プーチン、訪朝前に文を労働新聞掲載 | すずくるのお国のまもり

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お国の周りでは陸や海や空のみならず、宇宙やサイバー空間で軍事的動きが繰り広げられています。私たちが平和で豊かな暮らしを送るために政治や経済を知るのと同じように「軍事」について理解を深めることは大切なことです。ブログではそんな「軍事」の動きを追跡します。

◎金正恩・プーチン、24年ぶりに朝ロ関係を格上げ

 

 

 ロシアのプーチン大統領が24年ぶりに平壌(ピョンヤン)を訪れて、19日朝ロ首脳会談に臨む。首脳外交のうち形式が最も高い国賓訪問で、昨年9月ロシア極東のボストチヌイ宇宙基地で首脳会談を行って以来、7カ月ぶりだ。
 プーチン大統領はこれに先立って、18日に北朝鮮との包括的戦略パートナー関係協定の締結を指示した。
 ロシア法律ウェブサイトに発表された大統領令文書によると、「ロシアと北朝鮮の包括的パートナー関係協定を締結しようというロシア外務省の提案を受諾する」と明らかにした。これに伴い、プーチン大統領と金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は19日まで予定された訪朝期間中にこの協定に署名することが予想される。
 クレムリン宮のユーリ・ウシャコフ補佐官も17日(現地時間)、「この協定が署名されれば、これは既に締結された基本文書を代替する」と明らかにした。2000年プーチン大統領の初訪朝当時に結んだ「朝ロ親善、善隣および協力に関する条約」に代わるものになると見られる。ロシアは現在、韓国とは一段階低い「戦略的協力パートナー関係」を結んでいる。
 この条約の第2条には、相互安全保障に関連し、「双方のうち1カ所に侵略される危機が生じた場合、または平和と安定を脅かす状況が生じた場合、そして協議と協力が避けられない場合、双方は直ちに接触する」とだけ規定されている。北朝鮮は、1961年7月に締結したもののソ連解体以降の1996年に公式破棄された「朝ソ友好協力および相互援助条約」水準の有事時の軍事的自動介入条項の復活を望んでいることが分かり、新たな条約の内容に関心が集まっている。
 この日、プーチン大統領は到着に先立ち、北朝鮮労働新聞1面に寄稿文を載せた。2019年習近平国家主席が訪朝直前に労働新聞に寄稿したことと同じ方式だ。
 プーチン大統領は「ロシアと朝鮮民主主義人民共和国:連帯を継続する親善と協力の伝統」と題する寄稿文で「西側の統制を受けない貿易および相互決済体系を発展させて一方的な非合法的制限措置に共同で反対していく」と明らかにした。ウクライナ戦争と核・ミサイル開発でそれぞれ国際社会の金融制裁を受けているロシアと北朝鮮が米国中心の国際金融システムとドル貨幣の影響を受けない自体貿易・決済システムを備えようという意味に解釈される。韓国国民大のアンドレイ・ランコフ教授は「米国主導の貿易秩序を無視する空間を作って、これをブロック化するという意味」と解釈した。
◇プーチン大統領、金委員長を「同志」と呼んで血盟強調
 プーチン大統領はまた、「朝鮮(北朝鮮)の友は数十年間続く米国の経済的圧力と挑発、恐喝と軍事的脅威にもかかわらず、非常に効果的に自分たちの利益を守っていっている」としながら「ロシアは昨日も、明日も朝鮮人民を支持する」と強調した。
 特にプーチン大統領は金委員長を「タワリシチ(tovarisch、共産党「同志」)」と呼び、北朝鮮との歴史的関係を詳細に言及した。「ソ連は世界で初めて朝鮮民主主義人民共和国を国家と認め、1950~53年6・25戦争(朝鮮戦争)で朝鮮人民の闘争を支持した」としながらだ。韓国統一研究院のヒョン・ソンス研究委員は「金委員長を同志と呼んで過去の血盟関係を強調したのは、ロシアが両国関係をこの水準まで引き上げたいという意味」と分析した。
 労働新聞はこの日の社説で「朝鮮民主主義人民共和国とロシアの根の深い親善と協力関係が新たな全盛期を迎えている」とし「プーチン大統領の訪朝は、両国の善隣友好関係を新たに高い関係に発展させるにあたり大きな意義を持つ」と強調した。プーチン大統領は19日に訪朝の主な日程を消化する予定だ。ウシャコフ補佐官によると、公式歓迎式、拡大および非公式首脳会談、文書署名式および言論発表をする予定だ。「両首脳が散歩や茶道を兼ねた一対一非公式会談で『最も重要で敏感な問題』を議論する予定」と説明した。「重要で敏感な問題」には朝ロ間の軍事協力が含まれると予想される。
 この日、平壌(ピョンヤン)市内はプーチン大統領の訪朝を歓迎する様子が各地でとらえられた。順安(スンアン)空港の建物外壁には「朝ロ親善よ、永遠たれ」などの歓迎バナーが掲げられ、その近くにはロシアの国旗とプーチン大統領の顔が描かれた懸垂幕が壁面いっぱいに掲げられた。プーチン大統領は19日、ベトナムに発つ。

 

◎ロシアと朝鮮民主主義人民共和国:年代をつないでいく友好と協力の伝統

 

 

