2017/01/29 18:10 TOHOシネマズ市川コルトンプラザ スクリーン1
■あらすじ■
傲慢で天才的な外科医でありながら、不慮の事故で両手の機能を損なわれ、全てを失ったスティーヴン・ストレンジ。絶望の淵にあった彼が最後にたどり着いたのは、人知を超えた“魔術”の力。自分の手を治すために魔術の修行に励む中、しだいに強大な敵との戦いに巻き込まれていく。しかし、医師として人の命を救うことへの誇りを持つ彼は、敵であっても人を傷つけたくない。医師ゆえに敵ですら傷つけられないということに葛藤する彼は、いかにして世界を守るのか?(フィルマークス様より転載)
■感想・レビュー■
この映画、かなりギリギリですね。
確かに映像はフレッシュです!更に、カンバーバッチを始め、ティルダ・スウィントン、レイチェル・マクアダムスが、それはもう、魅力的でした…が!
が、しかしですよ。ストーリーや設定、演出ではなく、映像技術とキャストが見所というのは、どうなのかな。それで、良いのかな。
俺の勝手な意見ですが、ヒーロー物は、描かれている内容の優劣よりも以前の問題として、悪者の設定が非常に重要だと思っています。
大人も楽しめる作品になるか、子供向けかに別れるポイントは、そこではないでしょうか?
例えばの話、悪の目的が"世界征服"、とか言われたら、どう思います?
俺は、あまりにバカバカしくて信じられないので、明らかに作り話と認識して、映画から心が離れてしまう。
でも、子供はまだ社会経験が少なくて、知らないことが多いから、目的が世界征服でも、あり得ないと決めつけずに想像できるから、信じられるのではないか?と思うのです。
ですので、悪役をどれだけ現実感を伴って描けているか、もしくは、現実の比喩として観客に意識させることが出来ているかが、大切だと思うのです。
そこに来て、本作はどうだったかというと…悪の設定が、トンデモレベルの荒唐無稽さであり、とてもじゃないけど、いい大人が信じられる話ではありません。それが、この映画の根本です。
そこを、目新しい映像とキャストの魅力でコーティングして、根本をボンヤリさせることにより、何とかギリギリ大人も観ていられる状況まで持って行ったように思えて、正直、苦しいなと感じました。
ただ、エンディング後のオマケ映像より、次回作は敵が現実的なものになりそうな事が示唆されていましたので、次回作は、もっと期待できると思います!