗戦に繋がった。

 

5回戦のパナマ戦も雨の中で一時間半遅れで19時半からゲームは始まった。中南米パナマの選手は小柄で細くて筋肉質だ。ただ解説者の元横浜高校監督の渡辺氏が指摘していたが、守備力では日本より上だった。内野ゴロでも補球してからの送球が日本選手より速い。しかもエラーも少ない。

 

ゲームは2回表、一塁手の拙い連携プレーのミスからパナマが1点先制、パナマの先発投手ブラウンは球威もあるし、変化球がいいところに決まると手ごわい相手、2回1死ウラ1ランナーを3塁まで進め、横山の犠飛ですぐに同点に追いつく。日本先発西も好投し、投手戦が続く5回裏1番森の三塁打と3番バッターへの四球でランナー1,3塁となったところでブラウン降板。日本チーム不動の4番石川は、2番手ピッチャースワレスの投げた内角の低めの球を振り抜くと大飛球がレフトスタンドに突き刺さった。高校生の本塁打記録を持つ清宮でさえU-18では木のバットに順応できず十分な成績を残せなかった中でチャンスでことごとく期待に応える結果を出している木のバットへの順応性はお見事というしかない。石川の勝ち越し3ランがとび出し一気に4-1とパナマを引き離した。さらに6回ウラ水上のソロホーマーで日本が5-1とリード、さらに無死満塁としたところで雨が強まり中断の末、降雨6回コールドで日本が勝利。

 

やはり下位チームになるほど先発と2番手以降のピッチャーの力の差が歴然、途中までほぼ日本と互角に戦っているパナマがスペインに3-12の大差で負けているのもそういうところに原因があるのだろう。ドーム球場がない、使えない国での大会は天気に苦しめられる。スーパーラウンドに勝ち上がってきたチームは手ごわいチームばかり、グランド状態が悪い中、これまで日本の守りのエラーが得点につながるケースがままあった。投打のバランスはいいだけに、堅実な守備が僅少差ゲームでは勝負を左右する。これまでのエラーの反省を生かして日本チームはトップを目指して頑張ってもらいたい。

 

 昨日はテレビでの野球観戦の一日だった。

昼は韓国で行われているU-18の観戦、プロ野球やヤクルトー中日、夜は阪神ー巨人戦。

 

 やはり同じ野球でも年間通してやってるプロ野球より年一度のU-18の国際大会の方が期間限定なので重みが違う。初戦スペイン戦は先制され、どうにか逆転で4-2で勝ったものの、初戦ということで緊張感からか今一つ野球大国としての強さを見せることができなかった不満が残るゲームだった。

 

さて第2戦はBS朝日で11時からじっくり見ることができた。相手は南アフリカということで黒人選手が多いと思いきや、スターティングメンバーの中で3人くらいしかいなかった。南ア共和国は白人の多い町ということもり、クラブチームが非常に多く、白人の野球人気も結構多いようだ。日本人の指導者もいるという。

 

南ア共和国の先発は190センチ長身の白人系ピッチャー角度のある低めの球は打ちづらいがやはりコントロールに難がある。先行の日本は満塁から初回タイムリーで幸先よく2点先制、一方日本の先発浅田将汰は150キロのストレートと落ちる球を効果的に使い、5回まで南ア打線を無安打に抑える好投、四球もわずか1個のみ。日本は2,3回に1点づつ、さらに4,5,6回に4,5,6点を追加し、投げては6回から林優樹が1イニング0で抑え、6回19-0の大差で南アに勝利した。

 

日本のヒット数は6回15安打19得点と非常に効率のいい攻撃で、ボール球に手を出さず、選球眼が素晴らしく9四球を選んでいる。いっぽう先発浅田は5回を被安打0奪三振8、失点0、2番手林も1回無安打、無失点、四球1の好投。南ア共和国と日本チームとの大きな差は守りにはっきり表れていた。芝生が深めで、地面がデコボコが多少あるのでゴロの処理が、難しい面があり、相手のエラーが多かったが、日本選手の堅実で基本に忠実な守りが徹底されていたゲームだった。

 

今日の相手は強敵米国、昨日のような基本に忠実でのびのび野球ができればいい結果が期待できるはずだ。健闘を祈る!