【平壌6月18日発朝鮮中央通信】ロシア連邦大統領のV・プーチン同志は、「ロシアと朝鮮民主主義人民共和国:年代をつないでいく友好と協力の伝統」と題する文を発表した。
 V・プーチン同志は文で、朝鮮民主主義人民共和国に対する国家訪問を行う前にわが国家間のパートナーシップの展望とそれが現在の世界において持つ意義について朝鮮と海外の「労働新聞」読者に話したいと述べた。
 文は、平等と相互尊重、信頼の原則に基づくロシアと朝鮮民主主義人民共和国の友好と善隣の関係は70年を超え、栄えある歴史的伝統でつづられていると指摘した。
 わが人民は日本軍国主義に反対する困難であった共同の闘争に対する追憶を大事にしており、犠牲になった英雄たちに敬意を表していると指摘した。
 赤軍の朝鮮解放を記念して1946年に平壌の中心に建てられた牡丹峰の記念碑はまさに、両国人民の戦闘的友誼の象徴となっていると強調した。
 ソ連は、世界で初めて創建されて間もない朝鮮民主主義人民共和国を認め、朝鮮と外交関係を樹立したと指摘した。
 1949年3月17日、朝鮮民主主義人民共和国の創建者である金日成同志がモスクワを初めて訪問した際、ソ連と朝鮮民主主義人民共和国間に経済文化協力協定が締結され、その協定はその後の二国間協力を強化していくための法律的基礎を築いたと明らかにした。
 1950年―1953年の祖国解放戦争(朝鮮戦争)の厳しい時期も、ソ連は朝鮮民主主義人民共和国の人民に支援の手を差し出し、自主を目指す朝鮮人民の闘いを支持したと指摘した。
 2000年に行われた私の平壌訪問とその次の年に行われた朝鮮民主主義人民共和国国防委員会委員長である金正日同志のロシア訪問はわが両国関係において新しくて重要な里程標になったとし、文は次のように強調した。
 その時期に締結された二国間の宣言は、その後のわれわれの創造的かつ多面的なパートナーシップの基本立場と方向を規定した。
 朝鮮民主主義人民共和国の現在の指導者である金正恩同志は先代領袖たちである特出した国家政治家、ロシア人民の友人である金日成同志と金正日同志がもたらした路線を確信をもって堅持している。
 私は昨年9月、ロシアの「ボストーチヌイ」宇宙発射場で行われたわれわれの対面過程にそれについて再度確信した。
 以前のようにこんにち、ロシアと朝鮮民主主義人民共和国は多面的なパートナーシップを積極的に発展させている。
 われわれは朝鮮民主主義人民共和国がウクライナで行われているロシアの特殊軍事作戦を揺るぎなく支持し、主要国際問題においてわれわれと連帯を表し、国連舞台で共同路線と立場を守っていることについて高く評価する。
 平壌は昨日も今日もわれわれの頼もしい同志、支持者として正義と自主権に対する相互尊重、互いの利益に対する考慮に基づく多極化の世界秩序の樹立を阻害しようとする「西側集団」の欲求を断固と反対する用意がある。
 米国は本質上、「2重基準」に基づいた世界的な新植民地主義独裁以外の何物でもない何らかの「ルールに基づく秩序」を世界に強要しようとありとあらゆるあがきをしている。
 米国とその追随国は自分らの目的がロシアに「戦略的敗北」を与えるところにあると公然と言っている。
 彼らは2014年のキエフでの武装クーデターとその後ドンバス地域での戦争を支持し、つくり上げることで自分らが起こしたウクライナでの紛争を遅延させ、さらに激化させるために全力を尽くしている。
 ロシアは、過去も未来も最も複雑な全ての問題に対して平等な対話を行う準備ができている。
 私はこれについて先日、モスクワで行われたロシア外交官との対面で再び言及した。
 一方、われわれの敵はその反対にネオナチのキエフ当局に金銭と兵器、偵察資料を引き続き提供しており、ロシア領土を打撃するのに西側の近代的兵器と技術装備を利用するよう許し、事実上促している。
 しかし、彼らがいくらやっきになって尽力してもロシアを抑止し、孤立させようとする彼らの全ての企図は破たんした。
 われわれは、朝鮮の友人が数十年間も続く米国の経済的圧力と挑発、恐喝と軍事的威嚇もものともせず、とても効果的に自分の利益を守り抜いていることについてうれしく思う。
 われわれは、朝鮮民主主義人民共和国の人民がどんな力と尊厳、勇敢さをもって自分の自由と自主権、民族的伝統を守って闘うのかを見ている。
 ロシアは、昨日も明日も狡猾で危険であり、侵略的な敵との対決において、自主と独創性、発展の道を自ら選択する権利を守る闘いにおいて朝鮮民主主義人民共和国と英雄的な朝鮮人民を支持したし、今後も変わることなく支持するであろう。
 われわれは、共同の努力によって二国間の協力をより高い水準に引き上げるであろうし、これはロシアと朝鮮民主主義人民共和国間の互恵的で同等な協力を発展させ、われわれの自主権を強化し、経済貿易関係を深化させ、人道主義分野での連携を発展させ、結果的には両国公民の福利を増進させるのに寄与するものと確信する。
 文は、金正恩同志が健康であることと、友好的な朝鮮民主主義人民共和国の全ての人民に平和と発展の道で大きな成果があることを願うと強調した。---