裾野の花持たされ | 中身のない日記

中身のない日記

16歳が頑張って書いております。

思い出は、裾野で貰った花


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4月29日

部活があって、歯医者があって、それから宮崎市内のクスナミキ・ギャラリーで行われる「裾野1」というイベントに行った。

 

 

 

細かいことはよく分かっていないのだが、どうやら歌王子あびさん(VERANPARADE・大丈夫)とくにやさん(DONBLA)による弾き語りの企画らしい。

ちょっと前にあびさんから声をかけられてはいたものの、既に今月2本ライブに行っていてあんま金ないし予定もあるしどうしようとしばらく迷っていたのだが、前日に「あびさんとくにやさんがイベントをやるというすごい日に俺がいないのはおかしい!」と謎に傲慢なことを急に思って、あびさんに連絡を入れ、取置をしてもらった。

 

歯医者の定期検診で致死量レベルのうがいをさせられ(うがいの致死量とは)既にぐったりとしていたが、せっかくあびさんやくにやさんに会えるんだし!と元気な気持ちでGoogleマップを頼りに会場へ向かう。しかし画面に目的地に到着した的なことが表示されて顔を上げたらマジで訳わからんところにいて、おばさんが1人何も知らなそうな顔で掃除をしており、顔にこそ出さなかったものの心は半泣き状態になった。誰か知っている人を探すしかないよなあ、と思ったが、開場までまだまだ時間があったので誰もおらず、半泣き状態でその辺をウロウロすることにした。

 

少しの間ウロウロしていたら、知っている歌声が聞こえてきた。ハイトーンで、大きい。

あびさんだ!と思ってその声がする方向に向かうと、建物の窓にリハ中と思われるあびさんのふわふわした長い黒髪と赤い上着が見え、入口と思われしところに「クスナミキ・ギャラリー」という看板?がででんとあった。あびさんの歌声に誘われて会場にたどり着いたという事実にちょっと感動した。

 

思いの外早く着きすぎてしまい、Googleマップでモンゴルに行ってみたりするなどして過ごしていたら、左方向から金髪で背の高い男の人が歩いてくるのに気づいた。手を振りながらこちらに近づいてくる。やすよしさん(VERANPARADE)だ!!と喜んで走って行ったら、ながみねやすよしさんはめっちゃおどけてくれた。2人で笑った。3月のCLASSROOMのライブ前にモルックをして以来会っていなかったのもあり、1人で待っているのが心細かったのもあり、そもそもやすよしさんのことが好きなのもあり、本当に嬉しかった。この時点で既に「今日来て良かった」と思っていた。

 

やすよしさんと話しながら待っていたら、あびさんが「おはよ〜」と現れた。やすよしさんがあびさんに「さっき直人と会った時、直人が走ってきてくれて、抱きしめようかと思った」という話をしてくれた。

あびさんは程なくして去っていき、やすよしさんに「直人コーヒー飲める?買ってやるよ」的なことを言われ、お言葉に甘えて、道路を挟んで向こう側にあるコーヒー屋に一緒に行くことになった。ありがとうございます。

 

何て名前の店だったかは忘れたが、何たら焙煎所的なところで、ショートヘアのご婦人と、渋めでかっこいいお兄さんが働いていた。

俺はよく分からん機械がいくつも設置されている店内を落ち着きなく見回していたが、やすよしさんは慣れたようにコーヒーを自分の分と俺の分注文した。

コーヒーを待っている間に、俺らの後に入ってきた若い女性が〇〇ってコーヒー豆を挽いてくれないかみたいな注文をしていて、何か、すごくいい暮らししてるんやろうなと思った。

 

クスナミキ・ギャラリーの前に戻って、コーヒーを飲みつつ「眠いですね」という会話をしていたら、紫と水色の服を着た井口寿則さん(大丈夫)がチャリに乗って現れたり(ヒラヒラと手を振りながらチャリを停めに消えていった)、初対面のなあるさん(あびさんのラジオの相方)に「わ〜(直人の携帯に)ウサハナちゅいてる!まめっちもちゅいてる!」と言われその高すぎるコミュ力に怯えたり、あくねさん(県内の高校の軽音楽部の顧問)が現れたりした。

