北朝鮮が韓国に4日連続で妨害電波 | すずくるのお国のまもり

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お国の周りでは陸や海や空のみならず、宇宙やサイバー空間で軍事的動きが繰り広げられています。私たちが平和で豊かな暮らしを送るために政治や経済を知るのと同じように「軍事」について理解を深めることは大切なことです。ブログではそんな「軍事」の動きを追跡します。

◎北朝鮮が韓国に4日連続で妨害電波 旅客船GPS誤作動など780件

 

 

 北朝鮮から韓国側に向けて、全地球測位システム(GPS)の妨害電波が連日発信されている。北朝鮮は5月27日に軍事偵察衛星の打ち上げに失敗して以降、風船を使った汚物の散布など挑発行為を繰り返し、韓国軍が強く反発している。
 韓国メディアによると、1日まで4日連続で、韓国が海上境界線とする北方限界線(NLL)の北側から韓国側の黄海に向けて、妨害電波が発信された。軍事作戦に影響は出ていない。ただ、韓国紙「中央日報」によると5月29~31日、南北の軍事境界線に近い韓国北西部・仁川(インチョン)と周辺の島を結ぶ旅客船や漁船から、GPSの誤作動などの異常が計780件報告された。
 韓国統一省は「北朝鮮の最近の挑発を非常に重く見ており、決して座視しない。やめなければ、北朝鮮が耐えられないあらゆる措置を取る」と警告している。【ソウル福岡静哉】

 

◎北朝鮮、3日連続でGPS妨害電波…韓国軍当局「北風予報、汚物風船また飛ばす可能性」

 

 

 北朝鮮が先月31日、3日連続となる衛星利用測位システム(GPS)妨害電波攻撃を敢行した。先月28日に「汚物風船」を韓国側に大量に飛ばして以降、GPS妨害やミサイル発射カードを交互に取り出しながら挑発する姿だ。北朝鮮が公言した「強対強」対敵行動路線を実際に見せると同時に、住民の内部結束まで念頭に置いた多目的布石という分析が出ている。
 韓国軍の合同参謀本部によると、31日午前8時前後に西海(ソヘ、黄海)北方限界線(NLL)近隣の西北島嶼一帯でGPS妨害信号が探知された。軍関係者は「現在のところGPS妨害による軍事作戦制限事項はない」と明らかにした。
 ただ、民間では先月29日から仁川(インチョン)海上を行き来する旅客船と漁船のナビゲーションが誤作動する現象が繰り返し表れている。関係機関によると、先月29日から31日午前5時までGPS受信障害通報は780件にのぼった。
 北朝鮮が多様な手段を動員して対南攻勢に没頭しているため、韓国軍も関連動向を鋭意注視する雰囲気だ。軍関係者は「北にその他の特異な挑発兆候がないか注視している」と話した。
 軍当局は北朝鮮が対南「汚物風船」を1日にまた散布する可能性があるとみて対応体制を整えていると明らかにした。合同参謀本部の関係者は「6月1日から北風が予告されていて、対南汚物風船が予想される」とし「北の軍の動向を鋭意注視していて、汚物風船が飛ばされればメディアに公示する予定」と述べた。また「関連機関と協力して国民の安全を最優先に考えている」とし「対南汚物風船が飛ばされれば落下物に注意し、汚物風船を発見した場合は触れずに通報してほしい」と呼びかけた。
 北朝鮮の最近の対南挑発は、南北関係に対する金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の認識を端的に見せる事例というのが、専門家らの指摘だ。慶南大極東問題研究所のイム・ウルチュル教授は「金正恩委員長の『二つの国家関係』宣言以降、対南敵対意識・主敵観を強調しているのと関連する側面がある」とし「対南脅威のほか、住民の敵がい心鼓吹を通した内部結束までも念頭に置いた多目的な布石とみられる」と話した。
 これに先立ち北朝鮮は先月30日、対韓国用とみられる短距離弾道ミサイル(SRBM)を発射した。労働新聞はこの日、「敵が共和国に反対する軍事力使用を企図する時にはいつでも自衛権を発動し、先制攻撃も辞さない我々の対応意志を明確に見せるため超大型放射砲兵区分隊(大隊級)の威力示威射撃が進行された」と伝えた。
 北朝鮮は今回の射撃が金正恩委員長の命令・指導に基づいて進行された武力示威という点を強調した。労働新聞によると、金委員長はこの席で「我々に触れればいかなる結果に直面するかをはっきりと見せる契機になるはず」とし「対南用」という意図を隠さなかった。
 また同紙は「砲兵は射程距離365キロの島の目標を命中打撃し、賦課された威力示威射撃任務を立派に遂行した」とし、一列に並んだ超大型放射砲18門が一斉に射撃する姿と標的の島とみられる目標物を命中させる場面が入った写真を数枚公開した。南側に方向を向ければ陸・海・空軍本部がある鶏竜台(ケリョンデ)と在韓米軍空軍基地がある群山(クンサン)をはじめとする多くの飛行場が射程圏に入る。
 北朝鮮の超大型放射砲は韓米情報当局がKN-25というコード名を付与した射程距離400キロのSRBMだ。事実上、韓国を狙った武器に戦術核を搭載できると主張している。
 労働新聞によると、金委員長は「我々の核武力は戦争抑止と戦争主導権争奪の重大な使命を任意の時刻、不意の情況下でも迅速かつ正確に遂行できるよう、より一層徹底的に準備されなければいけない」と強調した。
 こうした北朝鮮のさまざまな挑発に対抗し、韓国政府は適切な対応案を悩む雰囲気だ。政府当局者は「北が挑発をやめなければ耐えがたいあらゆる措置を取っていく」と明らかにした。専門家らの間では北朝鮮向け拡声器放送の再開、ドローン浸透などが検討可能という見方が出ている。

