●チベット密教の実践秘法【第4章】
【月液への変化段階、月液降下段階】
この段階は、頂輪(頭頂)まで上がった、火のエネルギーを、清涼な甘露
の液体に変え下降させる段階です。
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【月液 変化段階】
◆hum
この (hum) 字が内火の熱によって溶け、液体へと変化させる、この液体を
『月液』 または 『聖なる乳』 と呼ぶ。
この 月液 は、冷やしたヨーグルトのような感じで、頂輪がスースーした感覚
になるとイメージする。
【月液 降下段階】
②やがて、 月液 が頂輪から10息で中脈を通って喉輪に下りてきて清涼感で満
たす
③さらに清涼感は、10息で心輪10息で臍輪最後に10息で全身に広が
り、手足の末端まで清涼感で満たす。
はじめて行う人は1日に6回実行し、呼吸が長くなったら4回に減らす。
30日後には、はじめの頃より呼吸の長さを1.5倍ぐらいにする。
月液 の段階を行いはじめたら、食事と睡眠以外の余った時間、すべて瞑想を
する。
※ 月液 を、呼吸10息で降下させたり、1日に行う回数など、細く指定されていま
すが、これなども宗教観によるものなので、あまり気にせずに自分のペースで
トレーニングを続けるようにしましょう。
食事と睡眠以外、瞑想に費やすことなんて暇な人でも、まず無理ですから
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さて、ここまでが内火の行ですが、かなり簡略化した方法で紹介しました。
本当だと、まだまだ、うんざりするほどイメージすることは多いです。
ヨーガのクンダリニー瞑想や、他の瞑想で、この炎の熱を上げるトレーニングをし
ている人は、補助的に内火の行のイメージ法を利用したほうがいいでしょう。
では日々、瞑想を続けることにより、内火の行によって出現する状態や、体験、
そして得られる能力を紹介します。
●第1期
内火が上昇、下降したばかりの時期で、2つの兆候がでる。
「内火が発生し、上昇するとき、すべての輪が拡がる」
「内火を 月液 に変化して、降下させてときハッキリした感覚を感じる」
感覚とは、痛感、暖かさ、しびれ、といった感覚です、この一段階は痛経験期ある
いは暖経験期という。
●第2期
第1期のあと各輪は収縮し、内火のエネルギーは、月液にどんどん変化していく。
月液が生み出されるにつれ、体を潤してきて、最後には至福の境地が出現する
という。
第2期は 月液 が増加していく、期間と考えればいいでしょう。
●第3期
やがて、妄想や雑念といったものが消滅して、静寂な心の状態になる。
この境地を三摩地(さんまじ)といいます。
この境地で瞑想をしていると、蜃気楼や陽炎、太陽や空、といったさまざまなイ
メージや、ランプの光、まばゆい光などが見えてくる
また、5つの光が見られることもある。
・爆発の火花 (黄)
・月の光 (白)
・太陽の光 (赤)
・土星の光 (藍)
・稲妻 (薄い赤)
といった、鮮やかな光の円となって見える、ときには拡大して体の周囲を取り巻く。
人によっては、こういった内的光が見えるだけではなく、五通といった超能力を得
ることもあるという。
・天眼通 (透視)
・天耳通 (透聴)
・他心通 (読心術)
・神境通 (時間の超越)
・宿命通 (予知能力)
仙道、ヨーガ、仏教では5つではなく6つで、これに、漏尽通(精がまったく漏れない)
が加えられる。
次は
【頭頂を開き体外離脱を体験する転識(ポワ)の行】