やすよしさんがあくねさんに、さっきあびさんにした「直人が走ってきてくれて〜」という話をすると、あくねさんは「直人くんは全然俺に懐いてくれんからなぁ…やっぱり教師は嫌いか?笑」と言った。俺は首を横に振りつつ、「(先生同士どこで繋がってるかも分からんし)やらかさないようにしなきゃとは思いますね」と言うと、あくねさんは笑った。あくねさんは英語の先生らしい。

 

ローテンションな伊藤さん(CLASSROOM)がふらりと現れて珍しいなと思っていたら、同じくローテンションなまるさん(CLASSROOM・大丈夫)も現れた。CLASSROOMは音楽性の割にローテンションな人が多い。

まるさんはさっき釣り場でチヌをくれた人の話を物真似も交えつつ誰かに話していた。「分かち合いたかったんでしょうね」と言っていた。

 

開場、というかもはや開演の時間になり、やすよしさんと中に入る。「最初に来たのに、ほぼ最後に入ったね」と笑うやすよしさんに、俺が「でものんびりできてよかったですよ」と返すと、やすよしさんは「のんびりって大事やがね」と言ってくれた。

会場内の隅っこに黒いランニングを着たくにやさんがいた。

 

受付で来場者特典の音源のダウンロードQRコードとその歌詞が書いてある黄色い紙と、粘土製のてるてる坊主を貰う。受付は、カミモトイノキさん(多分弾き語りの人)が担当していたのだが、人が多すぎた為あびさんが手伝い始めたみたいで、あびさんに2000円を渡し、500円のお釣りを貰った。何だか変な感じだった。

 

席はまだ所々空いていたけど、何となく後ろで立って観ることにした。やすよしさんもそうしていた。

井口さんに「椅子じゃなくて、立って観るの?」と聞かれて、頷いたら「わかる」と言われて、一瞬何を言われたのか分からなくて「わかる?」と聞き返すと、井口さんは「椅子に座らないで立って観るの、分かる」と言って、僕が分かってるような分かってないような感じで頷いたら、井口さんは「今日やばいかも」と呟きながら椅子に座った。

 

我々観客の視線の先にはさっき俺があびさんの姿を見た大きな窓があって、楠並木通りが見渡せるようになっている。ライブハウスの時と違って僕らと同じ高さにいるあびさんやくにやさんはそれをバックに歌うことになるみたいだ。

 

僕らの近くには、あびさんとくにやさんの思い出の品が説明と共に展示されているテーブルみたいなものがあった。

 

くにやさんは受付が終わるまで、ずっと繋ぎでMCをしていた。内容はほとんど覚えていないが、時々笑いが起こっていたと思う。

繋ぎのMC中、アニキ(コロコロアニキ。CLASSROOM)・れなさん夫婦、モッコリさん(ゆめゆめ忘れズ)・ゆりえさん(VERANPARADE)夫婦が会場に入ってきて、夫婦はやはり夫婦で行動するのかと当たり前のことを思って微笑ましくなった。

 

 

開演。

 

まず、あびさんが歌う番だった。

くにやさんのMCで和んでいた会場にあびさんの歌声が響いた時、ちょっと会場がビリッとした気がした。

フューチャーⅡから始まったのだが、あびさんは最初座って歌うことを試みていた。しかし椅子の上でやたらふらふら動き、途中で座るのを辞めていた。やはりあびさんは、立ち。

 

フューチャーⅡ、あびさんのエッセイを読んでから聴くと、味がぐんと増す気がする。

 

ライブハウスで聴くあびさんの歌は、基本あびさんのことだけを見ながら聴いているが、大きな窓があるクスナミキ・ギャラリーでは、あびさんの歌をBGMに窓の外の風景を見ている時間も存在した。

外を歩いている人の大体が、我々のことを何事だ、というような目で見ていたのが面白かった。

 

