観終った~。長かったね~。
女流大河の草分けとも言える作品。近年顕著なフェミニズム傾向や平和主義や現代的価値観など若干引っ掛かる所もあるが、作品としての質や面白さが違い過ぎる!。
脚本は橋田壽賀子。泣かせる丁寧や苦労の連続、例の長台詞など、お馴染みの「橋田節」がたっぷり。
近頃の作品と違うのは、当時の価値観や空気をある程度感じさせ、敬意を持って描いている所。今年とはエラい違いですな!。
また近年のように登場人物を記号化せず、善悪どちらとも言えない人物がいるのも良いですね(淀など)
作品自体に最近あまりない緊張感があり、役者も近年とはまるで違う、いずれも大熱演。
(配役)
寧々・佐久間良子
豊臣秀吉・西田敏行
豊臣秀長・中村雅俊
とも・長山藍子
しの・田中好子
旭・泉ピン子
副田甚兵衛・せんだみつお
大政所・赤木春恵
前田利家・滝田栄
まつ・音無美紀子
織田信長・藤岡弘
お市の方・夏目雅子
淀・池上季実子
初・奈良富士子
江・五十嵐淳子
京極龍子・松原智恵子
徳川家康・フランキー堺
女優陣が特に豪華ですね。男優陣は賛否が分かれるそうです。
寧々はハマり役ですね。献身的で人格者に描かれ過ぎのような気もしますが…。
秀吉はイメージとはちょっとちがいますね。口の悪い人曰く、「何で「太閤記」の猿を「西遊記」の豚が演じてる?」と言った人が居ました(笑)。
まあキャラクターとしては、面白いですけど。
秀長役を中村雅俊、妻・しの役を近頃亡くなった田中好子が演じている(本作で初めて秀長がメインキャラクターに描かれ、また馴れ初めが描かれたのも本作が唯一)。
今年の主役の江の役は五十嵐淳子が登板。今年の江と同一人物とは到底思えない(史実の点から見れば、夫婦共演してもおかしくないのだが、五十嵐・江が登場するのは、秀長が死んだ次の回から)。
終盤近くで初めて池上・奈良・五十嵐の三人が並んで登場するが、今年とは比にならないほど豪華だった(奈良・初が二回しか登場しないのは残念)。
池上・淀は近年演じた女優よりも若い時に演じており(何と当時22歳!)、近頃のに比べて随分渋く、また気品や貫禄もあった。
市の夏目雅子はもはや伝説級。ただ個人的には「徳川家康」の淀の方が良かったが…。
前田利家とまつの滝田栄と音無美紀子の二人もはまり役でした。後年主役でドラマ化された時よりもそれらしく見え、実直で律儀なイメージにピッタリ。若い頃は颯爽とした二枚目の利家と三枚目の秀吉との対比が面白い。まつもやたらにでしゃばらなくて良いですね(笑)。要所要所に夫妻が登場し、場面を締めてました。
ちなみに利家が「私におまかせ下さい」と言う場面があったのには笑った。
話を秀吉の一族に戻すと、母親役に赤木春恵、妹役が泉ピン子、姉は長山藍子といかにも橋田作品らしい顔触れ。橋田ファミリーの原型がありますね。
「渡る世間~」では、壮絶なる嫁姑戦争を繰り広げる二人も、こちらでは仲の良い実の親子を演じている。また寧々との関係も良好に描かれていました(これは史実に於いても相違ない)
上記以外にも蜂須賀小六役に前田吟、細川藤孝役に角野卓造が出演していました。
他には徳川家康のフランキー堺がイメージに近く、好評でした。
平均視聴率も歴代5位(31.6%)のヒット作となりました。
ラストの余韻を残す、静かな迫力のある場面も忘れ難い。
田淵や小松は橋田・内館を見習って欲しいものですな。