 

◎北朝鮮、3日連続でGPS妨害攻撃…韓国軍「現在まで軍事作戦制限ない」

 

 

 北朝鮮が西海(ソヘ、黄海)北方限界線(NLL)の北側から南側に向けて衛星利用測位システム(GPS)電波妨害攻撃を続けていると、韓国軍が明らかにした。
 韓国軍の合同参謀本部は31日午前8時前後に西北島嶼一帯に対するGPS妨害信号を探知した。
 軍関係者は「現在のところGPS妨害による軍事作戦制限事項はない」と明らかにした。
 ただ民間には影響があるとみられる。実際、前日の北朝鮮のGPS攻撃で仁川(インチョン)海上を行き来する旅客船と漁船のナビゲーションが一時誤作動を繰り返した。
 北朝鮮は28日夜に南側に汚物が入った風船を飛ばしたのに続き、29日から3日連続でGPS電波妨害攻撃をしている。
 前日午前には異例にも多い18発の超大型放射砲を発射し、この日「威力示威射撃」だったと明らかにするなど、複合的な挑発様相を継続している。
 韓国軍は「北にそのほかの特異挑発兆候がないか注視している」と説明した。

 

◎北朝鮮が2日連続でGPS妨害 韓国軍「軍事作戦は制約受けず」

 

 

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が30日朝から、韓国側の全地球測位システム(GPS)利用を妨害するための電波を発信している。韓国軍合同参謀本部によると、午前7時50分ごろから朝鮮半島西の黄海上の南北軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)付近で、韓国の西北島しょ一帯に向けたGPS妨害電波が探知された。ただ軍関係者は「これまでのところ、GPS妨害による軍事作戦の制約はない」と話した。
 軍は探知システムを運用しており、関係官庁ともリアルタイムで情報を共有するなど、直ちに対応できる態勢を維持しているという。
 北朝鮮は28日夜、汚物などをぶら下げた大量の風船を韓国に向けて飛ばした。29日未明以降はNLL付近から韓国側に向けGPS妨害電波を発信した。

 

◎北の妨害電波で船舶ナビが誤作動

 

 

 北朝鮮が韓国側の全地球測位システム(GPS)利用を妨害するための電波を発信し、韓国北西部・仁川沖で旅客船や漁船のナビゲーションシステムに一時誤作動が起きた。仁川港沿岸旅客ターミナルから出港する旅客船=30日、仁川(聯合ニュース)

 

◎汚物にGPSかく乱とミサイルで一気に攻勢…金正恩氏、衛星失敗でヒステリーか

 

 