あびさん「くにやさんが迎えに来てくれた時、近くのマンションが燃えていて、くにやさんがそれを見ながら、なんて日だ!って小峠も言うわね、と言っていました」

 

気持ちがライブハウスで観るライブの時とは全然違って、歌というよりも、この「裾野」という空間を楽しんでいるような感じだった。色々なことを思いながらあびさんの歌を聴いていたけど、これを書いている今、その時の感情だけが僕の中に残っていて、何を思ったのかは全く覚えていない。言語化ができない。ふわふわしていたらいつの間にか、あびさんの出番は終わっていた。

 

 

人が集まっていたからか、トレーナーで過ごすにはすごく暑くて、やすよしさんに小声で「Tシャツ着てくりゃ良かったです」とか言っていたら、くにやさんの出番が始まった。

 

くにやさんは、帽子を被って脱いで別のを被ってまた脱いでさっきのを被ってみたいなことをした後に、歌い始めた。

くにやさんの弾き語りを観るのはこれが初めてだったが、何だか僕は懐かしかった。

目の前に広がっているのは16歳の俺が初めて見る景色だというのに、何だか小さい頃に見ていた景色のように感じて、泣きそうになった。

前DOMBLAを観た時に、しんみりしつつも面白いことをやっているのに、何でみんな泣きそうな顔してるんやろうって思ってたけど、何かちょっと分かった気がした。ちょっとは大人になったんですかね、俺

 

くにやさんは時々、外を歩く人と見つめ合っていた。

 

 

少し休憩の時間になった。

 

「ちょっと空気吸いに行こうかな」と呟いて外に出たやすよしさんに着いて外に出た。近くにいたアニキに「絶対そのトレーナー今日じゃないだろ」と言われた。

やすよしさんに、さっき書いた「くにやさんは懐かしい人だ」みたいなことをつらつらと話してみたら、やすよしさんは「分かる分かる」と言ってくれた。やすよしさんは俺が何を言っても一旦受け入れてくれるので、自分の中でその場で言語化されたものはとりあえずやすよしさんに伝えてみる、という時がよくある。

まるさんが近くで写真を撮り始め、「あそこにモッコリさん夫婦がいて、あそこにコロコロアニキ夫婦がいるのおもろくない?」みたいなことを誰かに言った。見たら、道路を挟んで向こう側、僕から見て左の方にあるさっきやすよしさんと行ったコーヒー屋のところにモッコリさんとゆりえさんがいて、右の方の自販機のところにアニキとれなさんがいて、確かにちょっと面白かった。

 

やすよしさんが「何か今日、ずっとかわいくない?」と言ってくれた。

 

 

少しして中に戻る。

伊藤さんの斜め後ろの空いていた椅子に座っていたら、アニキが後ろからひょいと缶コーラを渡してくれた。驚いて何故かやすよしさんの方を見ると、やすよしさんは「どうぞ」みたいなジェスチャーをした。アニキは俺以外にも何人か缶コーラを渡していたみたいで、何人分かの缶を開ける音が会場内に響く瞬間があって、面白かった。僕は何となく開けなかった。

 

 

またあびさんの出番であった。

あびさんは紫とピンクのサングラスをかけていた。

これはあびさんが展示していたもので、どっかのファンシーショップで買ったという説明が添えられていた。

 

そして、途中でサングラスを外していた。

 

あびさんは何曲目かで「漂流ネットカフェ」という、「漂流教室全十一巻🎶」がサビの曲を歌い、何曲目かでくにやさんの「やぱぱめちゃホリデイ🎶」みたいな感じの曲を歌っていた。あびさんって、ライブの時はいつだってパワー全開な感じがするけど、「やぱぱ」を歌うあびさんの声はすごく優しかった。1回間違って「ぱぱぱ」って言っちゃって、「あぁぁ…ぱぱぱって言っちゃったぁ…(泣)」と言っていた。

 

 

