今、八重桜が満開だ。

ソメイヨシノの満開を見逃しても八重桜のシーズンに行けば、ハナミズキやつつじの満開を見ることができる。昨年もそうだった。この時期訪れると人出もソメイヨシノの満開のシーズンと違って混雑しない中でゆっくり花見を楽しめる。その八重桜が満開の今、残念ながら今年の新宿御苑の花見はコロナウィルスによる自粛要請で閉苑を余儀なくされた。

 

八重桜はソメイヨシノが細かい花びらの集合体とは対照的に大きな花びらの集合体である。色も香りも八重桜の方が強いので桜餅の香りづけや婚礼の親族の祝いの席などに出される桜湯にお用いられている。花と一緒に葉が出るところがソメイヨシノと違うところでもある。

 

今年3月20日にスターバックスが以前休憩所があったケヤキの木々が茂る緑の豊かな場所にオープンしたらしい。写真でしかまだ見ていないが、窓際に一本の木に白紅梅の二色の花を咲かせる見事な梅の木があったのが印象的だった。おそらくコロナ騒動がなければソメイヨシノの開花時から花見客でずっといっぱいだっただろう。この建物の傾斜面にはまるでチョウチョが羽ばたいているようなハナミズキのピンクと白の花が今頃満開だ。その下に日本庭園の池がある。太鼓橋の下に大きな鯉が口を開けて餌を求めてやってくる。ああ、コロナの所為でこの最高の季節を謳歌できない悔しさ、コロナが憎い。

今朝、テレビニュースで新型コロナウィルスから回復、退院した、ある女性の体験談を見た。

その女性は、偶然にも一週間くらい前、SNSにアップし、新型ウィルスに侵され、ベッドに横たわり、苦しそうに乾いた咳をしなながらも見ている人にウィルスへの注意を呼び掛ける、勇気ある映像を送ってくれたラングストン(39)というイギリス女性だった。

 

その体験によれば、咳をするときまるでガラスを吸い込むような痛みを喉に感じたという。肺を蝕まれるため呼吸が困難になり、呼吸器がなかったら生還できなかっただろうと語っている。その中で感染の危険を顧みず、献身的に治療に携わり、やさしく励ましてくれた医療関係者や清掃関係者に彼女は心から感謝している。

 

感染の経緯について心当たりがないというが、ポーランドの旅から帰国したあと、体調を崩した。それでも少し無理してジムに行きトレーニングをした。仕事に徹夜して、その夜クラブに行き、明け方まで飲んで体調を崩し、熱が出て病院で診てもらったら新型肺炎に感染していたことを知り非常に悔いていた30代の日本人男性のように、世界に恐怖を巻き起こしているこの新型ウィルスは風邪と同様、疲労している人に感染しやすいというのが共通している。

 

非常事態宣言が出されてから東京の感染者は日増しに増加傾向にある。経路不明の感染者がほとんどである。常にどこかにウィルスが存在している、というくらい誰にでも感染のリスクがあると言っても不思議でない。3月初旬までは中韓日といった局地的な感染だった新型コロナが、今欧米が、特に米国の感染者、死者が急増している。米国の感染者176万人、死者2万人。日本6005人、95人。

 

風邪をひいたときのマスク着用の習慣と手洗い、うがいの習慣が日本では100年前のスペイン風邪のときに習慣化されたことと、BCGが大きな効果を生んでいるのではないかと世界の医学関係者の一部では見られている。日本の検査の遅れを指摘する関係者がいるが、死者の数はごまかせない。重篤化を防ぐという意味では世界と比較し、善戦していることは間違いない。にわか評論家が多く、強制力を伴った法整備がなかなかできにくい日本だが、命に関わる悪魔のウィルスを封じ込めるには心を一つにすることが不可欠である。この勇気あるイギリス女性を体験を是非教訓にしてもらいたい。

 

菜の花や桜が散り、やがて八重桜が満開を迎えようとしている春爛漫の季節を迎えている今日この頃だが、世界が新型コロナに侵され、苦しんでいる。本来ならプロ野球が開幕し、球春真っただ中というシーズンであるはずが、延期、延期で開幕がいつになるか先が見えてこない。

 

おまけに藤浪、伊藤、長坂の阪神3選手がコロナウィルスに感染したことが判明し、開幕を待ち望んぢたファンを落胆させた。コロナは他のスポーツイベントにも暗い影を落とし、2020年開催の五輪東京大会の延期、イギリスの恒例のテニス大会ウィンブルドン選手権をも中止に追い込んだ。

 

例年だと始まっているはずの野球がないのは本当に寂しい限りだ。選手も感染防止のためにチーム練習ができないのがつらいところ、世界医学界の中でも最先端だといわれる米国だが、新型肺炎の感染者数が30万人に達しようとしている状況を不安視しながらも、人類が知恵を出し合って一日も早く抗生物質の発明を期待する。