監督:阪本順治


出演:
原田芳雄 大楠道代 岸部一徳
石橋蓮司 松たか子 佐藤浩市 
冨浦智嗣 瑛太 小野武彦 
小倉一郎 でんでん 加藤虎ノ介
三国連太郎


7月19日に永眠された原田芳雄さんの遺作となった
この映画、先週末に見てきました。


江戸時代から続く村歌舞伎が現代まで引き継がれている
信州長野、下伊那郡の大鹿村。
妻と幼馴染が駆け落ちしてしまった風祭善(原田芳雄)の元へ、
18年ぶりに、妻(大楠道代)と幼馴染(岸部一徳)が戻ってきた。
妻は脳を患い、記憶障害に悩まされていた。
「だから、返す」と言われるも…。


妻を奪った男と、少女のようになった妻と
なぜか一つ屋根の下で眠ってしまう風景は、喜劇です。
一徳さんの「返す」も笑うしかありません。
本当に「大人の喜劇」。


そして、大鹿歌舞伎の本番直前に怪我をしてしまった
女形のバス運転手(佐藤浩市)のかわりに、
もともとその役を演じていた妻は舞台に立った。


大鹿歌舞伎のことは知識として知ってはいたけれど、
こういうものなんだね。
「仇も恨みも、これまで、これまで」の文句が印象的でした。
衣装は豪華だし、回り舞台やら、舞台上での早着替えやら、
芸を見せていただきました。


村じゅうが、善さんのトコの騒動を知ってはいるけれど、
みんな言いたいコトいいながらも暖かく見守ってる。
信州の山、日本の原風景がそこにありました。素敵な映画です。
忌野清志郎の曲がかかっても、違和感がなかったのが不思議。


映画公開から3日後に亡くなった原田芳雄さん。
ちょっと「風のガーデン」の緒形拳さんのことを思い出しますね。
ご冥福をお祈りいたします。