その後のくにやさんの出番でも、「やぱぱ」は歌われた。「ぱぱぱ」ってわざと歌うのをちょっと期待したりもしたが、ちゃんと「やぱぱ」と歌っていた。本来「やぱぱ」なのでそりゃそうだ。

 

 

最後に、あびさんとくにやさんが2人で歌う番になった。カーペンターズの「イエスタデイワンスモア」のカバーで、入場特典で貰った音源の曲だった。

あびさんは弾き語りスタイルで、くにやさんは何か若い女性の写真のデザインのファイルを持ってふらふら動き回りながら歌っていた。若い女性が誰なのかは分からなかったが、くにやさんは「タイプの女性」みたいなことを言っていたような気がする。

 

間奏で、2人が交互に「思い出は凍らせた炊き込みご飯」みたいな、「思い出は〇〇」と言い合うパートがあって、あびさんは予め決まったことをハキハキ言っていたのだけど、くにやさんは「思い出は、あの」と普通に今思いついたようなことを喋っていて、めちゃくちゃ面白かった。あびさんが「思い出は、県北にはない」って言ったのに対し、くにやさんが「思い出は、県北にはある」って言ってたのがめっちゃ良かったな。

 

あと、くにやさんは何かハンドベルみたいなのを持ってきて、初めはタイミングよく鳴らしていたけど、終盤、ベルのくぼんだところを棒でかき混ぜるような動きをし始め、そうすることで何か変わった音が鳴るんかなとか思ったが、そもそも音すら鳴っていなかった。

 

最後、あびさんとくにやさんは抱き合っていた。



 

イベント終わり、僕はさっきアニキに貰った缶コーラを飲みながら、知っている人のところをぐるぐると巡った。

 

やすよしさんモッコリさんゆりえさんのところに行ったら、やすよしさんはお2人に、また「直人が走ってきてくれて〜」の話をしていて、「抱きしめようかと思った」の下りの時、ゆりえさんが冷静に「ダメだよ」と言っていた。

 

アニキは今度の企画のフライヤーを配っていた。

アニキは前会った時ピンク色のフライヤーを僕にくれたんだけど、今度は青緑みたいな色のフライヤーをくれた。嬉しかった。

アニキがどこかに行った時、僕はアニキの近くでフライヤー配りを見ていた伊藤さんに話しかけた。

伊藤さんと会う時、僕は何故か赤い服を着ていることが多く、よく「今日もGEZANみたいな色してんな」と言われるのだが、今日は黒のトレーナーに緑のズボンだったので、「僕、今日は赤くないんですよ」と言ったら「でも、赤いの持ってんじゃん」と僕の手元を指さした。僕の手には缶コーラがあった。俺が「赤くなかったから、赤いコーラを渡してきたんすかね、アニキは」と言うと、伊藤さんはハンッみたいな、フッみたいな感じで小さく笑って、「気ィ狂ってんな」とこちらを見ずに言った。

 

 

会場に戻ったら、取り置きした人の名前がずらりと書かれた名簿がぽんと置かれてるのを見つけたので僕の名前を探してみたら、名前の欄の隣に肩書き?の欄みたいなのがあって、僕のところには「名ブロガー」と書かれていて、「名ブロガー…」と思った。まるさんのところには「棘侍」と書かれていた。

 

会場内を彷徨いてたら、くにやさんが、会場に飾ってた薔薇みたいな花をくれた。

 

薔薇を色んな人に自慢しに行く。

外のアニキや伊藤さんに見せていたら、薔薇ではない花を持った男性が会場から出てきて、初対面の人だったけど「わ、花ですね!」「僕も貰ったんですよ」みたいなことを少し話して笑った。男性は花を持って、歩いて帰って行った。

 

 

やすよしさんが別れ際にハイタッチをしようと手のひらを差し出してきて、僕は荷物をワタワタと整理してから、やすよしさんにポンとハイタッチした。やすよしさんは僕をまだ子供でいさせてくれる人で、やすよしさんの中での僕はきっとまだ子供で、やすよしさんの前での僕は、確かに子供だ。

 

 

