日米韓共同訓練「フリーダム・エッジ」の初実施 | すずくるのお国のまもり

すずくるのお国のまもり

お国の周りでは陸や海や空のみならず、宇宙やサイバー空間で軍事的動きが繰り広げられています。私たちが平和で豊かな暮らしを送るために政治や経済を知るのと同じように「軍事」について理解を深めることは大切なことです。ブログではそんな「軍事」の動きを追跡します。

◎日米韓 共同訓練「フリーダム・エッジ」終了 韓国軍は成果強調

 

 

 27日から行われていた日本・アメリカ・韓国による新たな共同訓練「フリーダム・エッジ」が、29日終了しました。韓国軍は、北朝鮮の核・ミサイルへの対応能力を向上させ、安全保障面での協力に強い意志を示したと成果を強調しています。
 日米韓3か国による新たな共同訓練「フリーダム・エッジ」は29日までの3日間、東シナ海などで行われました。
 韓国軍の合同参謀本部によりますと、海上でのミサイル防衛訓練やサイバー攻撃への対応訓練など、合わせて7つの訓練を実施したということです。
 訓練には、アメリカ海軍の原子力空母「セオドア・ルーズベルト」も参加し、アメリカ海軍が28日に公開した画像には、MH60ヘリコプターやFA18戦闘攻撃機が、離着艦訓練を行う様子が写っていました。
 訓練の終了にあたり、韓国軍は「高度化する北の核・ミサイルの脅威への抑止や対応能力を向上させた。悪天候の中でも3か国の安全保障協力の発展に強い意志を示した」と成果を強調しています。
 ただ、北朝鮮はこの共同訓練への非難を続けてきたことから、訓練を理由に弾道ミサイルの発射など新たな挑発に出る可能性があるとして、各国が警戒を続けています。

 

 

◎複数領域における日米韓共同訓練「フリーダム・エッジ」の初実施(仮訳)
 日本、米国及び韓国は、6月27日から29日にかけて、初めてとなる複数領域における日米韓共同訓練「フリーダム・エッジ」を洋上で開始しました。
 本訓練の実施は、昨年8月のキャンプ・デービッドにおける日米韓首脳会合及び本年6月のシャングリラ会合の際に行われた日米韓防衛相会談において発表したものです。
 本訓練は、朝鮮半島を含むインド太平洋の平和と安定のために、日米韓の相互運用性を促進し、自由を守るという日米韓の意思を表明するものです。
 本訓練には、日本からは護衛艦「いせ」、「あたご」、哨戒機P-1が、韓国からは駆逐艦「ソエ・ユ・ソンニョン」、「カン・ガムチャン」、哨戒機P-3、リンクス対潜ヘリコプター、戦闘機KF-16が、米国からは空母「セオドア・ルーズベルト」、駆逐艦「ハルゼー」、「ダニエル・イノウエ」、哨戒機P-8、戦闘機F/A-18、早期警戒機E―2D、特殊作戦ヘリコプターMH-60が参加します。
 本訓練では、弾道ミサイル対処訓練、防空戦闘訓練、対潜戦訓練、捜索救難訓練、海上阻止訓練、サイバー攻撃対処訓練に重点を置いています。
 今後、日米韓3カ国は、「フリーダム・エッジ」を更に強化していきます。

p20240627_01.pdf (mod.go.jp)

 

◎韓米日が今月末に新たな共同訓練 米原子力空母の参加検討

 

 

【ソウル聯合ニュース】韓国と米国、日本による新たな共同訓練「フリーダム・エッジ」が今月末に実施される見通しだ。ロシアのプーチン大統領が来週に北朝鮮を訪れ金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)と会談し、軍事協力を強化すると予想される中、強い警告のメッセージになるとみられる。
 韓国軍によると、3カ国は米原子力空母「セオドア・ルーズベルト」の参加を含め、訓練の時期や規模、内容などを調整している。セオドア・ルーズベルトは韓国南部・釜山に入港した後、公海上で訓練を行うことが検討されている。セオドア・ルーズベルトが朝鮮半島に展開されれば今年4月以来となる。
 訓練は、シンガポールで今月初めに開かれた韓国の申源湜(シン・ウォンシク)国防部長官と米国のオースティン国防長官、日本の木原稔防衛相による会談で今夏の実施が決まった。陸海空やサイバーなど複数領域で実施。3カ国の捜索・救難共同訓練(SAREX)やミサイル防衛訓練、爆撃機の護衛訓練など海上や空中で行っていた訓練を定例化し、領域を拡大した。

 

◎韓米日「フリーダムエッジ訓練」成功に…北朝鮮「アジア版NATO」と激しく非難

 

 

