入院した時、私は鍵付きの保護室と呼ばれている病室に寝かされていました。ベッドと水道とトイレのみの独房のような部屋です。

この部屋で点滴されたりして眠っていたなか、夢かうつつかという様に、時々妄想したり幻覚を見たりしていました。
まず私は姫から胎児になっていました。なんでもアセンションするには、胎児になって産まれてこないとならないらしいのです。なのでベッドの柵を産道だと思って、一生懸命頭から隙間を通り抜けようとしていました。
それから、保護室をアセンションの船に見立てて、掃除を始めました。食事のおしぼりで床を拭いてピカピカになるようにしていました。
また、ベッドがエレベーターで、アセンションする階まで昇るので、ベッドの上で瞑想しました。時々止まる階では、幼少の頃の友達が顔を出したり、知らない人が喧嘩したりしていました。
しばらくベッドのエレベーターが上へ上へと昇って行くのを感じると、竜宮城のようなアセンションの場所にもうすぐ着くんだと期待しました。そして本当にココナッツのような南の島のいい匂いと温かい風を感じました。「ここだー!やっと着いた!」

私は嬉しい気持ちで保護室の扉を開けました。やっとアセンションしたのだと思いながら。。。(この時外からの鍵は開いていました)
つづく。