その後、井口さんに薔薇を持たせて写真を撮った。井口さんは薔薇が似合いすぎている。



 

井口さんは「そういえば僕、辞書活動家を名乗ろうと思ってるんです」と言った。

 

井口さん「僕は歌って演技して詩を書いて…と色々なことをしてるけど、そろそろ何をしてるか分からない人ってのを終わりにしたいなって。やぱぱ、とか、裾野ってる、とか、僕らの中では分かるけど辞書に載ってない言葉ってあるでしょう。そういう言葉を広めて辞書に載せる為に、僕は歌って演技して詩を書くんです」

 

井口さんは大体こんなニュアンスのことを言っていた気がする(ズレがあったら本当にごめんなさい)。

俺は「面白い!良い!」って思って、「面白い!良い!」みたいなことを実際に返した。

井口さんは「ちゃんと合言葉(実際に言ったのが合言葉、だったかどうか怪しい)も決めてて!」と言って、それから

 

「目指せ、広辞苑!!」

 

と片腕を上げた。

2人で「めっちゃ良くない!?」「良いですね!」と笑った。

 

それから井口さんと化粧品の話で盛り上がっていると(使っているリップのブランドが同じだと判明して嬉しかった!)、誰かが「集合写真撮ろうや」と言って、ずっとこのイベントの撮影を担当していたぽん太さん(あびさんの弟さん)が「じゃあ僕撮ろうか?」と言い、あびさんが「あ、じゃあ頼むわ」と言っていた。一連の流れを見ていた井口さんが、「すごい、話が早すぎる」と呟いた。

 

集合写真を撮った。

薔薇を俺が持つのは変な気がして、一旦あびさんに託した。

隣の井口さんが、何かすごく不思議なポーズをとっていたんだけど、撮り終わった後に「手を、裾野の形にしてみました」と言われて、「誰が分かるねん」が口元まで出かかった。

 

 

帰る組を見送った後、あびさんが「これから予定あります?ご飯行きましょうよ」と言い、あびさんとくにやさんとイノキさんと井口さんと僕でジョイフル(ファミレス)に行くことになる。

 

あびさんはくにやさんの車に乗せてもらって、俺と井口さんはイノキさんの車に乗せてもらうことになった。

 

井口さんとイノキさんは初対面のようで、後部座席に座る井口さんは「イノキさんは、下の名前は何ですか?」と聞いていた。イノキさんはカミモトイノキさんで、「イノキ」は下の名前である。僕は過去に2回くらいイノキさんと会ったことがあり、そのことを知っているので、井口さんとイノキさんのやり取りを「色んな人が通る道だ…」と心の中でちょっと笑ってた。イノキさんは慣れたように「下の名前ですね」と返していた。漢字だと「伊乃樹」であることも判明した。

 

 

薔薇を持ってジョイフルに入店した。ゴージャスな入店。

年齢がバラバラで、金髪、長髪、薔薇持ち…と周りからしたらどこでどう集まったのか分からない怪しい集団である。

 

4人席に5人で座ることになる。

最初2人がけのソファに、僕とあびさんとくにやさんで詰めて座ろう(直人を裾野で挟もう大作戦)ってことになってたけど、さすがに厳しく、隣の席の椅子を借りることにした。井口さんが隣の席のご婦人たち(4人席に2人だった)に「椅子をお借りしてもいいですか」みたいな感じで声をかけた時、ご婦人たちは「もちろんいいですよ!」みたいな感じで言ってくれた。

借りた椅子にくにやさんが座った。くにやさんは虚ろな目をしていて、虚ろな目でたらこスパゲティ(大盛)を注文していた。

 

井口さん「ここにいる全員(我々5人)が、漂流教室が何巻あるか知ってるの、ヤバくないですか?」

イノキさん「……何巻ですっけ」

 

 

食事中、向かいの井口さんが、僕が食べていた、油でツヤツヤのキャベツを見て「ザーサイすぎる」と言い、それに対して隣のあびさんが「直人はまだザーサイ知らないんじゃない?」と言った。知ってますがなと思いながら「知ってはいます」と言った。

