●中国の奥地に今も息づく仙人の山 (18ページ) | 第三の眼

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1984 11月号 No.48 

●中国の奥地に今も息づく仙人の山 (18ページ)

 

青城山には洞窟が数多くある。それらのいくつかは仙界へ続いていると

いわれている。そうした洞窟に入り込んだ人の話が伝わっている。

 

唐の高宗の時代、青城山の麓に薬草採りが住んでいた、ある日、青城山

で薬草を採っていて山薬(ヤマイモの一種)を見つけ掘っていると、根はど

こまでも続き、ついに数メートルに達した。この穴の中に洞窟を見つけ入っ

ていった、400メートルも進むと出口があり、湖水があり十数軒の民家が

並んでいる。農夫や牧童など、様々な人に会ったが、みな見たこともない

形の服を着ていた、ある人に蜀へはどう戻るのかとたずねたところ、「汝た

ち俗人は知らないだろうが、ここは仙界なのだ。汝がここにきたのも仙分(縁)

があるからだろう。道を得たらよかろう」と答えた。

 

やがて、玉皇大帝(ぎょくこうたいてい)に引き合わされることになり、門のと

ころで待たされたとき、真っ赤で不思議な形をした大牛がいた。

この牛は、仙人になることのできる丹を吐くという。その丹を飲み込むように

と言われる。初め赤、青、黄、白と珠を吐く。それを取ろうとすると、不思議な

童子が次々と現れ、珠を持って行ってしまう、最後に黒い珠が出てきたので、

急いで飲み込んだ。

 

玉皇に会い、侍女の仙女を妻にもらうことになる、仙女に助けられ3年間の月日、

仙道修業に励む、やがて家が恋しくなり、帰りたいと仙女に告げると、玉皇もそれ

を許し、故郷に帰した。

村に着くと、だれ一人知っている人がいない。村の90歳になる最長老にたずねる

と、昔、自分の祖父が青山城に行ったまま帰ってこないという、よく聞くと、それは

自分のことで、あれから90年もたっていたのである。

この男は、再び青城山に入り、戻ってくることはなかった。

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これ以外にも、数々の仙人伝説がこの青城山に伝わっている。

 

この話に出てくる玉皇とは天皇、大牛は駄竜(だりゅう)で、赤い珠とは寿命を天地

と等しくする仙丹で、青珠は5万歳、黄珠は3万歳、白珠は1万歳、黒珠は500歳の寿

命を保つ丹といわれる。