 北朝鮮が「汚物風船」を韓国に大量に飛ばしたのに続き、30日には東海上に向け短距離弾道ミサイル十数発を発射し連日挑発を継続している。衛星利用測位システム(GPS)かく乱電波送出もこの日明け方まで続いた。軍事偵察衛星打ち上げ失敗で体面を台なしにした北朝鮮が局面転換を狙うと同時に異例に多くの短距離ミサイルを撃って韓国の防空網の弱点を狙うことができる誇示するような武力示威をしたものとみられる。
 韓国合同参謀本部はこの日、「午前6時14分、平壌(ピョンヤン)順安(スナン)一帯から東海上に短距離弾道ミサイルと推定される飛行体十数発を捕捉した。ミサイルは350キロメートルほど飛行し東海上に着弾した」と明らかにした。
 韓国の専門家らの反応を総合すると、今回の発射体は北朝鮮が600ミリ超大型放射砲KN25の可能性が大きい。韓国軍の十数発の航跡が似ていることから単一諸元であるとみている。
 北朝鮮は3月18日に金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が西部地区砲兵射撃を現地指導したと紹介しながら超大型放射砲部隊の一斉射撃を公開した。移動式打ち上げ台から6発の超大型放射砲が同時に発射される場面だった。4月22日にも「核反撃仮想総合戦術訓練を実施した」として超大型放射砲4発の一斉射撃場面を公開した。直接的に首都圏を狙ったものだが、今回もこうした形の武力示威を行ったものとみられる。
◇北朝鮮、汚物風船・GPS・ミサイル混ぜて予行練習
 北朝鮮が短距離ミサイル十数発を一気に発射したのも異例だ。これまでの短距離ミサイル挑発は2~6発水準だった。28~29日に汚物風船数百個を韓国に送ったのに続けてミサイル挑発でも「物量攻勢」に出た形だ。軍事挑発にテロ要素を混ぜるのは最近のイスラエルとハマスの戦争などを通じて見られる「ハイブリッド戦」の典型的な方式だ。汚物風船で心理的動揺を誘発し、短距離ミサイルで韓国軍の防空網を狙った格好だ。
 北朝鮮が28日午後11時ごろに飛ばし始めた汚物風船は29日午後4時まで続いた。ソウル政府庁舎をはじめとする全国の都心部と民家、学校などに落ち市民の不安を引き起こした。北朝鮮は以前にも対南ビラ風船をたびたび飛ばしていたが1日に数百個を飛ばしたのは初めてだった。北朝鮮は29~30日に韓国側に向けたGPSかく乱電波も4回にわたり発信していたことがわかった。
◇韓国軍「衛星打ち上げ失敗局面転換用」
 韓国軍はこれを衛星打ち上げ失敗に対する内部の不満をなだめるため対南攻勢局面に転換するためとみている。これと関連して、合同参謀本部関係者は「北朝鮮が主張する軍事偵察衛星が失敗したことと関連し、北朝鮮の内部的な問題を外部にそらすためのものと評価している」と話した。
 金委員長は28日に国防科学院を訪問した席で異例の衛星打ち上げ失敗を認めた。「今回の打ち上げは、第1段エンジンの不具合による自爆システムによって失敗した」としながらだ。続けて「失敗は成功の母」という論理を出してさらなる開発を促したが、自ら提示した重大国防課題に支障が出たことで内部的な打撃は小さくなかったものとみられる。
 金委員長が大量破壊兵器(WMD)開発に没頭するのに経済難が深刻になり民心離反が懸念される中で非難の矢を別のところに回す必要があった計算だ。また、金委員長は27日にソウルで開かれた韓日中首脳会議を狙ってこの日深夜に衛星を打ち上げ、3カ国間の協力ムードに冷や水を浴びせようとしたが、2分後に空中爆発した上にむしろ朝中間の亀裂だけ印象付けられ、より直接的で単純明瞭な対南攻勢に選択肢を変更した側面もあるとみられる。
 実際に金委員長は北朝鮮の衛星打ち上げに対応した韓国軍当局の空中打撃訓練を問題視して「ヒステリー的狂気」「容赦できない火遊び」などと猛非難した。続けて「圧倒的な断固たる行動で自衛権の行使は確実にしなければならない”と主張した。そして汚物風船と短距離ミサイルなどで公言した行動に出たわけだ。追加挑発の可能性も提起される理由だ。
 合同参謀本部が打ち上げ地点を平壌の「順安」と特定したことも注目に値する。北朝鮮が韓国に近い地域でなく平壌順安飛行場などあえて人口密度が高い地域でミサイルを撃ったという意味だからだ。2022年11月に金委員長が娘のジュエ氏を初めて公開したのが順安飛行場だった。大陸間弾道ミサイル(ICBM)火星17型をここの滑走路で打ち上げた。同年1月にもここから移動式打ち上げ台を使って短距離弾道ミサイル2発を発射している。
 元軍関係者は「順安から十数発の短距離ミサイルを発射したのは恐らく住民への宣伝を狙ったもの。衛星打ち上げがうまくいかず、対南用に汚物風船、内部用には短距離ミサイルを持ち出して視線をそらそうとしているもの」と話した。