 

食事を終えた後も、ドリンクバーをお供にしばらく色々な話をした。

井口さんはめっちゃオレンジジュースを飲んだ後、カプチーノみたいなのをめっちゃ飲んでいて、「ビタミンとカルシウムが摂れました!」と言っていた。あびさんが「ドリンクバーを栄養摂取に使う人いるんだ」みたいなことを呟いて笑っていた。

 

話の流れで、井口さんがくにやさんのことを「くにやさん、小さな村にギター1本持って現れたら、神様だって思われるんじゃないですか」と褒め、それを聞いたくにやさんは

 

「…でも俺、めっちゃエロいよ」

 

と言った。

あびさんや井口さんが「村一番の美女を‪‪‪‪‪‪w‪w‪w納品‪‪‪しなきゃw‪w‪w‪‪‪」とゲラゲラ笑っていて、俺は「納品」という絶対間違ってる言葉選びに笑ってしまった。

 

薔薇を持ってジョイフルを退店した。ゴージャスな退店。

 

僕の分はあびさんが払ってくれた。僕が申し訳ないみたいな感じで言っていると、井口さんが小声で「こういうのは、大人に甘えましょう。僕らもそうしてきてもらってるから。大人になったらステージで返してくれればいいんですよ」と言ってくれて、ありがたいと思うと同時に、俺音楽やる前提なんやと思った。

 

外で、井口さんが「食後に塗るリップが〜いちばん楽しぃ〜!!」とそこそこでかい声で言い、僕も何となくリップを取り出して塗ろうとすると、井口さんが「結構行きましたね」「どんな風に塗るんですか」「下唇に塗ってンマンマ?」「あ、指でいくんだ」と、俺がリップを塗る様子を見てきて、かなり恥ずかしかった。そして、別に塗らんで良かった。

でも、井口さんと化粧の話するのは楽しい。

 

 

一旦それぞれ移動して、また別の場所で待ち合わせすることになり、俺と井口さんはまたイノキさんの車で送ってもらうことになった。井口さんは途中で降りて、チャリを取りに行き、車内でイノキさんと2人きりになる。俺が「ここ最近マジで人生楽しいんですよね」みたいな話をすると、イノキさんは「学校以外に居場所があるって、マジでいいことだね」と言った。

 

 

待ち合わせ場所でイノキさんとくにやさんと別れ、俺とあびさんは井口さんと合流するために歩いた。

ちょっと前まであびさんとは互いに人見知りしていて、会った時は挨拶をして微笑み合うくらいの仲だったのに、今はこうして2人で色々話しながら歩いている、というのが、何だか感慨深かった。

あびさんとは日記の話をした。最近大体毎日何かしらの文章を書いてるんですよね、と俺が言うと、あびさんも同じみたいだった。あとやすよしさんの話もしたけど、内容までははっきり覚えていない。多分「マジでやすよしさんに会えて嬉しかったですわ」みたいなことを言ったような気がする。

 

暫くあびさんと2人で行動したり別行動をしたりして、井口さんと合流し、3人(金髪、長髪、薔薇持ち)で歩いている時、井口さんは「辞書活動」の話と、「宮崎に名探偵事務所を作ろうとしていたこともある」という話をしてくれた。井口さんの話ってあまりにも面白くて新しくて、聞いてると、何かもう井口寿則という存在に感謝する瞬間とかある。マジで今日来て良かった。

 

井口さん「探偵ってのは浮気調査とかしかしないですけど、名探偵は難事件とニャン事件を解決するんです!ニャン事件っていうのは、猫探し!何で猫かって言ったら、可愛いから!」

あびさん「でも前、本物の探偵に牽制されてたよね」

 

 

暗い道で、井口さんが薔薇を持っている僕に向かって「裾野の花持たされ、だね」と言った。


 

直人

 

あびさん、くにやさん、井口さん、イノキさん、アニキ、伊藤さん、その他俺と関わってくれた全ての皆さんに、感謝と、愛と、裾野の花を。