北朝鮮の風船から吸い殻・堆肥・古布 | すずくるのお国のまもり

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お国の周りでは陸や海や空のみならず、宇宙やサイバー空間で軍事的動きが繰り広げられています。私たちが平和で豊かな暮らしを送るために政治や経済を知るのと同じように「軍事」について理解を深めることは大切なことです。ブログではそんな「軍事」の動きを追跡します。

◎北朝鮮の風船から吸い殻・堆肥・古布… 化学物質などはなし

 

 

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮が28日夜以降、大量の風船を使って韓国に飛ばした袋から、たばこの吸い殻や堆肥、廃乾電池、古布の切れ端など、さまざまなごみと汚物が確認された。韓国軍合同参謀本部のイ・ソンジュン広報室長は30日の定例記者会見で、関係機関がこれらのごみと汚物を分析しているとしながら「現在までに、化生放(化学・生物・放射性物質)汚染物質は発見されていない」と説明した。
 韓国では北朝鮮から飛んできた風船が約260個見つかった。軍合同参謀本部によると、風船1個当たり重さ10キロ程度のごみ・汚物が入った袋がぶら下がっていた。宣伝用のビラは見つかっていない。
 化学物質などが入っているのでないかと懸念する声もあったが、イ氏は、風船が空中で割れれば物質が広く拡散し、地上に達した時には有毒性はほぼなく、さほど心配する必要はないと述べた。
 軍は風船を撃墜せず、地面に落ちた風船を安全に回収する方法を取っている。危険物が入っていた場合や、撃墜時に弾が軍事境界線(MDL)の北側に飛んでしまうといった可能性を考慮したという。
 軍は、北朝鮮が今後も風向きなど気象条件が合えば再び風船を飛ばしてくる可能性があるとして警戒している。韓国に通じる河川に汚物を投げ込むことも考え得るとする。
 北朝鮮が汚物風船を飛ばした目的について、イ氏は「韓国の民間団体が生活必需品を含め、人道主義的な次元で(風船を)飛ばしているのをやめさせるため」との見解を示しながら、「明白な(朝鮮戦争)休戦協定違反で、反人倫的かつ低級、稚拙な行為」と指摘した。
 一方、北朝鮮は30日朝、短距離弾道ミサイルと推定される約10発を発射した。イ氏は技術の高度化の誇示や販売をにらんだ発射だった可能性を挙げ、対ロシア輸出という思惑に言及した。

 

◎国連軍司令部「北朝鮮の汚物風船、非衛生的、公式調査中…停戦協定違反」

 

 

 国連軍司令部が29日、北朝鮮が風船に下げて韓国側に送った「汚物風船」に対し「停戦協定違反に該当する」と明らかにした。
 国連軍司令部はこの日午後、フェイスブックを通じて立場を表明し、「この問題に対する公式的な調査を進めている」とし、このように伝えた。
 国連軍司令部は「第三者の監督のため中立国監視委員会が調査に加わる」とし「(排泄物とその他の汚染物質が入った)風船を大量で散布する行為は侮辱的で非衛生的であるうえ、停戦協定違反に該当する」と説明した。
 国連軍司令部の報道官は「北朝鮮は国際社会の責任ある一員として待遇を受けることを望むと何度か明らかにしたが、糞便とその他の汚染物質が入った風船を隣国の領空に送って住民に影響を及ぼす行為は無責任な行動」とし「我々は朝鮮半島の平和維持努力を妨害する北朝鮮の国際法違反を非難する」と強調した。
 北朝鮮が汚物とゴミをぶら下げて南側に飛ばした大型風船はこの日、全国で260個ほど発見された。北朝鮮は「汚物風船」散布のほか衛星利用測位システム(GPS)妨害電波攻撃もしたことが把握された。
 北朝鮮が2016、17年に年間1000個ほどの風船を飛ばしたのと比較すると、一日に数百個の風船を散布したのは異例だ。
 これに先立ち北朝鮮は26日、韓国国内の北朝鮮団体による対北朝鮮ビラ散布に対抗するとして「多くの紙くずと汚物が近く韓国側に散布されるはず」と主張していた。

 

◎北朝鮮の汚物風船、在韓日本大使館の屋上にも落下 韓国内で約260個の風船を確認

 

 

【ソウル=時吉達也】北朝鮮が28日夜以降に汚物をぶら下げて韓国側に飛ばした大型風船が、ソウルの在韓日本大使館が入居するビルの屋上にも落下していたことが30日、大使館関係者へ取材で分かった。
 韓国軍合同参謀本部は30日午前の会見で、これまでに約260個の風船が韓国南部を含む各地で確認され、たばこの吸い殻や堆肥、乾電池などのごみを含む「各種の汚染物質」が入っていたと明らかにした。軍関係者によると、汚物には動物のふんが混じった肥料などが含まれているが、人糞や化学物質などは確認されていないという。
 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記の妹、金与正(キム・ヨジョン)党副部長は29日の談話で、韓国の市民団体が北朝鮮側に散布している体制非難のビラを「われわれの思想と制度をおとしめる政治扇動の汚物」と表現。対抗措置として、韓国側から散布されるビラなどの「数十倍」の汚物を今後も送りつけると予告した。

 

◎韓国軍「午後1時基準で北朝鮮の対南風船200個以上…一日基準で歴代最多」

 

 

 北朝鮮が28日夜から大量の「汚物風船」を大韓民国に散布している。
 韓国合同参謀本部は29日、「きょう午後1時基準で江原(カンウォン)・京畿(キョンギ)・慶尚(キョンサン)・全羅(チョルラ)・忠清(チュンチョン)など全国で200個以上の風船が見つかった」とし「北朝鮮の対南汚物風船は民家地域だけでなく、空港や高速道路などに落下して被害が発生する可能性がある。実際に2016年には車両および住宅の屋根などが破損した事例があった」と明らかにした。
 一日に200個は歴代一日最多数量だ。
 合同参謀本部は「地上に落下した風船は軍の化学兵器迅速対応チーム(CRRT)と爆発物処理班(EOD)が出動して回収している。現在まで確認したものとしては汚物、ごみなどが含まれており、関連機関で精密分析中」と伝えた。
 続いて「韓国軍は昨日夜間に初めて識別した時から関連機関に状況を伝播して、現場部隊が京畿・江原一部地域を対象に国民向け安全文字メッセージの発送を地方自治体に要請した」とし「軍からは『北朝鮮の対南ビラ推定未詳物体識別、野外活動自制および識別時、軍部隊または警察に申告』という内容で国文(韓国語)で地方自治体に要請した」と説明した。
 あわせて「このような北朝鮮の行為は国際法に明らかに違反するものであり、我が国民の安全を深刻に脅かす行為」とし「北朝鮮風船により発生するすべての責任は全面的に北朝鮮にあり、北朝鮮の反倫理的で低級な行為を直ちに中断するよう」厳重警告した。
 これに先立ち、北朝鮮のキム・ガンイル国防次官は26日、韓国国内の対北朝鮮団体が散布するビラに正面対抗するとして「多くの紙くずと汚物が近く韓国国境地域と縦深地域に散布されるだろう」と威嚇した。