●チベット密教の実践秘法【第2章】
【師匠につかずにチベット密教を独学でマスター
する方法】
まず、チベット密教は師匠から教えを受けないで、行うことが出きない
ように、行の体系がつくられている。
口伝でしか伝えてはいけないといった決まりがある、しかもチベット密教
にはたくさんの法門があり、各派ごとに膨大な修行法、経典があって、大
事な部分は師匠の口伝がないと進むことが出きないとされている。
しかも経典は大筋で書かれているため、これを見て独習など不可能とい
っていい。
だが、完全に不可能かというと、そうでもないようで、
20世紀の初め、中国各地でチベット密教を伝授した、数人の師たちが、
それまで不可能とされてきた、チベット密教が独習可能であることを
暴露した、古い伝統に縛られていたチベット密教が根底から覆された
のである
現代人からすると、それほど大したことではないように思えるが、チ
ベット密教では、この暴露は相当大変なことらしい。
チベット密教では、7日で成就できる行を、何と12年目に初めて伝授
されていたという
まず師が弟子をとる場合、3年間様子を見て、弟子にして問題ないと
判断されてから、3年の間、小法を教える、それが出来れば、高い行
を教える、そして12年目で大法を教えるという、ひどい場合は一生教
えない師もいるらしい。
まあ、神秘行のためだけに密教に出家するわけでは、ないんだろう
けど
今まで伝統に縛られていた世界が、国際化の関係により古い伝統に疑
問点をもった、チベット密教の師たちによって打ち砕かれたのである。
このように壁が取り除かれたことにより、チベット密教は師匠なしで、
学ぶことが出きるようになった。
チベット密教、ガーギュ派の師祖の1人、ナーローパがマルパというチ
ベット人に伝えた、ナーロー六法という修行体系が紹介されている、
この修行は、師匠がいなくても行える。
★ナーロー六法の6つの行
①内火の行
チャンダリニーと呼ばれる火のエネルギーを体内に、発生させ、三脈七輪
(三脈七輪とは、3つの脈と7つのチャクラのこと)をコントロールしていく。
ヨーガでは、この体内の火のエネルギーのことを クンダリニー と呼ぶ
②幻身の行
幻の体が出現する方法。
幻身の行と夢見の行は、密接な関係があるから一緒に、行うといい。
③夢見の行
夢の中で修行する方法。
④光明の行
瞑想を続けていると見えてくる光をコントロールする方法。
⑤転識(てんじき)の行
頭頂を開き、幽体離脱を体験する方法。
⑥中有(ちゅうう)の行
簡単にいうと、輪廻転生から抜け出す方法。
最終段階である転識の行と中有の行は、臨終が近づいてから行ってもいい。
最初に学ぶ必要があるのが、内火の行でこれが基本となる、これをと
ばして他の5つの方法を行っても、本当の六法の完成など不可能だ。
六法の画期的なところは、灌頂(かんじょう)の儀式が不要なこと、灌
頂とは正式な密教者になる儀式のこと。
もう一つの画期的なところが、本尊法も不要なこと、チベット密教の行
は自分の本尊を得ないと学ぶことができないが、六法は違う。
こういったことから、六法は在家のまま、師匠なしで学ぶことができる。
六方は、すべてを学ぶ必要はなく、ひとつかふたつをマスターすれば
いい、これは6つの行には共通性があり、すべてを学ばなくても、内火
の行と、ひとつかふたつマスターすれば、他の行もマスターできてしま
う。
次回
【内火チャンダリニーの発生方法】