NATO事務総長、核兵器配備を協議 | すずくるのお国のまもり

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◎NATO、核兵器配備を協議 事務総長「透明性を抑止力に」

 

 

[ロンドン 17日 ロイター] - 北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は17日、ロシアや中国からの脅威の高まりを踏まえ、核兵器を保管庫から出して配備する方向で協議していると、英紙テレグラフに語った。
 核兵器に関する透明性を抑止力として利用するために、加盟国間で協議が行われていると説明。「どれだけの核弾頭を配備し、どれを保管すべきかといった運用上の詳細には立ち入らないが、こうした問題について協議する必要がある。実際に現在、協議を行っている」と述べた。
 その上で「透明性を高めることで、われわれが核同盟であるという直接的なメッセージを伝えることができる」とした。
「NATOの目標は核兵器のない世界だが、核兵器が存在する限り、われわれは核同盟であり続ける。ロシアや中国、北朝鮮が核兵器を持つ一方、NATOは持たないという世界は、より危険だ」と述べた。
 NATOが兵器について公言することは極めてまれ。米国は欧州の数カ所に核爆弾を配備しているとされる。

 

◎「核兵器、倉庫から取り出して実戦配備を」…NATO首長、朝中ロの牽制に出た

「敵に直接的なメッセージを送るには北大西洋条約機構(NATO)は核兵器を倉庫から取り出して実戦配置し、『核透明性』(nuclear transparency)原則により公開しなければならない」
 16日(現地時間)、英国テレグラフが報道したストルテンベルグNATO事務総長の発言だ。ストルテンベルグ氏はこの日のインタビューで「NATOは遠くない未来に、ロシアと中国という核兵器を保有した2つの潜在的『敵国』と向かい合う以前にはなかった状況に直面するだろう」と述べた。
 続いて「米国は欧州にある(米国)核弾頭を搭載できる航空爆弾を現代化していて、欧州同盟国はNATOの核任務遂行のための航空機を現代化している」と公開した。
 NATO加盟国のうち、核兵器保有国は米国とフランス、英国など3カ国だ。米国の場合、保有核弾頭3700余発中1700発をいつでも使用できる状態で維持中だと推定される。英国は保有核弾頭225発中40発を実戦配置したとメディアは推定した。米国はベルギー・ドイツ・イタリア・オランダ・トルコ(テュルキエ)など5カ国にも1960年代に開発された航空爆弾である戦術核爆弾「B61」20発ずつを配置中であることが分かった。
 特に今回のインタビューでは「中国が2030年ごろ1000発の核弾頭を保有するものとみられる」と警告した。あわせて「NATOの目標は『核兵器なき世界』だが、ロシア・中国・北朝鮮が核兵器を保有しており、NATOは核兵器がない世界のほうがはるかに危険なので、我々は核同盟として残るだろう」と強調した。
 欧州各国が国防予算を大幅に増額しなけれならないとも主張した。ストルテンベルグ氏は「我々は皆、冷戦が終わって緊張が緩和されて国防費を減らしたが、今また緊張が高まっていて防御力を高めなければならない時が来た」と述べた。
 一方、スウェーデンのシンクタンク「ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)」は16日に公開した2024年度年鑑を通じて「北朝鮮は今年1月基準で核弾頭を50発保有し、1年前(30発)より20発を拡充した」と推定した。あわせて保有した核分裂物質まで加えると、最大90発に達する核弾頭を作ることができると評価した。
 全世界で使用可能な核弾頭数(老朽化した核弾頭除外)は今年1月基準で9585発だ。このうち90%ほどは米国(3708発)とロシア(4380発)が保有している。SIPRIが明らかにした核保有国は米国・ロシア・英国・フランス・中国・インド・パキスタン・イスラエル・北朝鮮など9カ国だ。