 韓米日が初の多領域定例連合訓練「フリーダムエッジ(Freedom Edge)」を完遂すると、北朝鮮が「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」と激しく非難した。これを朝ロ間の軍事的密着の口実にすると同時に中国を刺激しながら「朝中ロ-韓米日」構図にしようという狙いがあると解釈される。
 北朝鮮は30日、国営朝鮮中央通信を通じて外務省対外政策室名義の公報文を出し、27-29日に済州(チェジュ)南側の公海上で実施された韓米日の初の定例軍事訓練フリーダムエッジを批判した。
 北朝鮮外務省は「別の名称を付けて米日韓が大規模な合同軍事演習をした『フリーダムエッジ』は三角軍事ブロックの組織化、体系化、実物化の産物ということにその厳重性と危険性がある」とし「各領域で年次合同軍事演習をするNATOと同じく、米日韓が3カ国多領域合同軍事演習を定例化することにしたのは『アジア版NATO』の体貌を完全に備えたものだ」と主張した。
 これに先立ち合同参謀本部は前日(29日)、韓米日が対潜戦訓練をはじめ、海上ミサイル防衛、防空戦、捜索と救助、海洋遮断、サイバー防御など7つの領域で訓練をしたと明らかにした。韓国軍の合同参謀本部の関係者は「今回の訓練は北の挑発とロ朝軍事協力など韓半島(朝鮮半島)と周辺地域の緊張が高まる中で実施された」とし「高波や雨など悪い天気の中、3カ国の計画された戦力が訓練を成功させ、これは3カ国安保協力に対する強い意志を見せた」と評価した。
 今回の訓練では米国のニミッツ級(10万トン級)原子力空母「セオドア・ルーズベルト」(CVN-71)などが参加し、水上・水中・空中の脅威に加えてサイバー防御訓練まで行った。
 北朝鮮は今回の訓練の根拠となった昨年8月の韓米日首脳のキャンプデービッド宣言にも言及した。外務省は「ここには3カ国のうち一国に対する脅威が形成されれば共同対応するために即刻協力するという内容があるが、これは本質上、一国が攻撃を受ければ全体に対する攻撃と見なして防衛力を発動するというNATOの集団防衛原則を連想させる」と述べた。
 また今回の訓練が「ロシアに圧力を加え、中国を包囲しようという米国の戦略的企画」という点も強調した。北朝鮮が韓米日を批判し、ロシアと中国にまで言及したのはおそらく「朝中ロ-韓米日」構図を浮き彫りにするためのものと解釈される。19日に朝ロが結んだ新しい軍事条約(包括的な戦略的パートナー関係条約)を正当化し、朝中ロ構図に消極的な反応を見せてきた中国を引き込むための意図とも考えられる。
 実際、北朝鮮は「自主的な主権国家の強力で調整された対応」と「集団的な軍事的干渉を効果的に抑止できる力量構図構築」を強調し、中国およびロシアと集団的対抗戦線の形成に対する望みを隠さなかった。
 実際、米国が韓米日とAUKUS(米英豪)、米日比、クアッド(Quad、米日豪印)など「格子状同盟」を構築することに対し、これを「アジア太平洋版NATO」と批判してきたのは他でもなく中国だった。中国中央軍事委員会統合参謀部の景建峰副参謀長が今月初めのアジア安全保障会議(シャングリラ対話)で「米国の真の目的は小集団を融合してアジア太平洋版NATOという大集団を構成し、米国の覇権的地位を維持しようとするものだ」と発言し、中国の王毅外相も昨年7月のASEAN地域安保フォーラム(ARF)会議で「アジア太平洋版NATOの動きに反対するべき」と言及した。
◆韓国国防部「韓米日訓練は北核対応レベル…居直り」反論
 今回の発表は北朝鮮がフリーダムエッジ訓練の前日(26日)にミサイル挑発をして空中爆発した後、韓米日に非難の矛先を向けようとするものとも考えられる。合同参謀本部によると、北朝鮮はこの日午前、極超音速中距離ミサイル(IRBM)と推定されるミサイルを発射したが、発射直後に空中爆発した。
 国防部は30日午後、「韓米日の訓練は北の核・ミサイル脅威を抑止して対応する目的で2008年から防御的レベルで続けていて、今回の訓練もその連続線上にある」と反論した。続いて「韓半島緊張の主犯である北側がフリーダムエッジ訓練に対して『アジア版NATO』などと非難したのは一言でいうと居直りだ」とも主張した。
◆尹大統領「平和は言葉でなく力で守る」
 一方、29日の第2延坪海戦(2002年6月29日)勝利記念日を迎え、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領はフェイスブックに「平和は言葉でなく強い力で守る」という文章を載せた。尹大統領は故ユン・ヨンハ少佐、ハン・サングク上士、、チョ・チョンヒョン上士、ファン・トヒョン中士、ソ・フウォン中士、パク・ドンヒョク兵長の名前を一人ずつ挙げた後、「わが海軍は北方限界線(NLL)を奇襲侵犯した北の軍を退け、我々の海を守った」とし「平和は言葉でなく強い力で守る」と述べた。
 同日、平沢(ピョンテク)海軍第2艦隊司令部では第2延坪海戦戦死者の遺族、イ・ヒワン国家報勲部次官をはじめとする参戦勇士ら約300人が出席した中で勝利の行事が開かれた。申源湜(シン・ウォンシク)国防部長官はこの日の演説で「北が22年前の痛恨の敗北を忘却し、依然として大韓民国の海を狙っている」とし「NLLを幽霊ラインと主張し、西海(ソヘ、黄海)上での砲兵射撃、警備艇のNLL侵犯、GPS(衛星航法装置)電波妨害などを随時している」と批判した。